アイディアと出会いが、あるママの生活までも一変させたお話~「おやさいクレヨン」開発者:木村尚子さん…

アイディアと出会いが、あるママの生活までも一変させたお話~「おやさいクレヨン」開発者:木村尚子さん…

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小さなお子さんがはじめて持つお絵かきの道具といえば、やわらかくて握りやすい、色とりどりのクレヨン!なんでも口に入れてしまう年齢のお子さんが使うものだから、安全性にはこだわりたいですよね。

そんなとき、ぜひおすすめしたいのが、こちらの「おやさいクレヨン」。なんと「やさい」と「お米」からできているんです!

今回は「おやさいクレヨン vegetabo(ベジタボー)」を開発した木村尚子さんに開発ストーリーをお伺いしました。木村さんは、自身がシングルマザーになったことをきっかけに会社を退職、自宅でデザイン事務所を設立。ちょうどそのころに「おやさいクレヨン」の開発を思い立ったのだとか。「おやさいクレヨン」ってどんなもの? どんなふうにできたの? ひとりのママのアイディアから「おやさいクレヨン」が生まれるまでの道のりをご紹介します。
子どもにも環境にも優しい「おやさいクレヨン」
「おやさいクレヨン」とは、主に「やさい」と「おこめ」からできたクレヨンのこと。開発者の木村さんが住む、自然豊かな青森の農作物でつくられています。しかも原料となっている野菜は、「食べられるのに規格外で廃棄されてしまうもの」や「出荷時にカットされ、捨てられてしまう部分」を利用しており、環境にやさしい商品となっているんです。クレヨンは、一般に顔料を固形ワックスで練り固めていますが、この商品では米ぬかを生成する際に排出される「ライスワックス」、つまり「お米の油」を使用しています。だから、万が一お子さんが口に入れてしまっても「やさい」と「お米」できているので安心です。

このクレヨンは、「あか」「あお」「きいろ」といった色ではなく、「野菜そのもの」を活かした、自然な色合いなのも特徴的です。それぞれに、「トマト」や「ブロッコリー」、「にんじん」に「カシス」など、使われている野菜や果物の名前がつけられています。今までにない、やさしくも美しい色彩も、人気の理由のひとつ。

野菜の出荷状況に合わせ、季節ごとに色を変えて発売されてきた「おやさいクレヨン」は、現在、4作目(=シーズン4)まで販売されているほか、過去のシリーズで人気の高かった野菜色をそろえたStandardも発売中。
「無理に青を作るのはやめた」。クレヨンの常識を覆した「おやさいクレヨン」
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──「おやさいクレヨン」を作ることになったきっかけは何だったのでしょうか?

2012年ごろ、私自身がシングルマザーになったことをきっかけに、仕事と育児の両立のために会社を退職、フリーのデザイナーとして働き始めていたんです。当時の目標として「いつか自分のオリジナルの商品を開発・販売したい」という思いがありました。そんなことを考えながら日々を過ごしているうち、青森の、雪が降り続く真っ白な景色を眺めていると、ふと「自然の、生の色が見たい」という気持ちが沸き起こってきたんです。そこから「野菜で絵を描いたらどうなるんだろう……」というアイデアが浮かび、「おやさいクレヨン」を作りはじめるきっかけになりました。

──非常に新しい商品だったと思いますが、「おやさいクレヨン」のコンセプトとは?

そこから地元の仲間たちと開発チームを結成し、「野菜を使った画材が作れないか?」という漠然としたテーマのなかで、いろいろと試作を重ねていきました。最終的に「画材はクレヨンでいこう!」と決定したはいいものの……。はじめのうちは、「あか」「あお」「きいろ」などの「基本色が揃っているクレヨン」という概念が崩せずにいたのです。

しかしそうなると、野菜では基本色の「あお」が作れない。「青い野菜」というのは自然界にほぼ存在しないんですね。青いクレヨンが作れない、となったときに、「じゃあ無理に青を作るのはやめて、野菜の名前を付けてあげたらどうか?」と、「今までのクレヨンの常識を覆すコンセプト」を強みにブランド化を目指そう、という方向性に決まりました。

──「おやさいクレヨン」の誕生には欠かせない、2つの出会いがあったそうですが?

ひとつは、「野菜色のクレヨン」というものに好奇心を抱き、試作の快諾をしてくださったクレヨン職人さんとの出会いです。ネットで探し当てた、名古屋にある東一文具工業所の水谷さんは、「おやさいクレヨン」の誕生に欠かせないキーパーソンのひとり。自社の開発チームの試作段階では、野菜を絞った液体でクレヨンを作ることに成功していましたが、いざ工場で作業をしてみると、クレヨンの原料である油と水分がうまく混ざらないということがわかりました。水谷さんとともに試作を繰り返すなかで、「野菜を粉末にして使ったらどうか」というところまで決まっていったのです。

そして、もうひとつの大きな出会いが、クレヨンの色の素となる、野菜の粉末を作っている七戸の農家さんとの出会いです。それまでは、国外の野菜の粉末で試作をしていましたが、やはり「故郷である青森の野菜を使いたい」という思いがあり……。つてをたどって、農事組合法人あづま理事長の三上さんまでたどり着くことができました。そこで、商品としては流通しないで廃棄されていた、規格外品の野菜などを加工・配合することを提案していただいたんです。三上さんとの出会いも、「おやさいクレヨン」の誕生には欠かせない、大切なものでした。

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※製造風景

試行錯誤の末ようやく「おやさいクレヨン」が完成!その後、木村さんの生活が一変したある出来事
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──「おやさいクレヨン」は各方面でたいへんな話題になりましたよね。木村さんにとって転機となった商談会があったそうですが。

東京で開かれた文具・雑貨のギフトショー(見本市)に「おやさいクレヨン」を出展したんです。その結果、なんと3日間で約1500社のバイヤーさんと商談することになりました。「野菜を使ったクレヨン」という新しさが好評をいただいたようで、用意していた数千セットは2週間のうちに予約完売。その後も各メディアに取り上げていただき、大変な反響をいただきました。

──大反響の中で、どんなことを思ったのでしょうか?

自分のお子さんのために購入した、出産祝いや孫のプレゼントに贈ったという声を聞いたときには、とても感慨深いものがありました。現在では、海外への発注も受けるようになっています。この「おやさいクレヨン」のコンセプトに、たくさんの方が共感していただけたこと、本当に嬉しく思っています。

──木村さんの今後の目標や夢を教えてください。

シリーズを重ねていくごとに「コンセプトはそのままで、安全性の高い別の商品がほしい」「基本色のクレヨンを出してほしい」といったご要望もいただきました。そこで、野菜パウダーを使った「おやさいねんど」や、米油を原料にしたことで基本色を作れるようになった「おこめのクレヨン」の開発もしました。今後も、お客様のニーズに対応していきつつ、会社のコンセプトのひとつとして掲げる「親子で楽しむ時間」をデザインできるような商品展開をしていきたいですね。

また引き続き、地元青森の魅力を発信し、青森と関連した商品を作り上げていくことで、少しでも地域活性化や地方創生に貢献できるような取り組みをしていけたらと思っています。

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「おやさいクレヨン」が誕生するまでには、こんな開発ストーリーがあったのですね。「いろいろな葛藤や苦悩もあったけど、やってよかった」「今がとても楽しい」と話す木村さんはとても輝いて見えました。彼女が夢の実現に努力し続けてきた結果が、今日の成功につながっているように感じます。

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