養育者の育児適応に必要な3要素とは?

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発達障害児の成長は、養育者のあり方が鍵に

 自閉症やアスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)といった発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と異なるために生じ、幼児のうちから症状が現れます。最近では日本人の100人に1、2人が自閉症、学童期の子どもの3~7%がADHDであると推定されており(厚生労働省調べ)、養育に悩む家族も増えています。

 発達障害があるからと言って、子どもが一生発達できないわけではありません。人は、家庭環境や教育環境など、さまざまな外的要因の影響を受けながら一生を通して発達していくものです。同じように発達障害の子どもも、成長とともに改善されていく可能性があります。

 しかし、子育ては、健常であってもいろいろ難しい問題が発生するもの。特に発達障害がある子どもの養育者はストレスを抱えやすく、子どもの問題行動に対して必要以上に厳しく当たってしまったり、精神面の健康を害してしまったりするケースも多く見られます。だからこそ、発達障害を持つ子どもへの直接的なサポートに加え、養育者のあり方も重要になってくるのです。

 この問題に対して、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)で知的障害者の研究を行う研究グループは、養育者が発達障害児の育児に適応するための調査を行いました。

養育者の育児適応に必要な要素が明らかに

 調査は、3歳から18歳の発達障害児を持つ母親424人に対して、子育てに関する経験を直接聞き取る形で実施されました。そして、その回答内容を学術的に解析した結果、養育者が育児に適応するためには、以下3点の要素が必要であることが分かりました。

  • 子どもに関する知識を豊富に持っていること
  • 社会的に十分な支援を受けていること
  • 育児を行うことを肯定的に捉えていること

 発達障害児を持つ養育者の精神衛生上のリスクや養育態度について問題視する声は今までもありましたが、「養育者が育児に適応する」という観点からの研究はありませんでした。今後、この研究結果をもとに、医療従事者や教育関係者、心理士、福祉関係者などによる養育者支援が充実していくことが期待されます。

 一方で、発達障害児を持つ親御さんの中には、なかなか人に相談できずに悩んでいる方がいるかもしれません。しかし、一人で悩みを抱え込むことで負のサイクルに陥ってしまう可能性もあります。支援機関や同じ悩みを持つ養育者とのコミュニケーションを通じて情報を収集し、支援を受け入れることで精神的な負担を和らげることも、大切だと思われます。(宮坂方子)

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