【書籍レビュー】自分で決める。何かのせいにしない。昭和のスーパーワーキングママ・木全ミツの仕事と人生

【書籍レビュー】自分で決める。何かのせいにしない。昭和のスーパーワーキングママ・木全ミツの仕事と人生

伊藤彩子『仕事は「行動(やったこと)」がすべて 〜無名の偉人・木全ミツの仕事〜』

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文:大橋礼子(CHIENOWA)

働き方も生き方も人のせいにしない木全ミツの人生
「会社がわかってくれないから」、「家族が子育てを手伝ってくれないから」、「社会が○○してくれないから……」。とかく、私たちはいろいろなことに不平不満を言いがちです。周りのせいにしていても、物事は進まないと本当はわかっているのに。
『仕事は「行動(やったこと)」がすべて~無名の偉人・木全ミツの仕事~』は、企業戦士の夫を支える専業主婦という生き方が女性の主流だった高度経済成長期に、ワーキングママとして、何事も人のせいにせず、自分の信念を貫きながら行動力100%で時代を走り続けた木全(きまた)ミツさんの人生を記した本です。
木全さんは、1936年生まれ、もうすぐ80歳。労働省キャリア官僚、国連公使、ザ・ボディショップジャパンの初代社長として、驚くべき量のプロジェクトを成功させてきました。年齢を知り、自分の祖母と同じ時代を過ごした女性が世界で活躍しているという事実に驚きます。でもこの著書を読むと、時代背景はもはや関係なく、女性らしい卓越したコミュニケーション力で自分からアクションを起こし、結果的に周囲や社会を変えてきた彼女の生き方に魅了されます。
彼女のモットーは「すべて私が決めたことだから」。職業も、働き方も、生き方もすべて、自分の責任。だから、自分の置かれた状況に一切文句は言わない。深夜帰宅が当たり前の生活でも、夫に対して「家事をやってくれない」「助けてくれない」とイライラすることは一切なく、むしろ一生懸命生きている夫に感謝と尊敬の念を抱いていたそう。昨今、男性の育児参加が世間に浸透してきて、その恩恵を享受しきれていないと感じた瞬間に「私ってかわいそうかも……」と思ってしまう女性は私を含め少なくないと思いますが、全て自責で物事を捉えると、ネガティブ思考からポジティブ思考に簡単に転換できるのかもしれません。

「組織は関係ない、仕事は個人がするもの」。信念を貫く人生の先輩に教えられたこと
木全さんの人生にもたくさんのピンチが訪れていますが、その状況を救ってきたのは自ら時間をかけて培った友情でした。国連公使としてのニューヨーク滞在中は、国際社会において日本を知ってもらうために、国連加盟国158カ国に親友を作ることを決意し、行動に移します。コーヒータイムや、自宅でのホームパーティーなど、あらゆる機会を活用して親友づくりに奔走しました。こうした心遣いで世界中に利害関係を超えた打算のない友情を築き、その後もまめに手紙を送り続ける木全さんのもとに、友人達が価値ある情報をもたらしてくれることもあったそうです。電話1本、メール1本、ハガキ1枚で気持ちを伝える大切さをあらためて教えられました。
木全さんは「組織は関係ない、仕事は個人がするもの」と言います。肩書きや地位を超えて周囲と信頼関係を築き、得意分野で力を発揮し、何かを語るときは、どんな場面でも自らの意見を入れて一人称で語ることの重要性を教えてくれました。自分は何が得意なのか、やりたいことは何なのか、自分が貢献できる場所はどこか。謙虚ながらも自分の信念を貫く女性の先輩の生き方に触れたことで、「自分の未来は自分で創っていこう!」と、一歩踏み出す勇気を得ることができた一冊でした。
プロフィール

大橋礼子(おおはし れいこ)
クレディセゾン広報室に所属。1歳の女の子のママ。

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