子どもの嗅覚に隠された秘密とは

子どもの嗅覚に隠された秘密とは

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皆さんには、香りの記憶がありますか?

夏休みの終わりの切ない気持ちを思い出す、夕立の匂い。

丸くなったおばあちゃんの背中を思い出す、線香と煮干しの出汁の匂い。

放課後友達と暗くなるまで恋の話で盛り上がった、汗と埃の入り交じった体育館の匂い。

嗅覚が視覚や聴覚よりも、記憶を呼び起こしやすいのには訳があって、嗅覚を除く他の感覚(視覚・聴覚・味覚・触覚)と違い、情報が嗅神経を通って直接大脳辺縁系(古い脳)に伝わるからだそう。

お腹の赤ちゃんもお母さんの妊娠7ヶ月目頃から嗅覚が発達し始めるといわれ、生後すぐに母乳の匂いを探しておっぱいを探し当てることができるのです。そして生後2周目にはお母さんと別の人の匂いを嗅ぎ分けることができ、生後直後から抱っこされることで覚え、安心できる匂いになっていくようです。

私の友人は幼い頃、お母さんのスカートの裏地を切り取っててるてる坊主にしたものを「この匂い嗅ぐと落ち着くの~」といって持ち歩いていました。その気持ち、よくわかります。

私も息子の乳児湿疹のできた頭皮の匂いを胸いっぱい嗅いでは、何とも言えず穏やかな気持ちになります。

しかし、世界的研究では『万人が嫌いと感じる匂いは存在しない』言われていますから、同じ匂いでも「好きな匂い」「嫌いな匂い」は、産まれてからの環境や経験によるものが大きいのでしょう。
■好きな匂い、嫌いな匂いを決めるのは「経験」

最近我が家での親子の会話なのですが、
生後4ヶ月の息子の着替えをしていたところ、脱いで赤ちゃん布団の脇に置いたベビー服を手にした2歳9ヶ月の娘が「こえは?(これはどうするの)」と聞くので「おっぱいを吐いてしまったから、お洗濯するんやでぇ」と答えると「ふーん」と言い、脱衣場の洗濯かごに入れに行ってくれました。優しいお姉ちゃんです。

とここまでは良いのですが、その後主人が帰宅して皆で夕食を食べていたところ唐突に娘がひと言、
「おかーしゃんのおっぱい、くしゃい(お母さんのおっぱい臭い)。」
と言い放ったのです。

毎日お風呂には入ってますよ。というよりアナタ(娘)最近までおっぱい飲んでたじゃないですか。(最近どころか、数日前も寝る前にゲップするほど飲んでたじゃないですか。)

主人の訝しげな顔。ショックで絶句する私。頼むわぁ、娘……。

これにも訳があるようで、ある実験で2、3歳子どもを集めてバラの匂いとスカトールの匂い(糞尿に例えられる)を充満させた小部屋を各々用意して子ども達の様子を観察したそうです。

両方の部屋を覗てみて、その後もう一度覗いてみたい部屋を選ばせたところ、ほとんどの子どもが部屋に固執せず、もう一度覗いてみたい部屋には偏りがなかったそうです。

大人なら迷わず「バラの匂いがする部屋」を選びますよね。

つまり2歳ごろの子どもは「いい匂い」「嫌いな匂い」を区別しないで、匂いをあるがままに受け入れているということなんでしょう。

恐らく先ほどの娘の場合、
おっぱいで汚れた服→洗濯→汚いもの→臭いもの=「おかーしゃんのおっぱい、くしゃい(お母さんのおっぱい臭い)。」
ということで、娘なりに経験値を得たのでしょう。
……その経験値、要りません。

食べ物でいえば納豆やシュールストレミング(スウェーデン産の「世界一臭い食べ物」といわれる缶詰め)、ドリアン。これらを「いい匂い」にするのも「嫌な匂い」にするのも、経験次第なんですね。

脳を直接刺激する「嗅覚」。

天然由来のものでも数百種類の化学物質から成る「匂い」は、例えば豆から淹れたコーヒーは約800種の化学物質から成るそうです。人工の香料数十種類から成るコーヒーキャンディーとの差は歴然です。

子どもの頃に様々な匂いに触れ、
嗅ぎ分けることは、脳の発達にも繋がるのではないでしょうか 。

是非皆さんもお子さんと、生活の中で様々な自然の匂いに触れてみてはいかがですか?

ライター・桃山順子

 

出典:AERAwithBaby スペシャル保存版 0歳からの子育てバイブル 自信をつけるしつけ編
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