妊娠中の肩こりはなぜ?対策、予防、肩こり解消ストレッチもご紹介!

妊娠中の肩こりはなぜ?対策、予防、肩こり解消ストレッチもご紹介!

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妊娠してから肩がこるようになったと感じる方も多いでしょう。妊娠による様々なからだの変化が肩こりを引き起こす原因になっているのです。

そこで、どうして妊娠中は肩こりが劣りやすいのか、理学療法士の筆者が詳しくご説明します。原因が分かると対策も立てやすいですよね。また、痛みの緩和方法や肩こり解消ストレッチ、予防方法も合わせてお伝えします!

妊娠中の肩こりはなぜ起こる?

そもそも肩こりとは?

首、肩、背中の筋肉組織,妊娠,肩こり, 出典:Instagram: takeshi.bone.setterさん*写真はイメージです

みなさんは「肩がこった」と思ったとき、どこに痛みや重だるさを感じますか?首のつけ根あたりの筋肉が硬くこり固まった、と感じませんか?または首から肩に向かって全体的にこっている、と感じる方もいるでしょう。

肩こりは頭頸部から肩や肩甲帯(肩甲骨・鎖骨)を支える筋肉に、痛み、重だるさ、違和感・不快感などが表れる症状の総称です。

妊娠中の肩こりは、五十肩など肩関節そのものに問題があって生じるものではなく、妊娠中におこる血行不良や姿勢の変化が大きく関与しています。

自律神経系による血行不良

交感神経と副交感神経,妊娠,肩こり, 出典:www.ashiyase.jp

自立神経系は、生命維持に必要な循環、呼吸、消化、排泄、分泌、生殖などの機能を無意識的または反射的に調整する神経系です。

自律神経系には交感神経と副交感神経があり、それぞれ拮抗的に作用して調整しています。交感神経は日中活動している時や緊張している時に作用して、血管の収縮や心拍数増加などがあげられます。

副交感神経は睡眠時やリラックスしている時に作用して、胃腸の活動を増やしたり、涙を流すことなどがあげられます。

通常は交感神経と副交感神経がバランスよく働くのですが、妊娠によるホルモン変化やストレス・不安などの心理的要因が自律神経の乱れを引き起こし、血行不良を引き起こしてしまうのです。

ホルモンによる血行不良

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妊娠すると母体は出産にむけて様々な体の変化が起こります。そのひとつがホルモン分泌です。女性の生殖機能は、脳の視床下部ー下垂体からつくられるホルモンと卵巣でつくられるホルモンの相互作用によって調節されています。

卵巣や胎盤でつくられるホルモンに、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」があります。妊娠するとエストロゲンとプロゲステロンはともに出産まで増加し続けていきます。

以下にそれぞれのホルモンの作用をまとめました。

【エストロゲンの作用】
・生殖器の発達、女性らしい体型をつくる
・子宮内膜の肥厚
・乳房・乳腺の発達
・骨形成を促進
・神経系の活動に影響:自律神経や情動をコントロールする
・血管を拡張させる
・体液(組織液)を細胞外スペースの移行へ促進(=浮腫)

【プロゲステロンの作用】
・子宮内膜を分泌期のものに変える(=妊娠しやすい環境をつくる)
・妊娠を維持させる
・乳腺組織を発育
・体温を上昇
・基礎代謝を亢進させる

エストロゲンの血管を拡張させる作用が、血流不良を引き起こす可能性があります。血液を押し出す力が変わらず血管が拡張しては、血液が流れる速度が遅くなってしまいます。これでは末梢血管で血液が滞るため、血行不良の原因になりうるのです。

視床下部は自律神経系やホルモン分泌を調節する中枢

視床下部と下垂体の図,妊娠,肩こり, 出典:www.todai-jinnai.com

視床下部とは脳の構造の一部で、その先端には下垂体がついています。視床下部は生命維持のために、体が環境変化に適応し安定させるためのホメオスタシス(生体恒常性)という機能に働く重要な部位です。

視床下部は自律神経系や内分泌系の調整を行っていますが、自立神経系の細胞と内分泌系の細胞の両方の形態と機能を合わせ持つ細胞群があるため、それぞれが独立しているわけではなく、密接に影響し合っているのです。

つまり、妊娠によるホルモンの変化、自律神経の乱れ、ストレスなどの要因が視床下部内で複合的に影響し合って「血行不良」という症状を生みだしているのです。

血行不良による肩こり

肩こりの主な症状、は筋肉疲労により生じる痛みや硬さです。血行不良は、組織に酸素や栄養素をいきわたらせ、逆に疲労物質を排出させる循環機能を低下させてしまいます。筋肉の循環障害によって痛みや硬さが生まれるのです。

逆を言えば、血行がよくなって循環改善ができれば、痛みの緩和につながり筋肉や軟部組織の硬さを軽減できます。

妊娠中の姿勢変化による肩こり

妊娠中の姿勢の変化,妊娠,肩こり, 出典:nalu76.com

妊娠による体型の変化も肩こりを引き起こす原因になります。もともと人は頭頸部から肩や肩甲帯(肩甲骨・鎖骨)を支える筋肉に、負担がかかりやすい構造をしています。肩の特徴をご説明します。

生物学的にヒトは二足立位を獲得して腕が自由に使えるようになりました。それにより上肢帯(鎖骨・肩甲骨)を体幹にぶら下げる必要が生まれました。

ぶら下がった肩甲骨は上腕骨という腕の骨と連結しています。不安定な肩甲骨が腕の重さを支えるには、肩甲骨に付着部している頭頸部の筋肉や背中の筋肉が重要になります。

また、デスクワークなど肘を浮かした状態で手先を動かすには肩の安定性が必要です。中枢である肩が安定していなければ、繊細な手先の動きはつくれません。

そして妊娠すると胎児の体重が増加するとともに、お腹は前に突き出すように大きくなります。大きくなったお腹とバランスをとるため、体は反るような姿勢をとりやすくなります。これによりS字上に彎曲している脊柱に変化がでてきます。

体を反る支点となる腰椎は前彎が強くなり、それに連鎖して胸椎は後彎が強く、頸椎は彎曲が少なくなって直立位になります。

頸椎の直立位はストレートネックとも呼ばれ、頭を前に突き出したような姿勢です。頭の重さは約5㎏(体重比で約10%前後)ありますので、突き出した頭部を支えるために、頭頸部の筋肉が過剰に収縮しなければなりません。

このような肩の特徴と妊娠による姿勢の変化によって、頭頸部の筋肉や背筋群の血行が悪くなり、痛みや筋肉の硬さが生まれて「肩こり」といわれるようになるのです。

妊娠中の肩こり、マッサージに行ってもよい?

妊婦の施術を受け入れているマッサージ店もあります

肩こりでつらい!そんな毎日ではストレスが溜まって、妊娠中は特に精神的によくありません。

妊娠中にマッサージや鍼灸など施術していいの?と不安に思われる方もいると思いますが、以前から不妊症や逆子などのアプローチに鍼灸が取り入れられる場合があるようです。

妊娠中の肩こりや腰痛に対しても施術されています。ただし、必ず担当の産科医にマッサージなどを受けても良いか相談してくださいね。

そして利用したいマッサージ店にも妊婦であることを伝えて下さい。妊娠週数によっては施術をお断りしているお店や部分施術に制限しているお店があるからです。

また、マッサージや鍼灸などは基本的に医師の同意書・診断書は必要なく、自費診療です。しかしお店によっては医師の同意書(承諾書)の記入をお願いしている場合があります。

最近では妊婦専用のマッサージ店もあります。以下にいくつかご紹介しておきますので、どのようなシステムやコースがあるのか確認してみてもいいですね。

セルフケアも!首と肩のストレッチ体操をご紹介

出典:https://www.youtube.com/watch?v=zCLT73d_yDE

簡単にできる首と肩のストレッチをいくつかご紹介します。

【首のストレッチと体操】
(1)椅子に座った姿勢や床の上であぐらの姿勢で首を前後、左右に倒して10秒間ストレッチします。手で頭を押さえても押さえなくても構いません。

(2)ゆっくり首を回してください。左右2~3周程度です。

【肩のストレッチと体操】
(1)体の前で右腕を上にしてクロスします。下になった腕(左腕)の肘を曲げて胸側に引き寄せます。上の腕(右腕)の肘は伸ばしたままストレッチします。反対側も同様です。

(2)右腕を上げて肘を曲げます。右肘を左手で左方向へ引き寄せてストレッチします。反対側も同様です。※動画をご参照くださいね!

(3)体の後ろで手を組み、上方向へ持ち上げます。肩甲骨を引き寄せるイメージです。

(4)肩甲骨の動きを意識しながら、両肩を回します。前まわし後ろまわし、それぞれ5~10回程度です。


その他、市町村や民間が実施しているマタニティエクササイズに参加してみるのもおすすめです。運動が目的だけでなくリフレッシュ効果も期待できます。ただし、参加する前には必ず担当の産科医に相談してくださいね!

妊娠中の肩こりの対応策 注意することは?

自己判断はせず、医師・薬剤師に相談しましょう

家庭用マッサージ機,妊娠,肩こり, 出典:Instagram: ke111sukeさん*写真はイメージです

【薬や湿布】
妊娠中の服薬、湿布は必ず産科の主治医へ相談してから使用しましょう。赤ちゃんへの影響は、薬の種類や服薬した時期によって異なります。

間違った薬の使用は流産、奇形、胎児の機能障害、子宮内胎児死亡などの原因につながる可能性がありますので、むらみに服用・使用しないよう気を付けてくださいね。

厚生労働省の事業のひとつとして、国立成育医療研究センターの中に「妊娠と薬情報センター」を設置しています。このセンターでは、妊娠中の方や妊娠を計画中の方に薬に関する相談業務を行っています。

【電気治療器】
家庭用マッサージ機や電気治療器(低周波治療器)の使用については、注意事項に「妊娠初期の不安定期又は出産直後の人」は医師に相談する必要があると記載されています。自己判断での使用は避けてください。

【ビタミン剤】
妊娠中において、ビタミンなどのサプリメントが推奨されているのは、医学的に妊娠初期の葉酸だけです。

その他、過剰摂取により母体や胎児に影響を与えるビタミンもありますので、ビタミン剤でのコントロールではなく適切な食事管理を心がけましょう。

妊娠中の肩こり 緩和や予防のコツ

血行改善を図る

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肩こりは、血行改善によって痛みの緩和や筋肉やかたさを軽減できる効果が見込めます。もともと女性は「冷え性」が多く、血行不良になりやすいのです。月経や女性ホルモン、筋肉量の関係から冷えやすい構造をしているためです。

血行をよくするには温熱療法があります。温めることは循環改善だけでなく神経を介した鎮痛作用もあります。蒸しタオルで頸部から肩を温めたり、入浴で全身を温めることがおすすめです。

★からだを温めた後や入浴中にできる簡単なマッサージ★
(1)首の一番上からつけ根を通って肩まで指先で軽く圧迫しながらなぞります。右手は左の首~肩、左手は右の首~肩で行うとやりやすいです。

(2)左右の鎖骨の上を外側(肩側)から内側(胸側)に向かって軽く圧迫しながらなぞります。

(3)右手で左の肩甲骨の背骨側を上から下へ軽く圧迫しながらなぞります。反対側も同様です。

どのマッサージも左右5回前後行ってみてくださいね!

その他、体を冷やさないファッションや体を温める食材を取り入れた総合的な食事管理で、血行が悪くならないように心がけてください。

正しい姿勢を心がける

デスクワークの姿勢に気を付けよう,妊娠,肩こり, 出典:Instagram: fazz008さん*写真はイメージです

肩こりにならないために、日常生活で一番気をつけてほしいのが姿勢です。良い姿勢を心がけれるかどうかで、頭頸部や肩への負担は大きく変わります。

妊娠中は体を反って頭を前方へ突き出す姿勢を取りやすくなりますが、体を反る姿勢は腰痛を引き起こす原因にもなるため、なるべく、体を反らないようにして頭の位置を意識してみてください。

また妊娠中は様々なことが気になって情報を集めるために、長時間同じ姿勢でスマホや携帯、パソコンを見ていませんか?

仕事をしている女性は、妊娠によって勤務内容をデスクワークに切り替えた方もいるでしょう。首を前に曲げ続けることも筋肉に過負荷を与えてしまいます。

正しい姿勢を意識し、適宜休憩やストレッチをしてくださいね。

まとめ

妊娠中は様々な体や心の変化があります。肩こりは、妊娠中に誰もが起こりうる症状です。

正しい知識を備えて、少しでも肩こりの緩和や予防をし、素敵なマタニティライフを過ごしてくださいね!

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