【理系育児】第九回 おっぱいがないと眠れない?あまり寝なくてよく愚図ります(1ヶ月)

【理系育児】第九回 おっぱいがないと眠れない?あまり寝なくてよく愚図ります(1ヶ月)

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ちょっと理系な育児のsumireです。赤ちゃんが頻繁におっぱいを求めることはよくあることですが、実は母乳過多や飲み過ぎになっているかもしれない様子がいくつかの投稿に見られたので、今回はこちらの質問を取り上げさせていただきます。
まさみさん(お子さんは1ヶ月)

おっぱいがないと眠れない?のでしょうか。あまり寝なくてよく愚図ります。
愚図り始めると、お腹いっぱいでもおっぱいを探す仕草をしたり、手を吸ったりしています。おっぱいに吸い付くとすぐに眠ります。置くと起きるので夜は添い乳をしています。日中はよく授乳中に寝てしまいます。
そのせいか分かりませんが、よくおっぱいを吐きます。飲んだだけ出たのでは?と思うような量を吐くこともあります。げっぷが下手なのもあると思いますが、飲ませすぎなのでしょうか?グズグズはお腹が苦しくて泣いてるのか?とも思ったり。。。ちょっと様子を見てからと思っても、欲しがるので咥えさせてしまっています。
また、私が生後1ヶ月で1週間ほど入院していました。離れていたからおっぱいが恋しいのでしょうか?寝る時に咥えたいだけでしょうか?
ひっきりなしにおっぱいを飲みたがる赤ちゃんの様子に、

「本当にお腹が空いているのか、お腹はいっぱいだけどくわえたいだけなのか、分からない!!」

と頭を抱えたことのあるお母さんは多いのではないでしょうか。さらに、まさみさんのお子さんのように、よく吐くのにまだ欲しがる様子を見ると、大人は混乱しますよね。そんな赤ちゃんたちの様子をうけて、日本には「月齢3ヶ月頃にならないと、赤ちゃんは満腹中枢が働かないから、いくらでも飲み続けてしまう」という説まであります。実際はどうなのでしょうか。
●満腹中枢はいつからある?
赤ちゃんの哺乳について研究した様々な論文から、実は、産まれたばかりの赤ちゃんでも、ちゃんと哺乳量をコントロールしていることが明らかになってきました。満期産児であれば、小さめ赤ちゃんでも大きめ赤ちゃんでも、自分に必要な量が分かっていて、それ以上は飲もうとしないようです(1)。どんなペースで授乳すれば順調に成長できるかは、大人は知ることができません。なので、赤ちゃんが欲しがる度に授乳することは、とても理にかなっているのです。
●なぜ飲み過ぎることがあるの?


母乳は、授乳開始直後は脂肪濃度が低く、乳房が空に近づくにつれ脂肪濃度が高くなっていきます。後半の母乳の方がカロリー密度が高く、赤ちゃんの満足度も大きいのです。でも、母乳が作られる量が多すぎたり、両胸を5分おきなど交互に授乳したりしていると、前半の母乳ばかり飲むことになります。すると、脂肪濃度の低い母乳だけで赤ちゃんのキャパシティをオーバーしてしまい、「もっと飲みたいけどお腹がパンパンで苦しい!(しょっちゅう大量に吐く)」となることがあるのです(2)。その場合、赤ちゃんが口を離すまで片乳ずつじっくり飲ませるようにすると、赤ちゃんも満足しやすく、母乳の生産量もちょうどよくなりやすいようです(3)。飲み過ぎが気になる場合は、片乳を飲ませた後に短時間でまた欲しがった時は、また同じ方のおっぱいを飲ませると、カロリー密度が高く量は少ない母乳が飲めるので、赤ちゃんは満足しやすく、苦しくなりにくいかもしれません。
●赤ちゃんがおっぱいを求めるのは、本人なりの理由がある
大人目線で、「短時間・少ない回数で効率よく授乳すること」「栄養補給が目的じゃない授乳は省くこと」が必要だと考える専門家もいるようですが、赤ちゃんの要求には意味があります。信頼して任せて大丈夫です。

産後にしばらくお子さんと離れていたから、より強くおっぱいを求めるようになったのかな?と感じることもあるようですが、お子さんが特別な不安などを感じているからというよりは、ただ単に、赤ちゃんだから、おっぱいを求めているんじゃないかなと思います。客観的には、まさに幼い子ならではの、ほほえましい様子だと感じます。

赤ちゃんがおっぱいをくわえると落ち着いたり眠りやすくなったりすることはよく知られていますが、古今東西で利用されてきた、非常に効果の高い育児スキルの一つとして、大いに活用したいものですね。「求める→応える」の繰り返しが、お互いのコミュニケーション能力を高める強力な機会にもなるので、長い目で見つつ、安心して、応じてみてはいかがでしょうか。

●参照記事
(1)「赤ちゃんの満腹中枢は3カ月頃に完成する」はウソ?
(2)母乳過多や過飲症候群はなぜ起こるのか?
(3)母乳過多を防ぐ授乳方法|根本解決のヒント

 
●筆者プロフィール●
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理系出身の研究者で二児の母。第一子の子育て中に、科学的に偏った情報や、赤ちゃんの気持ちを無視したアドバイスに悩んだ経験から、「根拠ある情報を、世界のトップレベルのスペシャリストから学びたい!」と一念発起。2013年頃から始めたブログ「ちょっと理系な育児」にて、WHOに許可を得てガイドラインを翻訳公開。現在、第二子の出産・育児に奮闘中。
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