潜在保育士が復帰をしない理由第1位は……。

潜在保育士が復帰をしない理由第1位は……。

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■求人倍率は高いのに保育士が足りない
共働き家庭の増加にともない、待機児童の問題は解消されるどころか増える一方。保育施設の不足に加えて、問題となっているのが慢性的な保育士不足。2015年の保育士の有効求人倍率は全国平均2.18であり、とくに東京都は5.13と保育士不足が深刻化しています。

「保育士の求人・転職サイト「保育士バンク!」を運営する株式会社ネクストビート(所在地:東京都渋谷区、 代表取締役:三原誠司)が、保育士資格を持ち、 以前は就業していたが 現在は辞めてしまった“潜在保育士”500名を対象に就労に関する意識調査を行ったところ、「保育士の仕事にやりがいを感じていましたか?」という質問に対して、 91%が「はい」と回答。 非常に働きがいを感じていた結果になりました。
■約9割が「やりがい」を感じつつも退職するのはなぜ?
では、なぜ約9割もの人が仕事に対してやりがいを感じていたにもかかわらず、退職してしまうのでしょうか。
潜在保育士が仕事に復帰をしない一番の理由は「お給料の安さ」です。 理想の年収と現在の年収の差は10万円以上乖離しており、 その他にも残業時間の多さと職場の人間関係に問題があることがわかりました。
そこで保育士時代のお給料について質問をしたところ、 15万円以下が48%、 15万~20万円が48%と同率1位の結果となり、 厚生労働省から発信された2013年の全産業の月額平均29万5700円と比べると、 約10万円~15万円程度も下回る結果とっています。(2016年保育士の就労に関する意識調査)
たしかにフルタイムで働いて、しかもたくさんの小さな命を預かる非常に神経を使う仕事であるにも関わらず、約半数が月15万円以下というのでは生活が成り立たたないかもしれませんね。また僅差で「職場の人間関係」が上がり、 女性ばかりの職場で苦労も多い様子が伺えました。その他の回答では「結婚を機に残業などのことを考えると続けられなかった(30代女性)」「自分の保育園では産休がもらえなかった(40代女性)」など、 雇用側の福利厚生の問題と、 育児をしながら保育士を続けることが難しく退職しているケースが多く見られました。

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■パートや派遣のほうが時間が短く給料が高い
では、潜在保育士は退職後、どのような職業についているのでしょうか。調査結果から見ると、1位が「主婦・家事手伝い」(41%)で約半数、続いて「パート・アルバイト」(23%)、3位は「契約・派遣社員」(12%)となりました。ここでも保育士時代に比べて、 お給料が高くなるという理由から、 転職をしたという人の意見が多く見られました。

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「アルバイトをした方が、 保育士の時よりも就業時間が少ないのに、 お給料が高くなった」(20 代女性)という意見があるように、お給料をより良くするために、 パートやアルバイトに変更をしたという人の意見が多くみられました。
出産などを機に一度退職した場合、復職したくても子育てと主婦業をし、さらに仕事もするとなったら、長時間労働で賃金の安い保育士よりも、時間が短くてお給料がいいパートや派遣を選ばざるをえないのかもしれません。
■子育てをしながら保育士を続けられるよう労働環境を整えることが必要
では、何が改善されればもう一度保育士として働こうと思うかという質問に対しては、
「82%が「お給料」、 63%が「就業時間」、 33%が「職場の人間関係」という結果になりました (複数回答可能)。(2016年保育士の就労に関する意識調査)
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やはりお給料の改善が1位という結果が明確になりました。このお給料の改善によって、経験豊かなベテランの保育士はもちろんのこと、男性の保育士さんも増えるのではないでしょうか。それによって、これまでは女性ばかりの職場だったことから起こる人間関係の問題も、緩和されていくかもしれません。また保育士の数が十分に足りていれば、1人あたりの就業時間を短縮することも可能です。
2位の就業時間の改善に関しては、残業や持ち帰りの仕事が多く負担だということから、朝夕2時間ほどパートの保育士に入ってもらうことで、掃除や工作の準備、おもちゃのふきとりなどの雑務を手伝ってもらうなどして、業務量を減らすことが必要です。

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現在、次女が通っている公立の保育園では、朝夕2回、短時間でパートの保育士が入ってくれているため、担任の保育士はお迎えに来たママにその日の出来事を伝えたり、ちょっとした相談にのったりする時間が取れています。保育士の業務量を減らすことは、私たちママにとっても非常に大切な問題だと感じます。保育士の賃金を改善することで、これまで辞めてしまっていたベテランの保育士の復帰はもとより、男性保育士もこれから増えてくるのではないかと思います。

また、「我が子の行事にも参加できるような体制を整えて頂きたい」(40代女性)という声も多く、 お給料や業務負担のみならず、 子どもを持つ母親の保育士でも働ける労働環境を整えることで保育士不足の改善ができる可能性もあると感じました。

安心して預けられる保育園があるからこそ、私たちも子どもを育てながら仕事を続けることができます。子どもを持つ働くママという意味でも、保育士の先生方は私たちの仲間でもあります。保育士の待遇について私たちひとりひとりが考えることで、改善していけることがあるかもしれませんね。
参考
【2016年】保育士の就労に関する意識調査

ライター/間野 由利子
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