自分にも人の心にも灯りを点す。がんを乗り越え一生現役を目指すコピーライター 【100人100色】

自分にも人の心にも灯りを点す。がんを乗り越え一生現役を目指すコピーライター 【100人100色】

コピーライター・52歳・既婚

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いろんな女性の働く・暮らすを知ること『100人100色』 Vol.13

それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回は、東京都目白にお住まいの中山由紀子さん(52)をご紹介。
自らを「カルチュラル・フィットの達人」と表現するコピーライターの中山さん。仕事をしながら治療した乳がんのこと、時代とともに変わっていく仕事の環境のことなど、キャリアを積み重ねていく中で自身にも周囲にも起こった出来事や日常のことを、達人らしい言葉で語っていただきました。
これまでのキャリアと現在の仕事内容、ご家族のことを教えてください。

グラフィックデザインのプロダクションにコピーライターとして10年勤めた後、フリーランスになりました。
10人規模の会社だったので、書くことだけをしていれば仕事がまわるという環境じゃなかったんですね。見積も自分で作るし、デザイナーのディレクション、撮影の立ち会い、撮影用の小物の調達までしていました。それが良かったと思っています。
当時はまだMacのソフトでデザインを組む前だったので、写植の指定なんかもしていました。あれだけ忙しそうだった写植屋さんの仕事が無くなっていくのをリアルタイムで見たことは、その後の仕事観や人生観に大きく影響したなと思います。
コピーライティングの仕事としては現在、紙媒体が8割、Webサイトが2割といったところでしょうか。あとは、相談役というか顧問というか、そんな感じのポジションで関わらせてもらっている会社が2社あるので、そちらの会社の社員さんの相談に乗っています。
家族は夫とふたりです。24歳で結婚したので、すでに銀婚も過ぎました。
待ち合わせて、外で食事をしたり飲みに行ったり、休日は一緒に出かけますし、そのスタイルはずっと変わらないですね。
1日のスケジュールや仕事のスタイルを教えてください。

フリーランスですから、時間は自由です。タイムカードを押す生活にはもう戻れません。
ただ、夫となるべく生活時間を合わせたいので、朝は7時ぐらいに起きますし、夜は12時前には寝ちゃいます。うちは夫が早起きなので、毎朝ご飯が用意され、お風呂が沸いて、洗濯機が廻っている状態で、「ご飯ができたよ」と起こされます。
そのご飯を食べて、お風呂に入って目を覚まし、洗濯物を干して、食器を洗って一日がスタートします。
パソコンに向かって集中する仕事は、よほど締め切りが差し迫っていれば別ですが、午前中に終わらせます。午後は映画を見たり、人と会ったり、デパートをぶらぶら見て回ったり。
一時期、アウトプット一辺倒になって、自分が枯渇していく焦燥感にかられたことがあり、仕事は入れ過ぎないように気をつけています。
家で仕事をすることもあるし、気分転換にカフェにパソコンを持っていくこともあります。パソコンとWi-Fi環境さえあれば、どこでも仕事ができる時代になったのはありがたいです。だから、仕事と旅も同時にできるようになったんですよね。夫が勤続30周年で長期休暇がとれたときは、一緒にクルーズに行ったのですが、船内でWi-Fiをつないで、仕事をしながら旅も楽みました。

海外からのお客様との商談に同席することも。パソコンとWifiがあればどこでも仕事場になる。
49歳のときに乳がんが見つかったんですが、入院中も病院ノマドと称して仕事をしていました。
当然ですけど入院って一種の隔離状態なので、それを体験してから「なんだパソコンさえあればどこでも仕事ができるんだな」って、吹っ切れたんですよね。
治療を終えて報告に行ったときに「お帰りなさい。みんな、待ってたよ」と言ってもらったときには、涙が出そうになりました。
仕事って「できて当たり前」じゃないですか。いちいち「ありがとう」と言われることもないですし。必要とされているんだな、と感じた瞬間でした。

抗がん剤の治療後は主治医に止められていた海外旅行を再開。梨花壁画村(ソウル)で壁画アートの一部に
今後、あなたがありたい姿と、そのために行っていることがあれば教えてください。

わたしね、一生現役でいたいんです。
24時間働けますか!みたいなのは望んでいないけれど、社会との接点は持ち続けたい。そのためには、自分のスキルセットの耐用年数というのはいつも考えています。
コピーライターの仕事って、「日本語」力がメインのスキルです。子どもの頃から読書量では人に負けない自信があり、そこを武器に生きていこうと決めたんですが、時代の流れが思っていたよりも早く、日本語力だけではスキルセットの耐用年数の限界がくるなと感じています。
なので、数年前から力を入れているのは「英語」です。
自分が「日本語」を覚えたのと同じやり方でやってみようと思い、子ども向けの簡単な絵本を音読するところから始めました。
ブックオフで1冊100円~300円ぐらいに値段が下がっている絵本を狙って、手当たり次第に読破しました。1日に10冊ぐらいは読んでたかな。
絵本を300冊ほど音読し、続いて小学校低学年向けの挿絵入りの本を300冊ほど読み終えた頃におもしろいことがありました。英語を読んでいるという意識がなくなったんです。「あら~、わたし普通に楽しんで読書をしてるわ」って。英語を特別なものとして意識しなくなった瞬間でした。

300冊以上読んだ絵本の一部。日本語だけでは出会えない世界観に出会えたのが最大の収穫
もちろん小学生の英語力ではビジネスでは通用しませんから、焦らずブラッシュアップは続けていくつもりです。
これからチャレンジしたいことはありますか?


チャレンジしたいのはプログラミング。魔法をかける側になりたいんです。何年か前ですけど、コードを書いたことなんかないのにiPhoneアプリ開発講座に参加したこともありました。
実はそれまで数字を半角にすることも知らなかったんですよ。それでも最終的にタイマーを自作するところまではいきました。そこで止まっているので、もう一回やりたいなと。
そのときの無謀なチャレンジが自信になって、IT関連会社のコーポレートサイトの仕事を受注できたり、直接仕事に役立てようと思ったわけじゃないんですけど、結果的に仕事の幅が広がりました。
年齢を考えると、今からやっても無駄とか思いがちじゃないですか。それだと楽しくないので、「もし自分が今、10代だったら何をやるかな」と考えるようにしています。

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