子どもに伝えたいことがあるなら、言葉を減らして、結論を先に。

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言葉を減らして結論を先に

いくら説明しても伝わらないのは、聞く側に立っていないからです。
教師も親も同じです。

例をあげてみましょう。新任教師が陥りがちの説明です。

「今日は地元の名産の大根を50年作っている○○さんが、学校に来てこれからの農業についてお話をします。○○さんはテレビでも紹介されたこの小学校の卒業生です。では3時に家庭科室へ移動してください」

「3時に家庭科室へ移動」を聞き逃す子が10人はいるでしょう。
情報量が多すぎるのです。では、この説明ではどうですか。

「3時に家庭科室へ移動してください。特別授業をします」

これなら聞き逃す子はいません。言葉を減らして最小限伝えなければならないことだけを伝えています。
○○さんの説明は特別授業ですればいいことです。

大事なのは子どもが何をしたらいいのかを端的に伝えることなのです。

子どもに伝えたいことがあるなら、言葉を減らして、結論を先に。の画像

出典 : Upload By 隂山英男

家庭に置き換えてみましょう。

たとえば駅に行く途中、子どもを図書館で待たせている間にすませたい用事があったとします。
ところが「図書館で待っていて」と言われた子どもは「公園がいい」と言い出しました。

このとき「ママ、駅でおばさんに渡すものがあるから。駅は混んでいるからあなたを連れていけないの」と
駅に連れて行けない理由を説明をしてしまったら、子どもにその話は入りません。

子どもが知りたいのは、公園で待っていていいのかだけです。
子どもが母親の言う事を聞かないと、「ママの言うことがなぜ聞けないの?」と話がさらにずれていきます。

「図書館で待っていてね、公園は寒いから」と言えば子どもは「公園はダメ」ということがわかります。
結論が先、理由はそのあとにすると子どもにはスッと伝わります。

もうひとつ、言葉を減らす工夫としておすすめしたいのが家庭内時間割です。

日常の決まりきった行動は時間割にして貼っておくと、いちいち子どもに言わなくてもすみます。

「水曜5時 ピアノ 金曜4時 塾」というように。「木曜だからピアノの日でしょ」などと言わずに、
時間割をみて行動できるようにすれば親の言葉は減ります。

言われなくてもできる子にするためには、言葉は少なく。

子どもにどう伝わるかを考える

やや高度な言葉かけの話になります。

子どもの気持ちがいっぱいいっぱいのときにかける言葉は、かなり練られていないと伝わりません。
最初のひと言で決めないと、あとはどんな言葉も子どもには入っていきません。

女子レスリングの王者、吉田沙保里選手の母親は、まさにこの点で親の鏡のような人です。
吉田選手が119連勝していた時期のことです。
連覇の記録樹立に日本中が注目していました。

ところが、中国での試合で負けてしまったのです。
吉田選手をマスコミの前に出したくないと考えた女子レスリング協会は、彼女をまっすぐ実家に帰しました。

これまで負けを知らなかった娘をどういう言葉で迎えたらいいのでしょう。
中途半端な慰めは通用しません。

そのとき、吉田選手の母親がかけた最初のひと言に、私はまいりました。

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出典 : Upload By 隂山英男

「ま、よかったじゃない、負けた人119人の気持ちがわかったでしょ」

この母にしてこの娘ありです。
このひと言で吉田選手は気持ちがふっとラクになったそうです。

お母さんはきっと、娘にかける言葉を一晩考えたことでしょう。
ここぞ、というときの言葉こそ、子どもにどう伝わるかを深く考えなければならないと、私自身とても勉強になりました。

陰山英男さんの記事一覧はこちら

また俵万智さんより、「1分書評」でも紹介されています。

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