パリ在住のワカメちゃんから見た『保育園落ちた日本死ね』問題

パリ在住のワカメちゃんから見た『保育園落ちた日本死ね』問題

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『サザエさん』に出てくるワカメちゃんが現在パリに住んでるって知っていましたか? 実はワカメちゃんにはモデルとなる女性がいました。長谷川町子さんの姪、長谷川たかこさんです。長谷川たかこさんはフランス、パリに住んで30年。彼女がパリに飛んで行った理由、そしてそこで繰り広げられる生活について綴ったエッセイ『ワカメちゃんがパリに住み続ける理由』(KKベストセラーズ)がこのたび刊行されました。そんなワカメちゃんに、日本の働く女性を取り巻く環境、中でも昨今取り沙汰される「保育園問題」について聞いてみました。

■低価格なパリの保育料

パリの託児所の保育料は、日本に比べて低価格です。本によれば、「子ども1人、手取り月収2000ユーロの場合、月額(週5日、月180時間、1人当たり)234ユーロ。子ども2人だと(1人当たり)195ユーロ」つまり、手取り月収25万円の場合、月額利用料は2.9万円ということ。これは収入に応じて上下するそうです。高収入の家庭は高く、低収入の家庭は低くなります。一方、日本の保育園は、認可保育園こそ同じような仕組みになっていますが、無認可保育園などは高いところでは月額10万円近くするところもザラにあります。パート代より高くなって何のために働いているのかわからない、なんて話は日本ではよく言われることです。

その事実に対して長谷川さんは、「保育料のほうがパート代より高くつく、はひとつの“結果”ですけど、その背景に『女性は子どもができたら仕事を辞める』という公式が昔から日本にはありますよね。働き続けたくても働けない女性もたくさんいると思いますが、旦那が働き奥さんはうちを守り子どもを育てるという形を悪くないと思っている女性も多いはずです。今の時代に合っていない形から抜け出して、何より意識から変えないとだめだと思います」と言います。

■産みたいと思ったら産めるフランス

フランスの産休は法律で16週間と決められている。産む前に6週間、産んだ後に10週間。産休中に社員を解雇することは禁じられ、産休明けは以前と同じポストに戻れる。ちなみに父親も子どもの誕生後4週間は解雇できない。日本に比べてフランスの従業員はとにかく守られている。(『ワカメちゃんがパリに住み続ける理由』)

フランスでは、とにかく産める環境が整っており、その後の仕事と育児の両立ができるという環境も整っているそうです。それは、制度の問題もあるけれど、フランスに住む男女の「意識の変化」も大きいと長谷川さんは言います。

『保育園落ちた日本死ね』が抗議集会になったのは素晴らしいです。母親と同じ数だけ父親がいるわけだから、この集会にもっと男性が参加すべき。それに対して国会で『本人が出てこい』とか、何年か前、子どもの非行の事件があったとき、『母親が働きたがるからこんなことになるんだ』というトンでもない発言をした首相がいませんでした? ・・・“結果”があるのは、政治家だけでなく、子どもを持った女性が働くことに全面賛成できない意識がまだあるからじゃないでしょうか。少子化が大きな問題になっている今、ただ産めといっても、根本から変えていかないと、産む気になれないと思います(長谷川たかこさん)

■女性が産んだ後も働くのが「普通」な世の中に

大事なのは意識も変化していくこと、と長谷川さんは言います。まだまだ母親が働くことに全面賛成されることの少ない日本。女性の意識は変わってきても、男性の意識改革が追いついていない日本の問題点を指摘してくれました。

フランス女性はなぜ産んでいるか、を考えると『女性は産んだ後も働く』のが普通になっている。それは経済的自立であり、自分の能力が社会的に評価される喜びです。パートナーも、それが当たり前と思っています。そして16週間産休をとっても安心して戻っていけるポストがあり、料金が給料にスライドした保育施設があり、子どもと仕事を両方できる-スローと言われる私でも両立できた-環境があるからです。これは、フランス人たちが何年、何十年とかけて勝ち取ってきたものです。だから、今、『保育園落ちた日本死ね』で立ち上がっている女性たちの抗議がもっと広がって、男性も参加したら、意識を変えるパワーになるんじゃないでしょうか(長谷川たかこさん)

■まとめ

フランスと日本では、働く女性を取り巻く環境が大きくちがいます。保育料も安く、職場復帰もかないやすいパリ。でもそれは制度だけの問題ではありません。そこに住まう人たちの「意識」が大きくかかわってきているようです。少子化が嘆かれるこの日本で、まずどういう「意識」を持つべきか、あらためて“ワカメちゃん”に考えさせられました。

(マイナビウーマン編集部)

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