「男の子のプロ」が教えるママが知りたい育児② ひたすら○○を集めているわが子は集中力が高い!?

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いま「男の子育児」関連の本に注目が集まっています。その理由は、男の子の気持ちや行動が理解できずに悩んで葛藤しているママがたくさんいるから。でも「男を生きていない」ママが、男の子を理解できないのは当然のこと! そこで、元保育士で自身も3人の息子を育てたという、NPO法人ファザーリング・ジャパン(「父親であることを楽しもう」をコンセプトに全国で父親支援をしている団体)顧問の小﨑恭弘さんに「男の子の育て方(全4回)」について連載していただきます。

2回目は男の子の興味を引き出し、探究心をもった子に育てるための秘訣を伺いました。女の子と比べて、こだわりがあまりないように思われがちですが、じつは男の子は誰もが「オタク気質」を持っているそうです! わが子の「好き」という気持ちを見逃さず、夢中になる力を育てるために、親ができるのはどんなことでしょうか。

撮影:大畑陽子
好きなことへの執着心が強い「オタク」「ジャイアン」気質を、男の子は誰でも持っている。
男の子は好きなものに対して、執着心が強い傾向にあると言われます。たとえば、自動車や電車、昆虫やヒーローものなど、自分が好きになったものにはとことんくらいつきます。保育士時代に、一つのことに夢中になる男の子たちの姿を見ていても、まるで「この世界には、自分の好きなものだけがあればいい」と言わんばかりで、みんなに「オタク気質」があるように思えました。

男の子は、衝動性が強いので頭で考える前に身体が動き出すし、周りの視線を意識するために、はしゃいで見せたりと、とにかく落ち着きがありません。それらの行動を繰り返されるお母さんからすると、時には怒りや悲しみ、あきらめにつながることもあるでしょう。

そんなときも、男の子がお母さんの思いを受け止めて、丁寧に心の声を聞いてくれる……なんてことはありません。常に「自分が一番!」です。まさにジャイアン! と言っても、別に悪気があるわけではないのです。周りを見ることや気遣いが、あまり得意でないと思っていただければいいでしょう。

頑張る姿勢を伸ばすためには、親の「興味」を押しつけないことが大切です。
男の子の好きなものの定番といえば、電車や車です。何か絵本を読んであげたいと思っていても、車の図鑑ばかり持ってきます。ひたすら毎日「全長5.7メートル、重さ1.4トン、タイヤの大きさは……」とストーリー性のない読み聞かせをするのは、ちょっとした拷問ですよね(笑)。また虫好きな子どもは、炎天下だろうが冬の寒空だろうが、ひたすら虫を探し集める狩人と化しています。リアル『ポケモンGO』です。

つまり、男の子は興味の幅が狭くて深く、一点主義であるといえます。お母さんからすると、好きなことがあるのは良いけど、もう少しほかのことに興味を持ったり、関わってほしいと願います。遊びも、電車だけではなく、お絵描き、積み木、体操なんかもしてほしい。だけど、なかなかそうはならない。だから「どうしたらほかのものに関心を持ってくれるのでしょうか?」という相談をよく受けます。

自分の好きなこと以外に関心を持ちにくいのが子ども。親の興味や、こうなってほしいという思いを押しつけると、むちゃくちゃ抵抗するか、すべてあきらめてイヤイヤをするだけです。そんな姿を求めていますか? 違いますよね。いろいろな経験や体験をしてほしいけど、そこには息子の喜ぶ顔や生き生きとがんばる姿を求めているはずです。息子の思いとお母さんの思いがずれてしまうと、お互いにとって良い結果につながりません。
オタク気質な興味をきっかけに活動の幅を広げ、いろんな力を身につけていきましょう。
親のエゴを押しつけないために、まず息子の好きなもの、興味を示しているものを見つけましょう。電車でも、アニメでも、ヒーローでもなんでも良いです。そこへの興味・関心を入り口として活動の幅を広げていきましょう。電車が好きなら、そこから路線図や地図を見せて、いろいろな地域や世界があることを話しましょう。そして一緒に電車に乗って出かけたり、モーターを買って工作をするのもいいですね。

虫が好きなら、虫の食べ物を調べてみたり、植物を栽培するのもいいでしょう。お絵描きも好きだったら、虫の絵を描いたり、空き箱で虫を作ったり。歌が好きだったら虫の鳴き声を歌にして遊ぶこともできます。

つまり、遊びながら認識力を高め、自我を形成し、知識を吸収していくことが「研究心」を育むことへとつながります。子どもたちの行動の根源は、好きなものへの興味です。そこを別のものに置き換えてしまうのではなく、好きなことを軸にして考えてみましょう。オタクにはオタクの関わり方や興味の視点があります。そこをうまくコントロールしたり、良い方向に持っていく手助けをしてあげてください。

また、子ども大人関係なく、男は「プライドが高い」という性質を持っています。「もっとぼくを見て! ほめて!」と、常に思っています。好きなことに関するクイズを出してみて、正解したら、少しオーバーにほめてみてください。みるみると自信がつき、図鑑1冊を覚えてしまった保育園児もいましたよ。子どもの興味を引き出して、いろいろな力を伸ばしてあげましょう。
「好き」な気持ちが、持続力・集中力・根気をつけるきっかけになる。
何かこだわりを持って夢中になるということは、見方を変えると、集中力がある、持続力がある、根気があるということ。それらは成長過程で、とても大きな力となります。「じっくりと物事に取り組む」「自分の関心のあることに真剣に向き合う」「とことんこだわりを持ち、やり遂げる」、これらのすばらしい姿勢はどこにあると思いますか? 本人の「好き」という気持ちです。

親の視点で子どもの姿は変化します。まずは「あれもできない、これもできない」ではなく「こんなことができている! こんな素敵な力がある!」と、息子を見る視点や方向性を少し変えてみてください。魅力いっぱいの息子に見えるはずです。
プロフィール

小﨑恭弘(こざき やすひろ)
1968年兵庫県生まれ。大阪教育大学教育学部 准教授。元保育士。兵庫県西宮市公立保育所初の男性保育士として12年間、保育に携わる。男性保育士では珍しく乳児も担任。父親も男三人兄弟で、自身も三兄弟の長男として育ち、わが子も男の子三人という、男系家族という環境から「男の子のプロ」として、NHK Eテレ『すくすく子育て』ほか、テレビや新聞、雑誌などで活躍。著者に『男の子の本当に響く叱り方ほめ方』『思春期男子の育て方』(以上、すばる舎)、『うちの息子ってヘンですか?』(SBクリエイティブ)などがある。

『うちの息子ってヘンですか?』

1,404
著者:小﨑恭弘
出版社:SBクリエイティブ

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