「パパから変える、日本の子育て vol.1」 子どもとママを助ける産後の意識改革

「パパから変える、日本の子育て vol.1」 子どもとママを助ける産後の意識改革

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こんにちは。ファザーリング・ジャパン代表の安藤哲也です。ファザーリング・ジャパンは、「育児」も「仕事」も「人生」も笑って楽しめる父親を増やすことをモットーに2006年に設立しました。SAISION CHIENOWAでは今回から4回にわたる連載で、男性の育児と働き方について考えていきます。

いまのパパが知っておくべき「産後の意識改革」とは?
最近は育児に積極的な男性が増えました。世の中の大きな変化を実感します。「イクメン」(育児をする男性)という言葉も定着し、自宅で赤ちゃんのケアをしているパパも多いことでしょう。しかし父親も育児をするようになればいろいろなことで悩みます。育児というと、お風呂に入れたり、オムツを替えたり、夜寝かしつけたりたりという「作業」を想像しがちです。もちろんそうした育児の作業を父親も母親と同じようにできることは大事ですが、ここでは「産後のパパの役割」についての基本を伝えたいと思います。
パパたちよ、古い価値観を捨ててOSをアップデートしよう
父親が育児に悩んだり、何となくぎこちないのは、決して能力の問題ではなく、おそらく私たちの意識や社会全体がまだ古典的な男女の役割分担意識に囚われているからです。つまり「外で働き、家族を養うこと」が父親の役割で、「育児は母親がやるもの」と思いこんでいる人がまだ少なからずいるのです。産後に必要なのはまずこの意識改革です。

そういう私も20代の頃は好きな仕事に没頭していました。でも18年前に娘が生まれたとき、直感的に「育児って義務ではなく、楽しい権利なのではないか?」と思ったのです。子どものいる人生を目いっぱい楽しみたい。そのためにはまず「男は仕事。女が家事育児」といった古い価値観を捨てて、意識改革をする。つまり自分の中のOS(オペレーティングシステム)を入れ替えねばと悟りました。OSが入れ替わると、「仕事だけ」の生活から脱却でき、なるべく早く帰宅したり、土日も育児を妻と協業するようになりました。

私が主宰するファザーリング・ジャパンの父親セミナーでは子どもが乳幼児のパパが多いですが、彼らの多くはやはり仕事で帰宅が遅く、「週末だけの父親」になっています。子どもと良好な関係を築きたいのであれば、毎日少しの時間でもいいから子どもに関わることが肝心です。でもやはり帰れないパパは、ぜひ両親学級や父親セミナーを積極的に受けてみてください。育休を取ったり、仕事と両立しながら子育てを楽しむ多様な父親の姿を知ると、自分の中の古いOSが入れ替わることでしょう。
出産期の父親への指導や応援こそが、最大の母親支援・子育て支援になる
もう一つ忙しいパパたちにやってほしいことがあります。それは、「ママを支える」ということ。これは家事を分担するといったことだけではありません。日々、大変な子育てや家事をしてくれている妻に感謝し、ねぎらいの言葉をかけてあげるといった精神的なケアが大事なのです。

たとえば、夜遅く帰ったとき子どもがもう寝てしまっていても、ママがまだ起きていたらママの話を聞いてあげてください。ママは一日中、乳幼児と一緒に過ごし家事に追われヘトヘトに疲れています(働いているママはもっとたいへん)。でも夫が帰宅するまで起きて待っていてくれるのは、「こんなことがあったの!」という子育ての感動、わが子の成長をパパと分かち合いたいのかもしれません。だから「ねえねえ、今日ね……」と語りかけてきたら、きちんとその言葉に耳を傾けてあげて欲しいのです。

夫がそれをちゃんと受け止めてあげれば、「認めてもらえた」と安心し、ママの気持ちは満たされて、夜ぐっすり眠れます。そして翌朝、笑顔で子どもに向き合えるのです。その母親の笑顔こそが子どもの情緒を安定させ、健やかな精神を育むのです。

つまり、ママを支えることが立派な「間接育児」になっているのです。ぜひパパたちは、この視点を持ってください。ママが必要としているものは夫からの「受容」「共感」「賞賛」です。普段多くの育児を担ってくれている妻に感謝し、精神的に支えることで夫婦の絆も強まり、ママの育児は楽しくなっていくのです。

いま子育て家庭を取り巻く多くの問題は、「産後の問題」に起因するといっても過言ではありません。この状況をみたとき、出産期の父親(男性)への指導や応援こそが、最大の母親支援・子育て支援になります。

男性本人だけでなく、父親にとって子育てがしやすい環境について、働き方を含め社会全体がもっとそのあり方を見直さなければなりません。個人だけでなく社会もOSを入れ替える必要があります。そして育児に積極的な父親が増えれば日本の子育ては大きく変わるでしょう。笑っている父親こそが、夫婦のパートナーシップや子どもの自尊心を育み、家族がともに成長できるのです。男性の皆さん、周囲に流されることなく、信念をもって、父親であることを楽しむ生き方をぜひ実践してみてください。

次回は「パパの働き方改革」についてお話しします。
プロフィール

安藤哲也(あんどう てつや)
1962年生まれ。二男一女の父親。出版社、書店、IT企業など9回の転職を経て、2006年にファザーリング・ジャパンを設立。「育児も、仕事も、人生も、笑って楽しめる父親を増やしたい」と、年間200回の講演や企業セミナー、父親による絵本の読み聞かせチーム「パパ’s絵本プロジェクト」などで全国を飛び回る。子どもが通う小学校でPTA会長、学童クラブや保育園の父母会長も務め、“父親であることを楽しもう”をモットーに地域でも活動中。 2012年には社会的養護の拡充と児童虐待・DVの根絶を目的とするNPO法人タイガーマスク基金を立ち上げ、代表理事に。現在、寄付集めや全国で勉強会の開催を手掛ける。
http://fathering.jp/

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