赤ちゃんとペットが一緒に過ごしちゃダメってホント?

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ペットを飼っている人が妊娠をすると、「おなかの赤ちゃんに悪いから、飼うのをやめなさい」と言われることがあります。でも、すでに犬や猫と家族のように暮らしている人たちにとって、妊娠したからといってペットを手放すことはできないもの。本当にペットは赤ちゃんに悪影響なのでしょうか? 今回は、ペットにまつわるウソ&ホントに迫りました。

■本日の「ソボクな疑問」

Q.赤ちゃんとペット(犬・猫)が一緒に過ごしちゃダメってホント? 

<読者の声>

・感染などが怖いので、赤ちゃんとは離すほうがいい。(24歳/医療・福祉/専門職)
・やっぱり動物なので、ばい菌は気になる。ある程度の年齢になるまでは動物に触れさせないほうがいいかもしれない。(25歳/食品・飲料/専門職)
・赤ちゃんのころからペットがいると、アレルギーになりにくいと聞いたことがあります。(31歳/情報・IT/営業職)
・新生児の間は猫とは一緒じゃないほうがいいと聞きましたが本当ですか?(32歳/学校・教育関連/事務系専門職)

■尾西先生のアンサーは!?

答えは……
「う~ん」です!

赤ちゃんの情操教育という意味ではプラスの効果があります。まず、ペットと一緒に過ごすことのメリットですが、小さいうちからペットを育てると、いろんなものを愛しむ心が育ちます。またお世話をすることで、義務感・責任感が生まれ、注意力・観察力も養われます。そして自分より先に亡くなってしまうことから、世の中には自分の力ではどうしようもないことがあるのだと、死ぬことや生きることの意味について、自然と学ぶことができます。

一方で、衛生面を考えると感染症の問題があります。犬は犬回虫やフィラリア、猫はトキソプラズマといった寄生虫を持っている場合があるほか、体についているノミやダニを介して細菌感染につながることがあります。

また、ペットの唾液腺や汗腺、皮脂腺から作られるタンパク質が犬アレルギーや猫アレルギーを引き起こすとも言われています。ただそれとは反対に、「アレルギーになりにくい」というアメリカの報告も。妊娠中や出産後すぐからペットと触れ合っていると、花粉症をはじめとするさまざまなアレルギーにかかりにくくなるとのこと。もともと人間は抗原に対して攻撃するようにできているのですが、小さいころから触れ合っていると、ペットの抗原を悪い物だと認識しなくなり、結果、さまざまな抗原に対しても過剰に反応しなくなるのだそうです。

「新生児の間は猫とは一緒じゃないほうがいい」という声については、おそらくトキソプラズマのことを言っているのだと思います。免疫力の弱い新生児がかかると重症になる危険がありますが、むしろ妊娠中のほうが注意が必要です。妊娠中にトキソプラズマに初感染すると、胎盤を通して赤ちゃんに感染してしまい、いろいろな病気の原因になってしまう可能性があるからです。ただ、一度かかっていれば基本的に再感染はしないと言われており、妊娠前から猫を飼っている人はご安心を。と言うのは、オーシストと言われる感染性を持つ形態のトキソプラズマは猫の糞から排泄されますが、これが排泄されるのは感染したあとの1~3週間のごく限られた期間だけです。つまり3週間以上家の中で飼っていれば感染の機会はないので安全と考えられます。ただし、生肉やネズミにもトキソプラズマがいて、食べると感染の危険があるため、そういったものを猫が食べないようにしてください。また生水や土などにもトキソプラズマはいるので、妊娠中は「土いじりをしない」、「キレイに洗っていない野菜を食べない」、「火の通っていない肉を食べない」ようにしてください。

さらに、日本の飼い猫のトキソプラズマ陽性率は1%程度ととても低いので、今飼っている猫を手放すようなことはせず、心配な方は動物病院で血液検査をしてみてください。陽性の場合はすでにその猫は一度かかったことがあるので抗体を持っており、感染源となる可能性は低くなります。逆に陰性の場合、10日後に再度調べて陰性であれば感染した経験がまったくないと判断します。その場合は、飼い猫を外に出したり生肉を与えないようにしましょう。再検査で陽性と出た場合は、最近感染した可能性があるので妊婦には危険な状態と判断します。その際は医師の指示に従いましょう。

このような理由で、妊娠する前から飼っているペットであれば、そこまで感染症を心配する必要はありません。動物病院などで予防接種や寄生虫のチェックなどもしてもらっているでしょうから、安心して飼い続けていいと思います。ただし、ノミやダニはキレイに洗っていても3日で元に戻るそうなので、舐めたりキスしたりなど、赤ちゃんと接触させすぎないことも心がけておいたほうがいいですね。

さまざまな要因を考えると、妊娠中や産後すぐにペットを飼いはじめるのは避けたほうがいいでしょう。将来ペットを飼いたいと思っているのであれば、妊娠する前か、子どもの免疫力が高まる4、5歳になるまで待つのが安心ですね。

(監修:尾西芳子、取材・文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)

※次回の更新は7月23日(土)です。お楽しみに!

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