乳癌治療薬フェマーラ(レトロゾール)で不妊治療!排卵誘発の効果、副作用などまとめ

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フェマーラ(レトロゾール)とはどんな働きをする薬?

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出典 : Upload By Kuma*Kuma

フェマーラは、「アロマターゼ阻害剤」と呼ばれる薬のひとつで、主に閉経後のホルモン感受性乳がんの治療薬として開発されました。まずは閉経後の乳がん治療において、フェマーラがどのような働きをする薬なのかをご説明します。

ホルモン感受性乳がんとは、女性ホルモンのひとつであるエストロゲン(卵胞ホルモン)が、乳がん細胞の中にあるエストロゲン受容体と結びつくことによってがん細胞が増殖してしまうという病気です。このような性質を応用して、ホルモン感受性乳がんの治療では、「エストロゲンの生産をおさえる」「エストロゲンが受容体と結合することを阻害する」といったことを試みます。

エストロゲンは、閉経前は主に卵巣で作られますが、閉経後は卵巣機能が低下するためほとんど機能しなくなります。その代わり、副腎から分泌される男性ホルモンのアンドロゲンと、脂肪などに存在するアロマターゼという酵素によって、エストロゲンが作られるようになります。

アロマターゼ阻害剤であるフェマーラは、このアロマターゼの働きを抑える働きがあるので、体内のエストロゲン量を減少させ、乳がん細胞の発育、増殖を抑える効果が期待できるというわけです。

http://www.takeda.co.jp/patients/disease/b_cancer/medical/me_06.html

武田薬品工業株式会社 乳がんの治療について(ホルモン療法)

フェマーラの不妊治療への効果

フェマーラは、上にご説明したような経緯と目的で開発された薬ですが、アロマターゼ阻害剤としてエストロゲンの合成を抑える働きを応用して、不妊治療にも使われるようになりました。主に 「①採卵周期の排卵促進剤として」使われますが、「②移植周期に子宮内膜を厚くさせる薬として」使われることもあります。

①採卵周期の排卵促進剤として使う場合

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排卵促進剤として使用する場合、フェマーラを短期間服用することで以下のような効果が期待できます。

■卵胞の発育と排卵を促進
エストロゲンの抑制によって脳が反応し、FSH(卵胞刺激ホルモン:卵巣内で未成熟な卵胞を成長・成熟させる働きがある)を多く分泌することで、卵胞の成長と排卵を促します。

■卵胞刺激ホルモンを誘起
エストロゲンを抑制して閉経後であるかのような状態を作ることで、男性ホルモンを増加させてFSHを作り出します。

このように、フェマーラの服用によって低刺激で卵巣を刺激することができ、卵胞の発育と排卵を促進させることができます。卵誘発効果が高い上、卵胞が自然に近い状態で妊娠ができるという報告もあがっています。

http://www.muse-lc.jp/funin/pdf/femara.pdf

排卵誘発剤としてのアロマターゼ阻害剤『フェマーラ』の使用

②移植周期に子宮内膜を厚くさせる薬として使う場合

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移植周期に子宮内膜を厚くさせようとしているが、女性ホルモン補充薬の貼付薬や服用薬では効果が思わしくないというときに、フェマーラが処方されることもあります。生理3日目から、内膜の様子を見ながら数日間続けて服用します。

■子宮内膜が薄いとなぜ問題なのか?
一般的には、排卵後の子宮内膜の厚さは8mm以上あることが望ましく、8mm以下の場合は「子宮内膜が薄い」と診断します。子宮内膜が8mmの場合の妊娠率が53.1%、出産まで至る確率が44.9%であるのに対して、2倍の16mmの厚さがある場合の妊娠率は77%、出産まで至る確率が67.6%となっています。これらの数値でもわかるように、子宮内膜の厚さと着床率、妊娠率、出生率は密接に関係しています。

■子宮内膜が厚くなると、どういう効果があるのか?
子宮内膜は、排卵前は1日あたり0.5mm、排卵後は1日あたり0.1mmほど増殖し、着床の頃には最も厚くなり受精卵を迎える準備をします。子宮内膜が薄くても、卵子の質が良ければ妊娠する可能性はあると言われていますが、少しでも妊娠の確率を高くしたいのであれば、内膜はより厚いほうが望ましいです。理想としては、10mm以上の厚さは欲しいところです。

■フェマーラを服用することで、なぜで子宮内膜が厚くなるのか?
「エストロゲンの抑制によって、脳や卵巣に刺激を与える」というフェマーラの特徴を活かすことで、子宮内膜の成長を促すことができます。フェマーラは体に残りにくい服用薬なので、体への負担が少なく、排卵前の期間に長く服用することで穏やかに内膜に働きかけていきます。

フェマーラでの不妊治療に向いている人

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では、フェマーラの特徴を活かした不妊治療に向いている人とは、どのような人なのでしょうか?以下を参考に、主治医に相談してみてください。

■フェマーラの特徴
・自然に近いかたちで卵胞や子宮内膜の成長を促す
・服用後、短時間で体外に放出されるので体への負担が少ない
・卵巣そのものには刺激を与えない
・ホルモンを抑制することで排卵を促す
・子宮内膜が薄くならない
・子宮頸管内膜が減少しない

■フェマーラでの不妊治療に向いている人
・卵巣年齢検査(AMH検査)の結果が思わしくなかった人
・子宮卵巣機能が低下する40 歳以上の人
・他の卵巣刺激方法で効果が得られない人
・子宮内膜症を患っている人
・卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を患っている人
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を患っている人
・過去に乳がんを患っていた人

フェマーラは、他の排卵誘発剤よりも、排卵誘発の効果が高いといわれています。また、他の薬では効果が得られなかった場合でもフェマーラによる排卵誘発で卵胞が発育することがあるといわれています。

ただし、フェマーラを排卵誘発として使う場合、卵巣に卵胞が既にあることが条件となります。他の排卵誘発剤である「クロミッド」や「ゴナドトロピン」のように卵胞数を増やす作用はありません。既にある卵胞を大きく育てることを目的に使用します。

フェマーラの特長と副作用

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フェマーラを使うことのメリットとして、体に残りにくい薬であるため体への負担が少ないということが挙げられます。新たに卵胞を増やすことはできませんが、ゆるやかに体に働きかけながら、今ある卵胞と内膜の成長を促してくれる効果があります。しかし、場合によっては以下のような副作用がでることもあります。

<フェマーラによる主な副作用>
・頭痛や関節痛
・眠気
・発疹
・正出血
・むくみによる体重増加
・血が固まる血栓症や寒栓症
・心臓や肝臓への疾患

体質や体調、服用期間なども関係するため、副作用の現れ方は人ぞれぞれですが、比較的軽く済むことがほとんどです。それでも、体の負担は妊娠への妨げとなるので、気がかりな症状は医師に相談するようにしましょう。

ほかの不妊治療法とフェマーラの比較

不妊治療で一般に使われている排卵誘発剤とフェマーラの違いについてご紹介します。

クロミフェン(クロミッド®またはセロフェン®)療法

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排卵誘発剤による治療として、もっとも一般的な方法です。無排卵性周期症や視床下部性に原因がある軽度の排卵障害に適しています。

クロミフェンは内服薬で服用しやすく、通院回数が少ないので患者への負担が少ないメリットがあります。保険が適用されるので薬価は安く、採卵数や凍結卵も少ないため、1サイクルあたりの費用も低く抑えられます。

一方、服用すると内膜が薄くなるため、採卵した卵は受精させた後に凍結して、別周期で凍結胚移植することが多いというデメリットもあります。 また、フェマーラは身体から排出されやすいことに対して、クロミフェンは体に残りやすい薬でもあります。

<クロミフェン療法による主な副作用>
・吐き気
・頭痛
・イライラ
・目のかすみ
・眠気
・発疹
・卵巣過剰刺激症候群
・肝臓疾患

ゴナドトロピン療法

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脳下垂体に異常がある排卵障害や視床下部の異常による無月経症に適しています。hMG(性腺刺激ホルモン)とhCG(性腺刺激ホルモン)の2種類の注射薬を使って、高刺激に排卵を起こさせます。

卵胞を頻繁に確認するので、卵胞の成長に合わせて注射の量や日数を調節できます。卵巣に直接働きかけて排卵を促すので、一度の採卵でたくさんの卵胞を採取できるというメリットもあります。

一方、多くの卵胞を採取することから、多胎妊娠や多嚢胞性卵巣症候群が生じやすくなります。病院や自宅での連日の注射が必要となるため、通院回数が増えて心身の負担が大きくなるほか、高度医療での使用は保険適応外なるため、治療費がかなり高くなります。

<ゴナドトロピン療法による主な副作用>
・卵巣過剰刺激症候群
・多胎妊娠による医療的なリスクの上昇

フェマーラ錠の薬価・ジェネリック医薬品の有無

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フェマーラは、海外では不妊治療薬として使われていますが、日本ではあくまでも「乳がん治療の薬」です。そのため、本来の目的と違った不妊治療での使用は、保険適用外(自費)となります。不妊治療薬として保険が効くクロミッドと比べると、薬価も大幅に異なるのが現状です。

しかし、現在はフェマーラと同じ有効成分・同等の効き目があるジェネリック医薬品「レトロゾール」も出ています。自己負担の治療が多い不妊治療では、ジェネリック医薬品を上手に利用したいですね。詳しくは主治医にご相談ください。

まとめ

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乳がん治療薬として開発されたフェマーラが、なぜ不妊治療ににも有効なのか、どのような使い方をするのかといった情報をご紹介してきました。薬価が高いなどの懸念点もありますが、基本的には体への負担も少なく様々なメリットがある治療法です。パートナーや医師とも相談の上、選択肢のひとつとして検討してみてください。

http://product.novartis.co.jp/fem/tool/fem01.pdf

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