テクノロジーの進化によって見えてきた、未来の教育像とは

テクノロジーの進化によって見えてきた、未来の教育像とは

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2013年頃から日本でも徐々に認知が広がりだしている「EdTech:エドテック」。インターネットというインフラと、スマホ・タブレットの急速な普及により、旧態依然とした教育の世界に、いま大きな変革が起きようとしている。テクノロジーの進化により将来の教育が一体どう変わるのか? EdTechコンサルタントである小林佳徳氏に、事例も交えながら解説をいただきました。
遂にやってきた「教育のIT化」

「時間だよ!時間だよ!」

小1の娘に与えた勉強用タブレットが、毎日午後4時に教材に取り組む時間を告げる。問題の説明はもちろん、回答に対する採点まで完全に自動なので娘1人で取り組める。毎日取り組むともらえるスタンプや、定期的に配信されるお楽しみ動画など、飽きずに続けられる仕組みも満載だ。

これは、未来の話でなく、すでに日本の多くの家庭で見られる光景となっている。
「紙と鉛筆」に象徴されるように、一番デジタルの世界から遠いと思われていた「教育」。そこにもとうとうIT化の波が急速に迫ってきている。
これまでもデジタルを教育に取り入れたサービスもあることはあったのだが、「やはり勉強は教科書を読んで、ノートに書き取って覚えるもの。そして、リアルな先生が指導するのが一番」という考え方が強く、それらを置き換えるほどのサービスはなかった。それもそのはずで、その頃はまず「デジタル」という「手段」が先行しすぎていたため、これまでの紙の教材をそのままアプリケーションとしてデジタル化したものがとにかく多く、それらは必ずしも使いやすいものではなかった。

その状況をベネッセのタブレット型通信教育「チャレンジタッチ」、リクルートのインターネット予備校「受験サプリ」などが一気に打破し始めている。
「みんながやっている学習法から、自分にあった学習法へ」

EdTech:エドテック(EducationとTechnologyを意味した造語)という言葉が2013年頃から国内でも徐々に広まり始めた。その背景にはご存知の通り、インターネットというインフラの整備と、スマホ・タブレットの普及が大きく寄与している。

だからといって、明日から学校の教科書が急に電子書籍にはならないように、教育全てがドラスティックに変化するのにはまだまだ時間がかかると思われる。しかし、それでは教育はいつまでも変わらないのであろうか。例えば塾業界を見てみると、2014年に代々木ゼミナールの校舎が20校閉鎖したのは記憶に新しいが、これまでの集団塾から個別指導塾へニーズのシフトが起きており、これは各家庭の学習に対するニーズが細分化され、つまりは塾を選ぶ生徒側の立場が強くなってきていることを示している。

だが単純に個別に指導を行えばよいという話ではない。これまでの集団講義と比べれば、より多くの講師が必要になるため、当然、慢性的な講師不足の問題を引き起こしている。その結果「個別指導」とは名ばかりで、ほとんどの塾ではマンツーマンどころか、1対2は当たり前、1対4といったケースもあり、労働時間が増えた結果、そういった塾には「ブラック企業」のレッテルを貼られてしまうリスクもある。

この問題を解決する方法の1つがデジタル化である。リーズナブルに個別のニーズに対応した教育を受けられるサービスが急速に伸びてきている。消費活動を例に挙げると、これまで受け身だったテレビメディアによるCMを集団講義とすれば、各々が欲しい商品を検索エンジンで調べ、サイトで価格を比較する行動に変化しているように、個人それぞれが望む教育を選ぶ時代に変化してきていると言える。

選択肢が増えればそれだけ販売競争も激化してくるだろうか?教育(教材)サービスにおいては、一般消費財と異なり「必ずしも高価な教材が効果が高いとは限らない」という問題もあるが、それもIT化により学習のデータを蓄積し分析することで、時間が解決していくのではないだろうか。
EdTechへの参入は大企業ばかりではない

いわゆるベネッセ、学研、Z会のような教育大手企業だけでなく、スタートアップやベンチャーと呼ばれる新興企業も次々とEdTechに進出している。ここでは、それらの一部を紹介する。

Studyplus(スタディプラス)
100万人以上が利用する日本最大の学習管理プラットフォーム
http://studyplus.jp/

スマホ家庭教師 manabo(マナボ)
スマホさえあれば現役大学生に24時間いつでも質問ができるサービス
https://mana.bo/

SENSEI NOTE
先生同士が役立つ情報を互いに交換できるサービス
https://senseinote.com/

GLOBAL CROWN
子供が英語を好きになる、オンライン英会話サービス
https://www.global-crown.com/

また、

EdTech Media
http://edtech-media.com/

といった、EdTechに特化したメディアも増えてきている。

かのビル・ゲイツ氏も「今後、オンライン教育が革命的変化をもたらす」と言っており、今後の動向が注目される分野であることは間違いない。
プロフィール

小林佳徳(こばやし よしのり)
EdTechコンサルタント・作家
ベネッセコーポレーションで1999年からインターネット版進研ゼミの開発に従事。2014年にはベネッセ「デジサプリ」「ベネパ」の開発に携わる。

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