「ロールモデルがいない」と嘆く前に。働くオンナに大切な「シェアする行動力」とは

「ロールモデルがいない」と嘆く前に。働くオンナに大切な「シェアする行動力」とは

『オンナの未来塾(第2回) ゲスト:堂薗稚子さん』

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文:栗田 宏美(CHIENOWA)
「私はこうなりたい」と思える先輩に出会える奇跡
働く女子にとって、「自分もこうなりたい!」と思えるロールモデルを見つけたり、自分の悩みを解決するヒントをくれる先輩に出会うことはとても大切ですよね。2015年11月28日(土)に開催されたイベント『オンナの未来塾』で、元「リクルート最強の母」、現在は株式会社ACT3代表取締役である堂薗稚子(どうぞのわかこ)さんの講演を聞く機会がありました。

堂薗さんは株式会社リクルートにて、多くの営業表彰を受けてマネージャーになった後にお子様2人を出産され、育児と両立しながら素晴らしいキャリアを築かれてきた、いわずもがなのキャリアウーマン。事業責任者だけでなく、ワーキングマザーで構成された営業組織のマネージャー、事業内ダイバーシティ推進担当などのポストもご経験され、2013年に独立。そんな堂園さんに、「働くオンナが、昨日と少し違うスタンスで働けるようになるためのTIPS(コツ)」をお伺いしてきました。
堂薗流・働くオンナの心得①:男女の価値観の違いを受け入れて、「バイリンガル」になること
堂薗さんといえば、かつてのリクルートのようなバリバリの男性社会の海を泳いできた、とても強い女性……というイメージがありました。

しかし、実際にお話を伺うと非常に柔軟で、色々な立場の人をたくさんマネジメントされてきた経験からか、俯瞰的な視点を持っている方でした。特にそう感じたのは、男女の価値観の違いを意識することが大事だというアドバイス。堂薗さんによると、男性は「歴史に名前を残したい」生き物であり、女性は「リアリティがある幸せが欲しい」「自分にとって重要な人にきちんと認められたい」と考える生き物。違いを理解し合ってコミュニケーションできれば、もっとお互いの力を引き出せて心地よくビジネスできるはず、と言います。

「例えばプレゼンテーションをする場合も、ジャッジする立場に男性が多い場合は、事実と数字に基づいた内容にするように心がけると、通る確率が全然違う。男性に通じる言語も話せる『バイリンガル』にならなきゃ」と、ご自身の経験をふまえてアドバイスしてくださいました。

プレゼンテーションの達人でもある堂薗さん。聞きやすいテンポで、参加者を引き込んでいきました。
堂薗流・働くオンナの心得②:無理矢理「WILL(やりたいこと)」を作るのはやめること
マネジメントをする時に、上司は必ずWILL(やりたいこと/未来)・MUST(やらなければならないこと/義務)・CAN(できること/現状)の3つをキーポイントに成長支援をするもの。しかし、堂薗さん曰く、「長期的なWILLとMUSTのギャップを埋めるアプローチは、あまり女性には向かない」そうです。このアプローチ法は、結局自分の中に動機となるWILLが生まれず、その場を取り繕う「偽WILL」を作ってしまうとのこと。

「無理にWILLを持つ必要は無いと思います。上司には、自分のやってきたことを評価してもらった上で適切なフィードバックをしてもらう。そしてそれに基づいたミッション(MUST)を受け取り、CANを磨き、またフィードバックを受ける。そうするうちに、ぼんやりとWILLが感じられればそれで充分。このサイクルが、上司とのコミュニケーションでは絶対に大事!」

堂薗さん流の上司とのコミュニケーションは、上司に「CAN」を言語化してもらうこと。恥ずかしくても、「私のどこが好きですか?」「私は何が強みですか?」と聞いて、自分の立ち位置や何を期待されているかを知ることで、キャリアイメージが明確になる場合もあるというアドバイスでした。

確かに、思いつきのWILLはその場しのぎにしかならず、時間が経つとブレてしまいます。「WILLが無くてもいい」というアドバイスは意外でもありましたが、堂薗さんのしなやかなマネジメントスタイルから学ぶことができました。

質疑応答の時間の様子。質問者一人ひとりの目を真摯に見つめて、うなずきながら話を聞いてくれる堂薗さん。
堂薗流・働くオンナの心得③:モチベーションが環境で左右されるうちは、リーダーとしては不合格!
33歳の時に妊娠・出産した堂薗さんが、育休から戻ってきた時のエピソード。それまで輝かしい営業成績をあげ、意気揚々と復帰した彼女を待ち受けていたのは、休職前のポジションからの降格、おまけにかつての同僚が自分の上司になるという厳しい待遇でした。自分より営業経験の少ない人が上司なのは納得できない……そんな思いを、さらに上の上司にぶつけた時に言われた一言は、「お前は、環境要因でモチベーションが上下する。リーダーとしては不適当。何かのせいにする考え方を変えるまで、俺に人事の話をしないでくれ」。そこで、ハッとした堂薗さん。自己反省して仕事に邁進し、その後見事管理職に返り咲いたそうです。

ついつい、「忙しいから」「集中できる環境が整っていないから」など、○○だから、という環境要因のせいにして、能力を最大限発揮できないと自分に言い訳をしてしまう……そうしてしまっているうちは、リーダーとしては不合格。私にも心当たりがあったので、心に刻もうと思いました。
自らロールモデルを探す大切さを教えてくれる、それが『オンナの未来塾』
『オンナの未来塾』は、20代半ばから30代前半までの女性限定・少人数制のキャリアイベント。毎回、魅力的な先輩女性ゲストを招いて「自分らしい生き方」をテーマに、働き方だけでなくプライベートについての考え方までを約1時間じっくりとお話しいただきます。その後の質疑応答では参加者全員でざっくばらんに自分が腹落ちするまで意見交換していくという、参加者同士はもちろん、ゲストとの距離も近いイベントです。

主催する主要なメンバーは、清水慶子さん、小田絢美さん、板垣麻衣子さんの三人。早稲田大学時代の「大隈塾(※)」出身という共通項があり、社会人になっても交流をするうちに、「女性を中心にした場を作りたい」という恩師の呼びかけに共鳴したそうです。
※大隈塾:2002年、田原総一朗氏を塾頭に、21世紀を生き抜くためのリーダーシップを学ぶ目的で設立された早稲田大学の授業。

食品メーカーに勤める清水さんは、『オンナの未来塾』発足のエピソードについてこう語ってくれました。「ちょうどその頃、私自身が30歳を前に、仕事や結婚・出産というテーマに悩んでいたんです。自分らしい働き方ってなんだろう……というモヤモヤを払拭したくて、複数の女性活躍支援セミナーにも参加してみましたが、提示されるロールモデルが自分とはかけ離れすぎていたり、いわゆる「キラキラ女子」を推奨するものだったり、逆にワーママ志向に寄りすぎていたりして、しっくりとこなかったんです。それならば、自分で場を作ってしまったほうがいいかなと思い、最初の1回は知り合いを集めて、とにかくノリでやってみました。すると、参加者からの反応が思った以上に良くて。単なる仲間内でとどめておくのは勿体ないと思ったんです。同じようなライフステージで悩んでいる同年代の女性や、キャリアを模索している後輩たちにシェアすることで、一人ひとりが自分の進む方向性を定めるヒントになれば……と」。

人材サービス会社で紅一点の営業職マネージャーを務める小田さん。『オンナの未来塾』にかける想いをお伺いしたところ、「普段の仕事の中で、管理職に女性がいることでいいシナジーが生まれることを痛感していて……20代から30代前半くらいの働く若手女子に、真剣にキャリアについて考える機会をもっと持って欲しいと感じています」と、生き生きと語ってくれました。

確かに、自分と完全にマッチするロールモデルを見つけることはとても難しいこと。ただ待っていても、働き方のヒントに出会えるわけではありません。だからこそ、清水さん・小田さん・板垣さんのように、自分からロールモデルを見つけるために行動を起こし、行動することで得たノウハウや出会いや発見をまわりの人にシェアする姿勢は、私も見習うべきだと強く感じました。『オンナの未来塾』の熱量は、これからもたくさんの働くオンナに、学びの場をシェアしてくれることでしょう。

「オンナの未来塾」主催メンバーの小田さん(左)・清水さん(中央)・板垣さん(右)。
イベント情報

『オンナの未来塾』
【日時】2015年11月28日(土)
【場所】株式会社ビズリーチ本社
次回は2016年3月5日(土)に開催予定。
時間・場所・ゲストに関しては、Facebookグループにてご案内します。
参加ご希望の方は、事務局 横山(yokukikumakiron@gmail.com)まで。
関連情報

株式会社ACT3
http://www.act-3.co.jp/
プロフィール

栗田宏美(くりた ひろみ)
クレディセゾン営業企画部プロモーション戦略グループに所属。既婚、現在妊娠10ヶ月。

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