10月から定期接種化された乳幼児へのB型肝炎ワクチン。「受けないこと」のリスクとは?

10月から定期接種化された乳幼児へのB型肝炎ワクチン。「受けないこと」のリスクとは?

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5歳未満で感染しやすく、若年で肝がんを発症する例も

済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科 部長 乾あやの先生

 2016年10月1日から、乳幼児へのB型肝炎ワクチンが定期接種化されました。MSD株式会社は9月28日、都内で「なぜ今、すべての子どもにB型肝炎ワクチン接種が必要なのか?~定期接種とその後の課題」と題したメディアセミナーを開催。済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科 部長の乾あやの先生が講演しました。

 B型肝炎ウイルスは、はしかやインフルエンザと違い、感染しても目立った症状が現れません。しかし、感染した状態が持続すると、後になって肝がんなどの重篤な肝疾患を発症するだけでなく、身近な家族や友人への感染源になってしまいます。国内でのB型肝炎ウイルス感染者は約130~150万人、毎年5,000人以上が新たに感染していると推定されています。

 B型肝炎ウイルスは、感染者の血液や体液を介して感染し、C型肝炎ウイルスやエイズウイルスよりも感染力が強いといわれています。大人が感染しても、一定期間後にウイルスが体から排除され、症状がほとんどないまま治癒する例がほとんどですが、免疫機能が十分でない乳幼児、特に5歳未満の子どもの場合は、ウイルスが排除されずに長期間肝臓に住み着く持続感染(キャリア)になりやすいといわれています。

日常生活で注意するだけでは感染予防は難しい。予防接種が有効

 乳幼児の感染経路には、感染者である母親から出産時に感染する母子感染と、家庭や保育園などで感染者と接触することで感染する水平感染があります。水平感染を予防するには、感染源となる他人の血液や体液(唾液、汗、涙など)に接触する機会をできるだけ減らすことですが、手指や口の中の目立たない小さな傷からでもウイルスは侵入。日常生活上の注意だけでは感染を完全に防ぐことは難しいのが現実です。

 B型肝炎ワクチンは、これまで母子感染の予防を目的として接種されてきましたが、10月からは0歳児を対象に定期接種となりました。生後2か月から接種を始め、生後3か月、7~8か月に接種するのが標準的なスケジュールとされ、1歳になるまでに3回目の接種を行います。2016年4月1日以降に生まれた子どもの場合、10月に1回目の接種を行えば、2017年4月までに3回目の接種を終わらせることが可能です。

 「若い人の肝がんの主な原因であるB型肝炎は、ワクチンで防げる病気。保育園での感染例も報告されていますから、キャリアになりやすい年齢で予防接種を受けることが大切です」と乾先生。将来の肝疾患を防ぎ、周囲への感染源にならないために、予防接種は忘れずに受けておきたいものですね。(QLife編集部)

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