「仕事に夢中になるって面白い!」。実在の企業からのミッションに挑戦する中高生向け教育プログラムとは?

「仕事に夢中になるって面白い!」。実在の企業からのミッションに挑戦する中高生向け教育プログラムとは?

『クエストカップ2016 全国大会』

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文:真山美穂(CHIENOWA)
企業が掲げるミッションを、中高生が解決する
「仕事に夢中になるって楽しい」「安定だけじゃない、と視野が広がった」。参加した中学・高校生からこのような声を集めている、現実社会を題材にして「生きる力」を育む教育プログラム『クエストエデュケーション』。プログラムの一つである「企業探究コース」では、生徒たちがチームを組んで、実在の企業から出された正解のないミッション(問い)に挑み、自ら感じ、考え、表現しながら、「クエスト=探求」という学びを実践します。現代社会の最前線で活動する企業の姿をとらえ、その一員として体験することで、社会や経済の仕組みに触れるとともに、働くことの意義や楽しさ、大変さを、実感を持って学ぶコースです。

毎年、クエストエデュケーションの取り組みに共感する6社が協賛企業として参画しており、2015年度は、エイチ・アイ・エス、オムロン、大和ハウス工業、テレビ東京、富士通、クレディセゾンの6社が協賛企業として参加しました。各社は学生たちに独自のミッションを提示するとともに、約1年間に渡って、ミッションに挑むことから得られる学びや『クエストカップ全国大会』までのアウトプットをサポートしていきます。

クエストカップ2016にはクレディセゾンをはじめとした6社の企業が参画しました。
2015年度のテーマは「私たちが世界を変える!」
2015年度は、全国の中学・高校81校でクエストエデュケーションが導入され、約1万人の生徒が参加。1年間のプログラム受講後、学年末に、『クエストカップ全国大会』が開催されました。各企業が「私たちが世界を変える!」を共通テーマに出題したミッションに対し、生徒たちが直接プレゼンテーションを行ない、熱い思いをぶつけました。

印象的だったのは、どのチームも、聞き手の興味を引き付ける仕掛けを凝らしていたこと。イラストだけでなく、動画やコントまでを駆使したプレゼンからは、「私たちが世界を変える!」という生徒の熱い思いが伝わってきました。内容も、大人が思いもつかなかった斬新な発想が多く、いかに企業で働く自分が固定概念に縛られていたかということに気づかされました。

私たちクレディセゾンが出したミッションは、「私たちが世界を変える! “決済の仕組み”を活用して社会課題を解決する革新的サービスを提案せよ!」です。111チームの応募のなかから見事「クレディセゾン賞」を受賞したのは、愛知県・桜丘高等学校のチーム。日本の少子高齢化問題や労働力不足、そして地球環境問題を社会課題として捉えた提案で、保育所・保育所利用者・クレディセゾンの三者にメリットのある事業モデルを提案しました。子育てはまだまだ先である高校生たちが、社会のニーズを把握して社会課題に立ち向かう姿には、無限大の可能性を感じました。

また、全国大会終了後、発表が大変素晴らしかった桜丘高等学校と横浜富士見丘学園中等教育学校の2校をクレディセゾン社内にお呼びし、経営陣の前でプレゼンテーションを行う場を設けました。全国大会の発表がゴールではなく、クレディセゾンのリソースを使って社会課題を解決したい! という提案は、ぜひ社内でも検討したいと思ったからです。高校生の豊かな発想力による大人が思いもつかなかった提案には、「そのアイデアは考えつかなかった! もっと早くその提案を聞いていれば……!」という声があがり、また、これだけ熱い思いを持った生徒たちとぜひ一緒に働いてみたい! と私自身も思いました。

社内発表会にて。横浜富士見丘中等教育学校のプレゼンテーション。

桜丘高等学校によるプレゼンテーション。経営陣、社員に生徒たちの熱い思いが届きました。
「仕事に夢中になるって楽しい」「安定だけじゃない、と視野が広がった」という生徒たちの声
参加した生徒たちからは、以下のような声があがっていました。

これほど一つのことに夢中になって、集中した経験はこれまでにありませんでした。電車に乗っていても、お風呂に入っていても、ずっと頭のなかで考えていました。仕事に夢中になること、その楽しさを知ることができました。社会人になる前にこの経験をできたことは宝物です。(高1女子)

取り組みを通して、将来に希望する職業が変わりました。安定を目指すのではなく、視野が広がったことが自分の人生にとって大きな変化でした。(高1女子)

社会で働いている人はかっこいい! と思いました。(高1男子)

奇抜なアイデアでも自分が信じて努力すれば受け入れてもらえることがわかり、自分の意見に自信を持って素直に発言できるようになりました。(高1男子)

中学2年のときに全国大会に出場し、数百人の前でプレゼンテーションをするのはとても緊張しましたが、そのおかげでちょっとしたプレゼンでは緊張しなくなりました。(高3男子)


中高生たちの素晴らしい発表には毎回驚かされます。「正解だけを教える教育では絶対に見ることができない生徒の成長がある」とあらためて感じました。

クレディセゾン賞を受賞した桜丘高等学校の皆さん。
自分の潜在能力に触れ、チームとともに成長していくプロセスで、「生きる力」を実感できる
クエストエデュケーションを主催している教育と探求社の代表取締役社長・宮地さまはこうおっしゃっていました。

この取り組みを通して、生徒たちは目を見張るような成長をしていきます。はじめは正解のない課題を前に戸惑いますが、プログラムを進めるうちに勇気を持って感じたことを話せるようになり、他者から承認され、自ら考える楽しさを知ります。さらに、他者の意外な視点に刺激を受け、試行錯誤しながら、企画案にまとめて、豊かな表現でプレゼンテーションを行なうのです。生徒一人ひとりが自分の潜在能力に触れ、チームメンバーとともに成長していくプロセスこそ、「生きる力」を実感できる瞬間です。

そして、生徒たちの提案は、企業の理念や現状をきちんと踏まえた上で、本質を突くものばかり。経営者や社員のみなさんからは、「目先ではなく大局観のある提案に、勇気と力をもらった」と、単に生徒たちを褒める、という次元をはるかに超えた、ストレートな感嘆の声が聞かれます。子どもたちが「生きる力」を養えるシーンは、じつは普段の生活のなかにもたくさんあります。ちょっとした疑問のなかには、未来の可能性が隠れているからです。その疑問に大人が丁寧に向き合い、共感し、応援することで、学ぶ喜びを体感できるはずです。ご家庭でも、まずはお子さんの「なぜ?」に目と耳を傾けることから、はじめてみてはいかがでしょうか。


次世代を育て、未来を作る活動として、子どもたちの「生きる力」を育むこと。これは家庭で、学校で、そして企業も一丸となって取り組んでいくことが大切です。1年間のプログラムを通して生徒たちは大きく成長をしますが、力を得るのは生徒だけでなく、彼らの取り組みを1年を通じて支援する私たち企業で働く社員も同様です。

中高生とともに、大人である社員も成長していくこのプログラムがもっともっと広まることで、日本の未来は期待できると思います。

社内発表会後の交流会にて。生徒、先生たちの笑顔があふれます。
イベント情報

『クエストカップ2016 全国大会』
主催:クエストカップ実行委員会 / 教育と探求社
http://questcup.jp/2016/
プロフィール

真山美穂(まやま みほ)
クレディセゾン戦略人事部に所属。社員教育、CSR活動としての教育事業を担当。

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