「育児は共感・家事は解決」。イクメン社員に聞いた、「ワーキングペアレンツ」としてのパパの役割とは?

「育児は共感・家事は解決」。イクメン社員に聞いた、「ワーキングペアレンツ」としてのパパの役割とは?

『Cross Border Women Network vol.2』

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ワーキングママが仕事と家事・育児を両立させるには、夫の理解や協力が不可欠です。筆者は昨年末に出産し、まもなく1歳になる息子を育てています。大好きなライターの仕事は縁あって、産後2ヵ月頃には復帰することができました。最近では、夫が休みの日に息子の面倒を見てもらい、取材や打ち合わせなどに出かけることも。育児に積極的な夫は、いわゆる「イクメン」と呼ばれる部類なのだと思います。とはいえ、私は遠方取材などの仕事は受けられなくなったし、子育てすることが前提としてあるので、どうしても行動に制限が出てしまいます。好きな仕事を継続できて、休みの日に赤ちゃんをかわいがっていればいいという夫に対して不公平さを感じることが、この1年間で何度もありました。

今回、ワーキングママと彼女たちを支える男性社員が多く在籍しているアメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc.とクレディセゾンから2名ずつ、「イクメン」社員が集まる「男性の育児参加と共働き夫婦のキャリアについて」の座談会に、ママ代表として潜入取材してきました。イクメン社員のみなさんは、共働きの夫婦が、仕事と育児をともに充実させ、家庭をハッピーにする「ワーキングペアレンツ」としてのパパの役割をどのように考えているのでしょうか。

取材・文:栗本千尋 撮影:豊島望
プロフィール

黒田夏樹(アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.加盟店事業部門 事業戦略本部)
36歳。3年前に結婚し、生後7ヵ月の息子がいる。現在、妻は育休中。

スワロー ケーシー(アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc.加盟店事業部 事業戦略本部)
29歳。3年前に結婚。2歳半・3ヵ月の娘がいる。現在、妻は育休中。

長谷川博一(クレディセゾン 神奈川支社 法人営業部)
38歳。5年前に結婚。3歳の息子がいる。妻もフルタイムで仕事をしている。

佐藤健(クレディセゾン 営業企画部 プロモーション戦略グループ)
37歳。営業部の社員と社内結婚。5歳の娘と生後1ヶ月の息子(取材時は第二子出産直前)がいる。現在、妻は育休中。
「家事をするだけではイクメンではない」
まずは、「DINKS(結婚後も子どもを持たずに夫婦とも就業活動に従事するライフスタイルのこと)からワーキングペアレンツになって何が変わったか?」を議題に座談会はスタート。みなさんが口をそろえて言うのは、「時間の使い方が変わった」ということ。保育園へのお迎えのため、子どもをお風呂に入れるため、「何時までに会社を出なければならないか」を意識するようになり、残業や休日出勤をしなくてすむように、朝早く出勤するなどの工夫をしているそうです。

また、自分のことだけを考えていればよかった独身時代とは違い、「家族のために仕事をする」という意識が芽生えたとの意見も。起業経験のあるスワローさんは、以前は「失敗してもなんとかなるだろうという思いで起業しましたが、家庭を持った今は『とりあえずやってから考えよう』ではなく、『しっかり考えてからやる』ようになりました」とのこと。


「家事をやっていればイクメンだと思っていたんですが……」と切り出したのは、妻もフルタイムで働いている長谷川さん。家事は平等というスタンスで、食事、洗濯、掃除などのタスクがちょうど半々くらいになるよう、一週間の中で帳尻を合わせているといいます。「忙しいときは、前もって食事を作るなど工夫をしています」との発言に、会場では「すごい」という賞賛の声が。

「夜に翌日の夕飯作りをすることも!」と話す長谷川さん
長谷川:ただ、それだけで育児が完璧にできているつもりになっていましたが、実際は違い、奥さんは子どもの教育や育成について一人で抱えてプレッシャーを感じていたようで……。「保育園から幼稚園にシフトしたほうがいいのか」など、一緒に考えていかなければいけないことなのに、私はまったく相談にのれていなかった。妻が爆発したことで問題が明るみになり、育児のことを何もわかっていなかったと思い知らされました。自分ではイクメンのつもりでしたが、奥さんからは全然認められていなかったんです(苦笑)。
「男はソリューションを考えてしまうんですよね」と、男性ならではの視点を話してくれたのは黒田さん。
黒田:子育て中の家事が大変なのはわかるので、新しい電化製品を買って、お金でソリューションしていこうって考えます。たとえばルンバを部屋に走らせて、洗濯機で衣類を自動洗浄して、食洗機で皿洗いして……というように。でも、女性って問題を「共感」してほしいんですよね。「解決」ではなくて、「理解」してほしい。私にはそこがなかったんです。

黒田さんは「お金や物ではなくて、奥さんの心を充たすことが大事」と言う
もちろん、家事を分担してくれたり、便利な家電を買ってくれたりするだけでもママは大助かりだと思います。ただ、一人きりで子どもと向き合う時間と、言葉の通じる大人がそばにいる時間はまったく違うもので、家事を軽減させるツールより、誰かそばにいて話を聞いてほしいと思うこともあります。

何に困っているのか相談にのること、子育てに関する悩みや愚痴を聞くことは、夫としてもっとも重要な役割のひとつなのではないでしょうか。

パパに必要なのは、子育てへの当事者意識
「ルールは特に決めていません。『奥さんをよく手伝ってあげている』みたいな発言をテレビなどで見かけると、違和感を覚えるんです」と、スワローさん。

スワロー:ルールを決めるとそれに縛られてしまい、普段相手がやっていることを自分がやったときに「やってあげた」「手伝ってあげた」という意識になるじゃないですか。外からサポートするという考えは、当事者意識がなさすぎると思います。

「『やってあげた』ではなく、一緒にやることが大事」と話すスワローさん
みなさんが夫婦のルールとしてやっているもののなかで、私も見習いたいと思ったのは「スケジュールを共有すること」。

例えば、事前に飲み会の予定を聞いても忘れてしまうことがあるので、いつでも見られて更新もできるスケジュール共有アプリや、Gmailで専用アカウントを作ってカレンダーに入力するという方法。1週間のスケジュールをお互い把握すると、すれ違いで起きるイライラを軽減されるかもしれません。

また、スワローさんが特に気をつけているというのが帰り時間の連絡だそう。

スワロー:事前に「18時に帰る」と言っていて、20時に帰ると大変なことになるので(笑)、18時に帰れるかもしれないときでも、「20時前には帰れると思う」と言うことにしています。それで18時に帰るほうが喜んでもらえるので。子どもがいると、ごはんやお風呂のスケジュールをずらすことでも大変ですし。
確かに、「もう少しで帰れる」と言われたのに2時間経っても帰ってこない……という状況になると、何か事情があるにしろ、イライラしてしまうものです。そういう気遣いは嬉しいかもしれません。

応援するパパは多くても、産後のキャリアについてはまだまだ課題が……
次の議題「パートナーのキャリアをどう考えているか?」については、「相手がどうしてもキャリアを求める人なら応援したいし、仕事をしていなくても社会性は持っていてほしい」という意見が多く聞かれました。「夫の稼ぎだけで生活ができても、仕事をしたいならそれを叶えられるように」と、自由に選択してもらえる環境を作りたい思いがあるようです。

そんな中で、長谷川さんは特に強く課題意識を持っているようでした。
長谷川:奥さんは、がむしゃらに働いていたタイプの人。キャリアについては「やめたいときにやめる」と言っていたけれど、最近は悩んでいるんです。若い子たちが入ってきて、産休・育休を経てブランクがある自分と比べて「この会社にいてもいいのだろうか」と感じるようになったみたいで。それを聞いて、つい男性ばかりがキャリアを考えてしまうけれど、出産・育児というライフイベントで働き方を変えなくてはならない女性もキャリアについて悩んでいるのだなと思いました。
また、まもなく2人目が生まれるという佐藤さんの奥さんも、「次の復職では、今までの役職や環境とは大きく変わるかもしれない」と悩んでいたそう。


子ども1人なら、産休・育休を活用し、そのあと保育園に入れればなんとかやっていけるかもしれませんが、「2人目以降はタイミングを考えてしまう」というワーキングママが私の周囲にもいます。復職後まもなく産休に入ることや育児をしながら働くことは、周りに迷惑をかけてしまうし、気まずいと考えてしまう人も多いのでしょう。

私も会社員時代は、早上がりをするワーキングママに対して「早く帰れてうらやましい、こっちはこんなに遅くまで残って大変なのに」という思いが少なからずあったので、どちらの気持ちもわかります。異なる立場の両者が理解しあうには、周りにロールモデルがいて、「自分もその立場になったときに安心して産休・育休が取れる」という意識が根づくことが大事なように思います。

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