【書籍レビュー】赤ちゃんの夜泣きを経験したパパ・ママ必読! 子どもと自分をケアするヒント

【書籍レビュー】赤ちゃんの夜泣きを経験したパパ・ママ必読! 子どもと自分をケアするヒント

パメラ・ドラッカーマン『フランスの子どもは夜泣きをしない パリ発「子育て」の秘密』

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文:栗橋望(CHIENOWA)

自分の休息がとれない! 追い詰められる赤ちゃん期の育児
子育てしていると、まるで世界に自分と子どもだけ取り残されて、ほかに誰もいないような感覚に陥ることがあります。目の前の子どもは可愛いのに、どうしてこんなに辛いんだろうと自問自答する。その孤独を初めて味わったのが、夜泣きする子どもを抱っこしていた時だったというパパ・ママは多いのではないでしょうか?
低月齢の赤ちゃんが自分の体全部を使って泣いて訴える姿には、「自分が赤ちゃんを泣かせている犯人だ」と親に思わせるだけの力があります。また、十分に睡眠を取れない頭で赤ちゃんの泣き声を聞き続けると、ずるずるとマイナス思考のサイクルに陥ってしまい、ますます自分を責めてしまうことは往々にしてありますよね……(私も経験者のひとりです)。
本書は米国人である著者が、パリで体験したフランス流子育てを一冊の本にまとめたものです。まずタイトルがそのものズバリ「夜泣きをしない」。この具体的な方法と考え方については、ぜひ実際に第3章をお読みいただきたいのですが、これを読んだ当時、私の子どもは夜から朝まで通して眠れる2歳になっていたものの、それでも「もっと早く読んでおくべきだった」と強烈に後悔しました。なぜなら、泣きやまない赤ちゃんを片手に抱きながら、祈るような気持ちでスマートフォン片手に検索しても、この解決策には出会えなかったからです。
夜泣きの原因は、一般的な「温度」「空腹」「姿勢が苦しい」といった単純なものから、「日光を浴びさせる」「睡眠リズムを整える」などの発展型、果ては「愛情不足」というなにやら定義のあいまいな理由まで、それこそいくらでも出てきます。親は夜泣きする子どものために総当りで原因をつぶしこもうと意気込みますが、要素が多いうえに、改善がどの程度効果をもたらしたのか計測しようがないので手探りにならざるをえません。かくて睡眠時間は削られ、判断力の鈍った頭で「自分に子育てはできない……」と絶望するにいたるわけです。そのジレンマを、本書は軽やかに越えてきます。それも思いがけない方法で。

夜泣きするわが子を抱き上げる前に「ちょっと待って」、「観察する」。
赤ちゃんが夜泣きしないその方法とは「泣いてる赤ちゃんをすぐに抱きあげない」というシンプルなものです。あやす前に「ちょっと待つ」。すぐにはあやさず、赤ちゃんが自力で落ち着くチャンスを与えること。
親は泣く子をついつい抱きあげて「子に構ってあげている」という親自身の欲求を満足させてしまうもの。そうではなく、眼球の動きや表情、仕草や声の上げ方を注意深く観察して、単に眠りの途中に起きただけなのか、それとも親が満たしてやるべき別の欲求があるのかを見極めよう、というのが主旨です。驚くほどシンプルですが、ぜひ本書の第3章をご覧になってみてください。きっと新しい視点を得ることができます。
総括となりますが、本書はベストセラー『フランス人は10着しか服を持たない』と同様に、異文化への憧れが共感を呼んでヒットした構造です。そのため、鵜呑みにしたり、すべてマネして全面的に取り入れる行為はちょっと危険かもしれません。しかしながら、夜泣きする赤ちゃんを抱きながら絶望の淵に立っているパパ・ママには、違う視点の解決策を与え、気持ちを楽にさせてくれる本だといえます。
今やおばあちゃん世代や先輩パパ・ママ世代に教えを請うより、ネットでかんたんに情報を手に入れられる時代。玉石混交の状態から、自分にあった情報を見つけ出すのは困難なことになりつつあります。しかしこういった「育児にはいろんな形がある」ということを、親自らが情報を取捨選択しながら子どもと一緒に学び成長するという過程そのものが、実は時代を超えた普遍的なことなのかもしれません。

『フランスの子どもは夜泣きをしない パリ発「子育て」の秘密』

1,620
著者:パメラ・ドラッカーマン
翻訳:鹿田 昌美
出版社:集英社
プロフィール

栗橋望(くりはし のぞみ)
クレディセゾン 営業企画部プロモーション戦略G所属。4歳の長男と夫の3人暮らし、2015年10月より時短勤務から通常勤務に切り替えたばかり。

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