『「専業主夫」になりたい男たち』、白河桃子さんに聞くこれからの夫婦のカタチ

『「専業主夫」になりたい男たち』、白河桃子さんに聞くこれからの夫婦のカタチ

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日本に約11万人いると言われている“専業主夫”にスポットを当てた白河桃子さんによる新刊『「専業主夫」になりたい男たち』(ポプラ新書)。妻の扶養に入る専業主夫とその妻の取材を通して、日本の夫婦や家族の実態を明らかにし、次世代の夫婦のカタチを探った意欲作です。著者の白河さんに話を聞きました。

『「専業主夫」になりたい男たち』は、2008年に社会学者の山田昌弘さんと刊行した共著『「婚活」時代』(ディスカヴァー携書)で婚活ブームを起こした白河さんによる最新刊。専業主夫とその妻への徹底取材を通じて、夫婦の“理想”と現実”が乖離していること、「男は仕事、女は家庭」というような性別役割分担に縛られているため、家族や夫婦の生き方の選択肢が限られて男性も女性も苦しい思いをしていることを浮かび上がらせています。

執筆にあたり「興味があったのは妻の側の女性の意識」と話す白河さん。同書では主夫の妻たちの本音に迫ることで“大黒柱妻”となった妻たちの軌跡も明らかにしています。白河さんは取材を通じて「男女は表裏一体ではないが、男女の役割を逆転させて考えることで、お互い持っていた偏見やお互いの苦しみ、不自由さがすごくよくわかった」と言います。

男女の不自由さの背景には「日本は男性が家事育児をすることや女性よりも稼がないことに対しての風当たりが強い。女性は女性で、子どもを持っている女性が仕事をすることに対しての風当たりが強い」ことがあるといい、「夫婦のときどきの状態によって育児や仕事の分担を柔軟に決めていけるのがいいと思う」と語りました。

男性、女性がそれぞれ抱える不自由さが解消されるためには、男性の育児休暇取得など国や企業の政策や制度といった後押しも必要ですが、育児を女性側にだけ求めたり、稼ぐことを男性側に押し付けたりといった「性別役割分担意識」にいかに私たちが捉われているか自覚することが不可欠とも。

白河さんは「最近は、男性からも『大黒柱はつらい』という発信も多い。男女お互い『つらい』と主張し合う“つらい合戦”になっているので、話し合いながらうまく一緒にやっていこうよというふうになればと思う。そのために『主夫』という考えが広がればと思う」と力を込めました。

「女性の社会進出を3割増やすなら、男性の家庭進出も3割増やす」ことを掲げる主夫のネットワーク「秘密結社 主夫の友」の顧問も務める白河さん。2015年10月には慶應義塾大学とポプラ社の協力のもと、“主夫”に関心がある独身の男女を集めてイベント「『主夫志望男子』と『働き女子』のための『ハッピーワークショップ』」を開催し、会場には定員いっぱいの42人の男女が集まりイベントは大盛況のうちに終了しました。

白河さんは「参加者からもぜひ続けてほしいというメールをいただきました。『今の多くの人が抱いているであろう結婚観ってちがうんじゃないの?』と柔軟な考えを持つ人たちが集まる場で、柔軟な考えをする男女同士が集まるというところに意義があった」と手ごたえを語り「主夫の家庭がたくさん出てきて『自分たちは幸せだよ』ということを発信することで『今まで専業主夫なんて考えたことなかった』という人の価値観を揺さぶることが大事」と訴えました。

「2016年は男性の育児休暇取得義務化くらいまで振り切って主張していきたいと思っている」と語る白河さん。「男性の育児休暇取得を実現したいというより、それくらい振り切った提言をして、振り切ったかたちを見せることで、男性も女性も互いがもっと主たる責任をもって家事や育児に参画できるように選択肢を増やしたい」と意気込みました。

■白河桃子さんプロフィール

東京生まれ。慶応義塾大学文学部社会学専攻卒。少子化ジャーナリスト、作家、相模女子大学客員教授。「女性が輝く社会の在り方研究会」委員。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活」を提唱。女性のライフプラン、キャリア、男女共同参画、女性活用、不妊治療などがテーマ。著書に『格付けしあう女たち』、『専業主婦になりたい女たち』(ともにポプラ新書)などがある。

■『「専業主夫」になりたい男たち』

出版社:ポプラ社
著者:白河桃子
定価:842円(本体780円+税)
発売日:2016年1月

https://www.poplar.co.jp/shop/shosai.php?shosekicode=82010770

(堀池沙知子/マイナビウーマン編集部)

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