【教えて!弁護士先生】子どもが行方不明! 無事見つかったときにかかる捜索費用は?

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山岳救助ヘリ

© Nikokvfrmoto - Fotolia.com


北海道七飯(ななえ)町東大沼の山林で2016年5月末に発生した遭難事件、小学2年生の男児(7歳)が行方不明となったニュースは、みなさん記憶に新しいことでしょう。子どもを山林に置き去りにするという行為について、「“しつけ”がいかにあるべきか」を改めて考えさせられた事件でしたね。

ここで、別の視点から、「捜索は相当大規模に行われ、発見まで随分時間がかかったけれど、この費用っていったいどうなるの?」と思われた方も少なくないと思います。ここではそんな疑問、「子どもの捜索費用」について解説していきましょう。

■捜索費用って実際いくらぐらいかかるの?
遭難事故が発生すると、まずは、通報を受けた警察、消防が出動するのが一般的ですね。捜索困難な雪山で行方不明…といった危険な事故であると、自衛隊が要請を受けて出動を決めることもあります。これらの公的機関が出動した際は、原則として費用は税金でまかなわれるため、遭難者やその家族が費用を請求されることはありません。

このような公的機関の救助隊以外にも民間の救助隊が出動する場合があります。おもに山岳救助などでは、民間の捜索救助隊が出動して遭難者の捜索にあたることがありますが、これは公的機関ではなく税金でまかなえないため、捜索してもらった人やその家族が、その費用を負担せねばなりません。

ここにかかわる費用の額は、捜索の規模にもよりますが、決して低い金額ではありません。捜索救助隊にはおよそ20人以上の捜索人員が投下されることが一般的ですが、1人の日当が約1~3万円(状況によっては5万円以上)となっており、これだけでもかなり高額になります。

これに加えて、捜索救助隊の経費(装備代・消耗品代・食費・ 宿泊費・交通費・通信費等)もかかってくるで、少なくとも捜索1日当たり50万円は見ておく必要があるといえるでしょう。

さらに、民間ヘリを要請した場合、民間ヘリの出動は一機最低50万円といわれていますので、民間ヘリによる捜索を行った場合の費用は、1日約100万円以上になる可能性があります。これが10日、20日と日数がかさんだ場合、捜索費用は1,000万~2,000万円となる可能性もあるわけです。とても払えない…という方がほとんどではないでしょうか。
 
 

公的機関の救助ヘリが使われることもありますが、捜索範囲が広い場合など、「ヘリが足りない」ということで、民間ヘリを出動させる場合もあります。当然、その場合の民間ヘリの代金も遭難者やその家族が払うことになるのが原則です。救助の要請者は、「公的機関のヘリを使ってよ」と言いたいところかと思いますが、使用するヘリを指定することはできないことになっています。どこのヘリが救助に向かうのかは、機体のスケジュールや事故現場の状況などを考慮して決められるのです。

■山岳保険って使える?
ここまで読んで「山岳保険が使えるのでは?」と思われる方がいるかもしれませんが、あくまで山岳保険は登山者本人の遭難・災害を補償するものです。遭難者が保険に入っていた大人であれば使える可能性がありますが、子ども自身が山岳保険に加入していない限り、子どもの捜索にかかった費用は保険ではまかなわれません。

もっとも、子ども自身が救援者費用等保証特約の付された生命保険に介入していれば、子どもの捜索費用が出る可能性があります。契約内容によって異なりますが、300万円ほどの保険金が出るものが多いです。

■まとめ
以上のように、山で遭難したときの捜索費用は、民間に頼ることも多く、その場合はかなりの高額になります。数日間の捜索であっても「とても払える額ではない」ほどの金額に一気に膨らみます。子どもは時に思いもよらない行動をとることがあるので、山におもむく際は、子どもを山岳保険に加入させる、捜索費用を補償してくれる生命保険に加入しておく、といった事前準備をしておくと安心でしょう。
 
 
(篠田 恵里香)
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