死亡すると口座凍結に!?貯めた預金はどうなるの?

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人が亡くなったとき、銀行口座が凍結されるって話を聞いたことがあるけど、いつどんなタイミングで行われるの?凍結された預金はどうなるの?何故そんなことをするの?

どんなに健康でも、どんなにお金持ちでも、人はいつか必ず亡くなります。でも私たちはそういった「ネガティブな分野の準備」が得意ではありません。その結果、親が亡くなったとき、ご自身が亡くなったときに「周りの人が困る状況」にならないよう、事前に知っておき、できる対策は早めにやっておきましょう。

■死亡時の預金口座の扱いは?

人が亡くなったことを銀行が知ると、その口座は凍結され、原則として預金を引き出すことも入金することもできなくなります。また、預金の入出金だけでなく、月々の電気やガス、電話代などの口座振り替えなども止まります。文字通り『凍結』ですね。

では、銀行はどのタイミングで口座を凍結するのでしょうか?お亡くなりになった瞬間?役所に死亡届が出されたとき?お葬式が終わったタイミング?

正解は「銀行が口座名義人が亡くなったことを知ったとき」です。「役所から自動的に連絡が行くのでは?」と、誤解されている方がいますが、役所は戸籍に『死亡』と記載するだけで、金融機関に連絡したり、不動産の名義書き換えをしてくれる…といったことはありません。

では、金融機関はどのようにして「亡くなったこと」を知るのでしょうか?

答えは「遺族からの申し出」です。死亡した本人はもちろん申請できませんので、残された家族、或いはその代理人が伝えることになります。
地方の地域密着型の金融機関では、担当者が「新聞の訃報欄」で見つけたり、地域を巡回している最中に近所の方から聞いて家族に確認する、といったケースもあります。
いずれにしても、「病院・役所から銀行に自動的に連絡が行く」ということはありません。その結果、「本人はとっくに亡くなっているのに、銀行口座は引き続き公共料金の引き落とし口座として使っている」などといったケースもまれにあります。
(死亡届自体を出さずに、親の年金をそのまま受け取る…といったことは犯罪になりますので、ご注意くださいね!)

■なぜ口座は凍結されるの?

亡くなる前に病院に入院し、その入院費用がかかったり、亡くなった後には葬儀費用も必要になります。にもかかわらず、銀行はなぜ口座凍結をするのでしょうか?

亡くなった方の預貯金は、お亡くなりになったその時点から、相続財産(遺産)となります。一部の相続人が勝手に預金を引き出して、他の相続人の権利が侵害される(=モメ事になる)のを防ぐために口座凍結をします。
亡くなったことを知っているにもかかわらず、一部の方に預金を引き出せば、他の相続人から訴えられかねないですからね。

■口座凍結の解除方法は?

では、銀行が凍結してしまった口座を解除するにはどうすれば良いでしょうか?

【相続人全員で遺産分割協議を行って相続する場合】
最も多いパターンです。相続人全員が話し合い、「誰が何を相続するか」あるいは「誰かが一旦代表して受け取る」が決まれば、凍結は解除されます。

[手続きに必要な主な書類]
・亡くなった方の、生まれてからお亡くなりになるまでの連続した戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本(全部事項証明書)
・相続人全員の印鑑証明書
・相続人全員の実印が押印された銀行所定の用紙(相続届)
・通帳/カード/届出印 等※手続きに必要な書類は、各金融機関により異なります。

ポイントは「相続人全員」というところです。相続争いが発生しモメている場合や、相続人の中に行方不明の方がいる場合などは、相続人全員の実印は押せませんので長期に渡って口座が凍結されたままになります。

【法定相続分で財産を分ける場合】
続いて、遺産を法定相続分で分けることにした場合です。この場合は、通常なら遺産分割協議書は作成しませんので、それ以外の必要書類(戸籍謄本をはじめとする上記に挙げた各種書類)を提出→凍結を解除することになります。
ただし、この場合でも相続人全員の同意書や遺産分割協議書の提出を求めてくる銀行もありますので、事前に問い合わせが必要です。

【遺言書がある場合】
公正証書遺言書があり、預金の受取人と遺言執行者が決められている場合には、上記の手続きよりも比較的簡単に口座の凍結を解除することができます。

[手続きに必要な主な書類]
・遺言書
・遺言者の戸籍謄本類
・遺言執行者の印鑑証明書
※手続きに必要な書類は、各金融機関により異なります。
※この場合でも、相続人全員の同意書や遺産分割協議書の提出を求めてくる銀行もあります

■口座の入出金ができるケースもある

口座が凍結されると一切の入出金ができなくなりますが、葬儀費用のように死亡によってそれなりの金額が必要になることがあります。そうした事由については、銀行に申請することで払い出しに応じてくれるケースもあります。ただし、金融機関ごとに必要になる書類や、応じてくれる事由も異なるので、できるだけ速く口座凍結を解除できるようにしておいたほうが無難です。

■事前にできる準備

【公正証書遺言書】
ご覧いただいた通り、人が亡くなった後の銀行口座凍結を解除するには、大きな労力がかかります。大事な肉親が亡くなって悲しみに暮れているときに、このような手間は少しでも軽く済むようにしておくことが大事です。
よく、「我が家は夫婦2人で子供がいないから、相続はモメようがない」というお客様がいらっしゃいます。しかし、子どもがいない夫婦こそ危険です。仮に夫が先に亡くなった場合、ご両親に法定相続分として相続財産の1/3が、ご両親も他界されている場合は亡くなった夫の兄弟姉妹に1/4が定められています。そして、その兄弟姉妹が亡くなっている場合は「代襲相続」と言って、その子(妻から見たおい/めい)に権利が相続されます。
義理の兄弟姉妹ならまだ会話もできるかもしれませんが、会ったこともないおいやめいの連絡先を探し出し、訪問1回で実印を押してもらうことができるでしょうか?(同じことが再婚で前妻・前夫との間に子どもがいる方にも当てはまります。)
何十年間も一緒に暮らして資産を築き上げたご夫婦でも、この実印がないと預金を引き出せず、配偶者の税額軽減といった特典も受けられません。最悪の場合、「相続税を支払うために住んでいる家を売却」といった事態にもなりかねないのです。
「公正証書遺言書」は2人以上の証人が必要で、公証人役場に行く必要があり、費用も掛かりますが、相続発生時の煩雑な手続きを大きく軽減できる効果があります。

【生命保険】
もう一つ、忘れてはいけないのが生命保険です。預金や株式、不動産などは相続財産として一定の手続きを必要としますが、生命保険は「被保険者が亡くなることで支払われる受取人固有の財産」となっており、民法上は相続財産ではありません。つまり、遺産分割協議の対象外の財産なのです。
亡くなったことを連絡、必要書類を提出すれば数日で保険金が支払われる保険会社もあります。万が一、残された遺族がモメて「相続→争族」となり、遺産分割協議がまとまらないとき、葬儀代や当面の生活資金として活用できます。専門家に相談して、適切な保険商品を選び、きちんと準備しておきましょう。

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執筆者:大西 新吾
(ブロードマインド株式会社のファイナンシャルプランナー)
資産運用・保険・住宅ローン・相続対策など、
民間企業から公務員まで幅広くカバーするお金のプロフェッショナル!
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