「リアル主夫」に会った独身男性は「主夫」に憧れるか?

「リアル主夫」に会った独身男性は「主夫」に憧れるか?

「主夫志望男子」と「働き女子」のためのハッピーワークショップ

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文:麻月 保樹(CHIENOWA)

主夫についての知識はゼロ。
今回、私は「秘密結社 主夫の友」が主催する『「主夫志望男子」と「働き女子」のためのハッピーワークショップ』というイベントに参加することになった。このイベントは主夫になりたい男子と主夫がほしい女子がワークショップを通じてそれぞれの幸せのカタチを追求するというイベントだ。
そもそも主催者である「秘密結社 主夫の友」とは、政府が2020年に女性の管理職を3割にという目標を掲げているならば2020年までに男性の3割を主夫にしようというコンセプトの基にNPO法人ファザーリング・ジャパンに所属する主夫で結成された団体であり、男性の家事育児参画を促進する活動を多方面にわたり展開している。
事前に記しておくと、私は主夫について全く考えたこともなく、正しくは知識がなく、さらには自分が主夫になるとは到底想像できていない独身男性だ。一応、事前に「主夫」を辞書で調べてみると「家庭にあって、家事・育児などを担う夫。ハウスハズバンドとも言う。」と出てきたが、意味もよくわからない。
そんな私が今回のハッピーワークショップへ参加する経緯としては、上司から「主夫はこれからクローズアップされる存在になっていくはずだし、何よりモテるらしいという根拠のない噂があるから確かめて来い」と言われたから、ただそれだけである。しかし、モテると言われたところで私にはそれほどの興味はないのだが、サラリーマンとして上司からの指示に逆らうことはできず、渋々参加することになった。もちろんであるが、私自身において下心は一切ないと断言する。

主夫活動には「制度・風土・意識」が必要。
ワークショップは10月30日(金)19時から、四谷三丁目の株式会社ポプラ社で開催された。当日はいつもより身だしなみに気を配り、わたしなりに髪型も主夫っぽさを意識し、演出してみた。もちろん社会人として、否、参加者としてのマナーを重んじただけであって、主夫としてモテたいためではない。この時点でも下心などは皆無だ。

会場に到着すると「秘密結社 主夫の友」のメンバーの方々が温かく迎えてくれた。普段から子どもと接しているからだろうか、皆さん本当に優しい雰囲気をお持ちである。
なお、今回のワークショップは、第1部「リアル主夫家庭によるトークライブ」、第2部「慶應大学SDMハッピーワークショップ」の2部構成で展開される。
第1部「リアル主夫家庭によるトークライブ」では、冒頭に秘密結社 主夫の友CEO堀込タイゾー氏から秘密結社 主夫の会の取り組みについて説明を受けた。

掘込タイゾー氏いわく、主夫活動を続けていくにあたり重要な3つの事項があり、それが「制度・風土・意識」であるとのこと。制度については昨今の社会的背景を踏まえて改善されてきており、風土についても徐々に変革は見える。ただし、意識についてはまだまだ変わっておらず、2009年に内閣府が行った調査では男が仕事、女は家庭と考える人が未だに4割以上もいるとのことだった。
ここまでの話を聞いて、私の正直な意見(感想)としては、「主夫の会」だからなのかも知れないが、別に主夫に拘る必要があるのか、「主夫ではなく主婦でもいいのではないか?」と一抹の疑問が生まれた。
しかし、掘込タイゾー氏は秘密結社 主夫の会の本当の目的は主夫を増やすことではなく、選択肢を増やすことであり、男性・女性どちらが育児をしてもいい、状況に応じて柔軟に生きられる社会を作ることだと、私の疑問に対してその場で回答いただき、私は秘密結社 主夫の友に対して好感を持つとともに主夫に対して興味を持つことができた。

「専業主夫」と「兼業主夫」。
続いて、リアル主夫家庭(修一さん&きよ子さん)のトークライブが始まった。修一さんは体調不良から仕事に支障がでてしまい、専業主夫の道に入っていったとのこと。当時(17年前)は主夫に対しての世間の理解も乏しく、かなり冷遇されており、スーパーに買い物に行く時もスーツを着るなど大変な思いもされたようだ。そう考えると前述の掘込タイゾー氏の言うとおり、現代は制度と風土は徐々に構築されつつあるのだろう。

また修一さん&きよ子さんのトークを拝聴するに、家族で決めて主夫を選択したというエピソードは非常に興味深かった。単純に仕事をしたくないから主夫がしたいとかではなく、あくまでも家族優先の考えから今の選択があるとのことに少し感動を覚えた。
なお、今回のトークライブでの新たな発見としては、主夫といっても専業主夫ではなく、仕事をしながらの兼業主夫もいるということだ。兼業主夫については、家事育児への参画が普通の夫とどのくらい違うのかは、機会があれば聞いてみたいと思う。
ちなみに、ここまでのトークライブで主夫がモテるとのエピソードは全くなかったが、第2部に期待したいと思った。

幸福学と主夫。
第2部の「慶應大学SDMハッピーワークショップ」は、慶應義塾大学大学院教授の前野隆司氏による「幸福学」についてのワークショップが実施された。前野氏曰く、幸福学の基礎は以下2つであるとのこと。
『地位財型の幸せ=長続きしない』 ―地位財=他人と比べられる財(金、モノ、社会的地位)
『非地位財型の幸せ=長続きする』 ―安全など環境に基づくもの、健康など身体に基づくもの

さらに「非地位財型の幸せ」には心的要因(幸せの4つの因子)があり、それが以下の通りである。
1. 自己実現と成長(人生の夢や目標にしていること)
2. つながりと感謝(感謝していること)
3. 前向きと楽観(前向き・楽観的にやっていること)
4. 独立とマイペース(自分のペースでやっていること)
今回は自身の考える「幸せの4つの因子」について、グループにて発表を行った。なお「主夫の友」の顧問である白河桃子氏によると、このワークショップは、各自の肩書などでなく個人の思考を早い段階で共有し、主夫になりたい男性と主夫を求める女性の親睦を深める意図があるとのことだった。わたしは俄然やる気を出した、ここからが本番だと改めて気を引き締めた。ちなみに私の「幸せの4つの因子」は以下の通りだ。
1. 自己実現と成長(人生の夢や目標にしていること)
  ― 平穏な暮らしを目標にしています。
2. つながりと感謝(感謝していること)
  ― 祖母からの溺愛に感謝しています。
3. 前向きと楽観(前向き・楽観的にやっていること)
  ― 仕事全般は常に楽観的にやっています。
4. 独立とマイペース(自分のペースでやっていること)
  ― 休日はマイペースに過ごしています。
こう改めて見返してみると、非常に主夫寄りなマインドを既に保有しているのではないかと自分でも驚く。もちろん、狙っているわけではない。偶然だ。

なお、グループメンバーは全6名(男性3名・女性3名)で、実際に話をしてみると、私と同様に主夫に対して興味がある程度の感覚だと思われた。女性たちからは、相手側が主夫をやりたいのなら止めはしないし、家族で決めていければいいと思うと、もっともな回答が返ってきた。わたしも聞かれたらそのように答えるし、実際にそう思う。

「秘密結社 主夫の友」を通じて、まずは主夫の友に。
今回のトークライブやワークショップを通じて、主夫に対する社会的な理解はまだまだ乏しく、これから様々な発信や取組みが必要なのだと思い、少なくとも現状における女性の更なる社会進出においては主夫の存在は必要不可欠と感じた。
また、主夫といってもそれぞれの家庭に合わせて形があり、育児や家事の担当範囲も家庭内での役割分担があるのだと感じ、今後も秘密結社 主夫の友の取組みを通じて主夫に対する理解が醸成されていってほしいと思う。もちろん、機会があれば秘密結社 主夫の友の活動には積極的に参加していく所存だ。
なお、主夫がモテるかどうかについては、最後まで確認できなかったが、おそらく主夫以前に私個人に問題があるのだろう。

イベント情報

「主夫志望男子」と「働き女子」のためのハッピーワークショップ

【日時】2015年10月30日(金)19:00~21:30
【場所】ポプラ社(東京都新宿区大京町22-1)
【協力】慶應義塾大学SDM研究科ヒューマンラボ ハッピーワークショップ/ポプラ社/NPO法人ファザーリングジャパン
プロフィール

麻月保樹(あさつき やすき)
クレディセゾン 営業企画部プロモーション戦略グループに所属。ワークライフバランスを強く意識する35歳独身男性。

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