天才ピアニスト辻井伸行さん。彼を全力で支えた母の強さのヒミツとは?

天才ピアニスト辻井伸行さん。彼を全力で支えた母の強さのヒミツとは?

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出典:『今日の風、なに色?CDブック』より

「何でこんなこともできないの?」「ママの何がいけないの?」
子育てをしていれば、子どもにイライラしてしまったり、親としての自信を無くしてしまったりするときってありますよね。

世界を舞台に活躍する天才ピアニスト、辻井伸行さん。彼の華々しい成功の裏には、一度は育児に絶望しながらも、息子の才能を信じ全力で支え続けた母いつ子さんの存在がありました。

いつ子さんが不安や悲しみを乗り越え、前向きに育児に向き合えたワケとは…? ママプレス編集部が実際にお話を伺ってみました!

天才ピアニスト、辻井伸行さん

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出典:『今日の風、なに色?CDブック』より

2009年にアメリカで行われた『ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール』で日本人として初めて優勝し、一躍有名になった辻井伸行さん。その後も、目が見えないというハンデをものともせず、世界中の演奏会に参加し全世界の人を魅了し続けています。

息子の才能を信じ二人三脚で歩んできた母いつ子さん

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息子の伸行さんが生まれてすぐに“目が見えない”とわかったとき、「どうして神様はこんな試練を与えるのか…」と絶望したいつ子さん。不安と悲しみでいっぱいの中でも、息子の可能性を信じ、常に前向きに育児に奮闘してきました。
そんないつ子さんの“母としての強さ”のヒミツを探ってみました。

伸行の人生は“不便”ではあるけれど、決して“不幸”ではない

Q:育児の不安や絶望を乗り越えてこられた辻井さんにとって、息子の伸行さんはどんな存在ですか?

月並みな言葉ですが、私にとって伸行は『宝物』です。
彼がいることで私が生かされている。彼が生まれてきてくれたおかげで私の人生は輝きを増したと思います。
私が伸行を育てた…というより、伸行に私が育てられたんです。

Q:2016年7月発売の『今日の風、なに色? CDブック』の中で、“伸行が視覚障害を持っているとわかったとき、絶望して涙々の毎日だった”と綴っていますが、そこから前向きに子育てに向き合えたきっかけは何だったんでしょうか?

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出典:『今日の風、なに色?CDブック』より

作家の福澤美和さんとの出会いです。彼女と出会ったことで、“伸行の人生は不便ではあるけれど、決して不幸ではない”ということに気づけました。

伸行の目が見えないとわかり、「彼はこれからの人生、幸せになれるのだろうか…」と落ち込んでいたとき、同じく視覚障害を持つ福澤さんの本に出会い、目が見えないというハンデをものともせず、イキイキと人生を謳歌する姿に感銘を受けました。

福澤さんと交流を持つようになって、お花見にでかけたときのことです。「こんなにきれいな桜を伸行は見ることができないなんてかわいそう」という私の言葉に対し、福澤さんはこう言いました。
「確かに見ることはできない。でも触ったり、匂いをかいだりして“感じる”ことはできるのよ」と。
その瞬間、私が勝手に息子を“かわいそう”と決めつけてしまっていたことにハッとさせられたんです。

子どもが発するどんな小さなシグナルも見逃さないこと―そこにはその子の個性や才能があふれている

Q:辻井さんのように、子どもの才能に気づき、それを伸ばしてあげるにはどうすればよいのでしょうか?

子どもたちの一挙一動をよくよく観察して、どんな小さなシグナルも見逃さないこと…でしょうか。

私が伸行の音楽の才能に気がつけたのも、彼の些細なシグナルがきっかけでした。伸行がまだ8ヶ月の頃、お気に入りのピアノのCDがあって、毎日聴きすぎたせいでCDに傷がついて、音が飛ぶようになってしまったんです。そこで、新しいCDを買ってきて伸行に聴かせてみたら、全く反応がない。あれ…?と思ってCDをよく見たら、前のCDと演奏家が違ったんです。
その時、「この子は演奏家の違いを聴き分ける耳を持っているのかもしれない。この子が音楽を好きなら全力で応援していこう」と決意しました。

子ども=自分の作品ではなく、1人の対等な人間として認めてあげて

Q:子育てに悩むママに向けて、メッセージをお願いします。

よく、「子どもを良い学校に入れる=親がすばらしい」だとか「自分がこんなに優秀なのに、どうして子どもはできないの!?」と、子どもを“自分の作品”のように勘違いしているのではないかと感じる親御さんがいらっしゃいます。

そういう考え方をしてしまうと、子どもにイライラしてあたってしまって、ママも子どももハッピーではありませんよね。子どもを1人の対等な人間として認め、その子の良さや個性と真摯に向き合ってあげてほしい…そう思います。

いつ子さんの子育ての感動の記録『今日の風、なに色? CDブック』

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今年の7月に発売された『今日の風、なに色?  CDブック』は、伸行さんがクラシックの名曲と自作曲計10曲を演奏したCDと、母いつ子さんが、それぞれの曲にまつわる感動エピソードや、伸行さんの誕生から天才ピアニストになるまでを文章で綴った、まさに親子二人三脚で作り上げた1冊。

付属CDの1曲目『今日の風、なに色?』は、伸行さんが母いつ子さんのために作った曲で、本書がCD初収録だそうです!

クラシックファンだけではなく、子育てをがんばるママにもぜひ読んでもらいたい一冊です。

『今日の風、なに色? CDブック』

ピアノ:辻井伸行
文:辻井いつ子
出版社:株式会社アスコム
定価:1,500円(税抜)

プロフィール

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出典:『今日の風、なに色?CDブック』より

辻井いつ子さん

1960年、東京出身。大学卒業後フリーアナウンサーとして活躍。長男の伸行さんが全盲とわかり一度は育児に絶望しながらも、“明るく、楽しく、あきらめない”をモットーに息子と二人三脚で歩んできた。TBSラジオ『ミキハウスpresents辻井いつ子の今日の風、なに色?』ではパーソナリティを務め、ゲストを交えて育児について発信している。

辻井伸行さん

1988年、東京出身。2009年アメリカで行われた『第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール』で日本初優勝という快挙を達成。その後も、イギリス最大の音楽祭『プロムス』で絶賛されるなど国際的に活躍中。作曲家としても注目されていて、映画『神様のカルテ』で『第21回日本映画批評家大賞』を受賞するなど活躍の幅を広げている。

写真/写真全て『今日の風、なに色?CDブック』より、アスコム提供

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