震災離婚を経て専業主婦からの出発。子育て期の女性をサポートする会社代表【100人100色】

震災離婚を経て専業主婦からの出発。子育て期の女性をサポートする会社代表【100人100色】

個人事業主・41歳・未婚

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いろんな女性の働く・暮らすを知ること『100人100色』 Vol.39

それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回は東京都渋谷区在住の会社代表、倉島麗香(41)さんをご紹介します。東日本大震災をきっかけに離婚を経験し、母ひとり子ひとりでゼロからのスタート。現在はCreative Living LAB代表として、子育て中の母親視点から企業のマーケティング活動を支援する事業を展開しています。現在12歳になる息子さんとともに乗り越えた人生の壁、そして現在のキャリアとこれからの道を語っていただきました。
現在のお住まいについて教えてください。
東京都渋谷区恵比寿に住んでいます。以前は埼玉に住んでいましたが、仕事の打ち合わせは都内が多く、通勤に時間がかかっていました。私は子育てしながら仕事をしていますので、少しの隙間時間も無駄にしたくない。また朝の脳が冴えている時間を通勤に充てるのがとてももったいないと思い、朝をクリエイティブな時間に充てるためにも都心に引っ越しました。

また、子育て期の女性のマーケティングを得意としており、日々、ママたちに触れ合うことは多いのですが、やはり、この先結婚してママとなるであろう若い女性の生態を知ることもとても大切だと考えています。大人の街と言われる恵比寿に集まる若い女性の人間ウォッチは、新しいニーズを知ることができて、とても刺激を受けます。
これまでの仕事の道のりについて教えてください。
証券会社にて金融機関、上場企業向けの法人営業に携わりました。その後金融情報センターを立ち上げ、ニーズに合わせた市場や経済の情報提供を行ったり、営業企画を任され、マーケティングによる販売促進手法を社内に取り入れたりしました。

その後結婚し退職、元夫の仕事の都合でアメリカへ転勤があり、子どもも生まれて専業主婦としてアメリカで生活をしていました。テーブルコーディネートを学び、帰国後に自宅で教室を主宰しました。しかし子育ては楽しいけれど、社会と断絶され「今、自分が死んでも社会は何も変わらない」と悲観し孤独感を強く感じる日々でした。

そんな時に東日本大震災で被災したのです。当時福島に住んでいた私は子どもと避難し、それをきっかけに震災離婚しました。明日の心配もしなければならない状態となり、専業主婦だった私は再就職にも苦労し、泣いてばかりの日々でした。しかし「将来を憂うのではなく、今日楽しければいいでないか」と半ばヤケになってテーブルコーディネートの教室を再開し、自分のスキルでお金を稼ぐというを経験を経て、再就職を叶えました。

テーブルコーディネート教室を実施しているところ
再就職に苦労した自身の経験、また子育て期の女性の閉塞感を目の当たりにし、子育て期の女性の就業を応援する事業会社を経て2015年3月に独立しました。現在は「ママのはたらくインフォメーション」、「Women’s Intelligence」を立ち上げ、子育て期の女性と企業との融合の機会を提供しながら、社会や経済に興味を持つきっかけづくりを行っています。また毎日の食卓からグローバルなコミュニケーションができる人材育成のため、テーブルコーディネーターとしても活動。個人・企業の食空間プロデュースや講師としての活動も行っています。

これまでで一番忘れられない人生のエピソードをお聞かせください。
子どもが産まれてアメリカで生活をしていた頃、日本にいる母が危篤との知らせを受け、生後9ヶ月の息子と一緒に急遽帰国することに。ただ、住んでいた場所から日本へ帰る飛行機に乗るための空港まで行く直行便がなかった時代で、まずアメリカ国内で国内線を乗り継ぐ必要がありました。息子も体調を崩しており、飛行機の中で何回も嘔吐し着替えなければいけないような状態で、荷物も多く精神的にも参っていました。乗り換えの時、息子を抱っこしながらスーツケースと大きなバッグとベビーカーをピックアップしなければならず、危篤の母への思いも重なって、思わず空港ロビーで映画のように「Please,Help ME!!!!」と大きな声で叫びました(笑)。
しかし、それまで誰も気付いてくれなかったのに、声を上げることによって沢山の国の方が集まり、荷物を持って次の搭乗手続きを助けてくれました。その時に「思っているだけでは誰も気づかない、困っているときは素直に助けてと声を上げることが大事だ」と気づかされました。その経験から、仕事においても社会と断絶され、声を上げられない子育て期の女性の声なき声を拾い、社会に伝えていきたいと思い、今の事業を行っています。
これまでに仕事でぶつかった壁はありますか?
ある事業を全国展開するために全国に出張しなければならなかったのですが、当時、子どもと二人で暮らしていたため「小学生の息子の面倒は誰が見るのか?」「全国展開をあきらめるべきなのか?」と悩んだことがありました。未就学児をもつ専業主婦のママ友に相談したら、「私は今子どもが小さいから、バリバリ外で働くことはできないけれど、外で頑張る麗香ちゃんの手伝いをすることはできるよ」といって、私が帰宅するまで、息子を預かっていてくれたことがありました。子育て期のママにはどうしても家庭の都合でしたくてもできないことがあるけれど、それを憂うのではなく、では自分が今できることはなんだろうと考え、手を差し伸べてくれたママ友に今でも感謝しています。また、北海道が日帰りで出張できるということも初めて知りました(笑)。
あなたにとって「働く」こととはなんですか?
東日本大震災の時に痛感したのですが、子どもを守るために避難してきたはずなのに、仕事がなければ子どもを守ることもできない。逆に、お金を稼ぐことができれば、子どもだけでなく、自分の行きたい道や夢を叶えることができる。そして、その仕事が社会問題を解決するものであれば、将来を担う子どもたちが生きやすい社会を作っていくこともできると気づきました。
私にとって仕事とは与えられるものではなく、消費者と企業のニーズの融合点を探り、社会問題の解決を行っていくことです。そして「働く」とは、子どもや自分が叶えたい未来を実現するための手段ですね。

「働きかた」に関するイベントでの登壇
働いている時の倉島さんを「色」にたとえると?
ラベンダー色。子育て期の女性の悩みを受け止め、次のきっかけをつくれるような癒やしと包容力の色ですね。ピンクを目指していますが、やはり、社会の現実をお伝えする部分ではそこに厳しさも伝えなければいけない場面もでてきます。癒やしの存在でありながら、社会や仕事の厳しさも知ってもらい導けるような、ピンクより少し凛としてしなやかなラベンダー色をめざしています。
これからチャレンジしたいことはありますか?
現在、関わっているプロジェクトの一つに外国人のスタッフによる家事代行サービスの日本への普及という事業があります。そこで外国人スタッフと接する機会がとても多いのですが、英語でもっと意思疎通ができればなと思うことがあります。以前にアメリカで生活をしていたこともありましたが、日常生活レベルでしたので、ビジネスでも通用するようなビジネス英語を学びたいと思っています。グローバルな視点や意見を受け入れることにより、自分の常識がいつも正解ではなく、新しい常識を作っていきたいと考えています。
また、いくつになっても、新しいことにチャレンジできる積極性と体力を保っていきたいです。歳を取るたびに守りに入り、今あることで満足してしまいがちですが、いつでも新しいことにチャンレジして、いつからでもスタートできるという背中を息子に見せることが、私が子どもにできる最大の教育だと思っています。とは思いつつも、体力に自信がなくなってきたので、まずは体力づくりからと最近ジム通いを再開しました。
自分の人生で一番大切にしていることはなんですか?
受け入れるということです。赤ちゃんでも子どもでも、泣くのは何か理由があるから。
仕事においても、自分の常識だけでは理解することができないものが沢山ありますが、それらを批判するのではなく「なぜそのように考えたか」「なぜそのように行動したのか」を、相手の目線に立って考えるようにしています。

そしていつも自分の常識を超えて新しい気づきや発見ができる柔軟さと好奇心を持っていたいと思っています。仕事においても自分のやりたいことを押し通すのではなく、相手のニーズを聞き、私ができることは何かを探るスタンスをいつも取っています。自分も相手もいつもWin-winの関係で、同じ目的に向かって仕事をしていきたいです。自分がした行動一つ一つに意味をもたせ、無駄なことは何もないと考えています。そうすると失敗も失敗と考えずに学びと捉えることができ、次へつなげることができます。将来どうしたらいいかわからないとか、何かにぶつかって出口がみえなくなることもありますが、目の前のやるべきことを一つ一つこなしていたら必ず何かにつながるし、糧になると思っています。
様々なピンチを経験してきた結果、今ではピンチは自分が変わる最大のチャンスで、ピンチがくると「次はどんな自分になれるんだろう」と思ってワクワクするようになりました。

2万人集めたJAPAN FAMILY FESTIVAL「ママのはたらくインフォメーション」でイベントプロデューサーの仲間と
息抜きやストレス発散の方法を教えてください。
パナソニックの骨盤マッサージャー。マッサージにいかなくても自宅で骨盤のマッサージをしてくれるので沢山歩いた日など最適。また、1週間に一度はマッサージに行き、体をほぐし、リラックスする時間をつくり、自分の体と向き合うようにしています。

また、息抜きは、深くため息をつくこと。いろいろと体にためやすい体質のため、意識的にため息をつき、緊張感や心のもやもやを体から逃すようにしています。あまりにも深いため息のため、周りの人には「どうしたの?」とびっくりされることもあります。ため息は周りの人に悪いイメージを持たれてしまうこともありますが、私にとってのストレス発散方法がため息だとそのたびに周りの方にも説明し、理解していただいています(笑)。
だからこそ、他人の常識は自分の常識には当てはまらないこともあると、お互いの融合ポイントをさがし、他人を理解するよう心がけています。
悩みごと、困りごとはありますか?
大好きな息子が思春期に差しかかり、一緒に出かけてくれなくなってきたこと。ディズニーランドにも付き合ってくれません(笑)。家の中では優しいのですが、人前では母親と一緒なのを嫌がるようになりました。息子は最後の恋人というくらい可愛いのに、寂しいばかり。今後ますます親離れが進んでいくと思うと、ちょっと寂しくなりますね。
生活の中でのこだわりや、お気に入りを教えてください。
お祝いの日に自宅でテーブルコーディネートして家族で食卓を囲むこと。子どもに食事のマナーを教える機会にもなります。「子どもが騒ぐからいいレストランに連れていけない」「新幹線に乗せることができない」ではなく、まずは体験をさせ、親がマナーを教える機会を設けることが大事。子供も大人と同じ扱いをし、ワイングラスやガラス食器も使わせ、本物に触れる機会をつくります。また、子供のうちに沢山の経験や五感に触れることが脳のシナプスを繋ぐこととなるので、世界の料理の味を体験させています。また、そういう機会からコミュニケーションを学び、グローバルな人材になって欲しいと思っています。
幸せだと思う時間や瞬間はどんなときですか?
寝る前に布団の中で今日の良かったことを一つあげることを日課としています。良かったことを思い出し、明日もいい日にしようと眠りにつく瞬間が幸せです。

また、仕事で新しいマーケットのニーズを把握するために、マーケットのデータを見ながら腕組みし市場観察をしているとき、新しい法則性を見つけた時にも幸せを感じますね。
それから待ち合わせの時、息子が私を見つけて、笑顔で全速力で駆け寄ってきてくれる瞬間はなにものにも代えがたいですね。
「子育て期の女性の悩みを受け止めたい」という倉島さんの想い。幼い子どもを抱えて離婚し、専業主婦の状態から再出発をしなければならなかった倉島さん自らの体験が、その想いをより一層強くしているのかもしれません。「働くとは、子どもや自分が叶えたい未来を実現するための手段ですね」という言葉には、仕事にも育児にも真摯な倉島さんの、経験に裏打ちされた重みを感じさせます。

いろんな女性の働く・暮らすを知ること 『100人100色』は、SAISON CHIENOWAとケノコトとの共同記事です。

「日常の食のコト」で暮らしを楽しくするライフスタイルマガジン
ケノコト
倉島さんのお仕事関連のサイトこちら
Creative Living LAB facebookページ  
https://www.facebook.com/crelivi/

テーブルコーディネーターブログ
http://ameblo.jp/pucci10/

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