「誰もが自分を癒やす力を持っている」悩みを抱える親子の心に寄り添う臨床心理士【100人100色】

「誰もが自分を癒やす力を持っている」悩みを抱える親子の心に寄り添う臨床心理士【100人100色】

臨床心理士・41歳・未婚

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いろんな女性の働く・暮らすを知ること『100人100色』 Vol.28

それぞれの立場、個々の考え方によって「働く」ことへのスタンスは異なります。正解なんてありません。
「100人100色」では、100人の「働く女性」に登場いただき、等身大の姿を語っていただきます。年齢、環境、キャリア全ての背景が異なる人たちの100とおりの『想いや生き方』の中に、きっとあなた自身にとってのヒントが見えてくるはずです。

今回は東京都世田谷区在住の坂野由美子さん(41)をご紹介します。
学校での問題に悩む子どもや、子育てのさまざまな局面に悩むママ。心に悩みを抱えたときに、心を許して話せる場があったら……そんな風に考える人も多いのではないでしょうか。坂野さんは臨床心理士として、さまざまな場で悩める親子に手を差し伸べてきました。英語力を活かして異文化不適応の子どもへのカウンセリングを行うなど、活動の場を広げる坂野さんの仕事への思いを語っていただきました。
臨床心理士として活躍中の坂野さん。これまでの仕事の道のりについて教えてください。

大学・大学院で心理学を学び、20代で「臨床心理士」の資格を取りました。当時はまだマイナーな仕事で、誰も「臨床心理士」という名前すら知らない時代でした。
社会的な地位もなく、経験を積むためにも、いろんな場で非常勤の仕事を掛け持ちして働きました。区の教育相談、小児科、保健所と、さまざまな場で、さまざまな年齢の親子と出会いました。今思うと、その経験はとても役に立っています。
30代では、外国人家族のためのカウンセリングセンターに関わり、異文化不適応や英語でのカウンセリングにも挑戦しました。私自身、幼少時に10年ほど父の仕事の関係でアメリカに暮らした経験があり、海外帰国子女なんです。だからこれは、その時の経験と仕事を合わせた試みですね。
現在は、東京都の幼稚園から高校までの私立一貫校に勤め、英語でカウンセリングの必要な生徒のケアも含めて学校臨床に従事しています。


2年前より東京・神楽坂にて、火曜日限定で子どものこと・家族のことで悩んでいるママのための相談室「TherapyRoomこころん神楽坂」を開業しました。相談室には、家族の問題を抱えるママ、不登校を抱えるママ、思春期の課題に悩むママなど、我が子のために、そして我が子を通して自分自身も成長しようと頑張っているママが来てくれています。最近は思春期の子どもを抱えるママ向けの思春期講座なども定期的に開催しています。

「TherapyRoomこころん神楽坂」の相談室
これまでで一番忘れられない仕事のエピソードをお聞かせください。

駆け出しの頃に、かなり深刻なケースのカウンセリングを担当していました。私自身がまだ大学院卒業したての青二才だったので(笑)、クライアントさんの心の揺れに一緒にぐらぐらと揺れながらのセッションの連続でした。


その時、忘れられなかったのは私が所属する職場のサポートです。通常自分が担当するケースは自分で責任を持って対応するのですが、このときに、私のカウンセリング技術のサポートを諸先輩が、私の心のサポートを同僚が、そして、それを組織として上司が見守ってくれました。このケースを通して、自分の実力でなんだって頑張れば乗り越えられると過信していた私は、どんなことも自分ひとりの力ではないということ、ひとりでやらなくてもよいということを学ばせてもらい、感謝の気持ちでいっぱいでした。それからは、どの職場でも常にいろんな人の力を借りて仕事ができていることを意識するようにしています。
これまでにぶつかった人生の壁はありますか?

30歳の時に離婚を経験しました。親子や家族関係の専門家でもあるのに自分自身はうまくいかなかった……と当時はとても自信をなくし、周囲の反応ばかり気にしてしまう時期もありました。この頃は仕事も将来のことも不安で仕方がなかったですね。
でも、家族や友人がどんな私でもそのまま受け入れてくれたことで、不安いっぱいで情けない自分を初めて受け入れることができました。大切な人を失った悲しさと向き合う時間もたくさんもらいました。人に心尽くしてサポートしてもらう体験を経たおかげで、本当の意味で等身大の自分を好きになりました。不思議と仕事もどんどんチャンスが増え、プライベートにも転機が訪れました。セラピーは以前に比べて幅も広がっていったし、何より、セラピストとして心を平穏に保つ力もつきました。今があるのは、あの時の体験と時間のおかげかもしれません。

カウンセリングでは、まずは笑顔で接することを心がけている

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