【医師監修】早期・前期破水の違いとは? 破水の原因と症状

【医師監修】早期・前期破水の違いとは? 破水の原因と症状

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「破水」と聞くと“羊水が突然あふれ出す”というイメージを持つ人も多いはず。しかし破水といっても、その程度、症状は様々です。漠然したイメージを持ってはいるけれども、実はよく知らない、というママのために、破水の種類と、症状、その原因についてまとめてみました。







この記事の監修ドクター

産婦人科医 巷岡彩子先生

産婦人科専門医、医学博士。都内の大学病院やクリニックでの勤務を経て、現在、不妊治療専門の産婦人科クリニックにて勤務。

ママドクターとして育児や家事と仕事を両立しながら活躍中。

女医プラス所属

破水とは

妊娠すると、お腹の中にいる赤ちゃんは、羊膜、絨毛膜、脱落膜の3つの膜からなる卵膜に包まれ、羊水中に浮かんだような状態で成長します。「破水」とは、この赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れ、羊水が外に流出することを指します。多くの場合は、陣痛により子宮口が全開大し、その後破水します。そして破水により、さらに陣痛が強まり、分娩へと繋がります。

羊水は、アンモニア臭がする尿とは異なり、生臭いような臭いがします。また、破水によって出てくる羊水の量にも、個人差があり、少量ずつの場合もあれば、大量に出る場合もあります。少量の場合は、尿漏れと勘違いしやすいですが、破水による羊水は意識的に止めることが出来ず自然に流れて来ます。
破水の種類と違い

破水は、どのタイミングに起こるかで、いくつかに分類されます。破水が早いタイミングで起こってしまうと、ママや赤ちゃんにも感染が及ぶ恐れがあります。妊娠後期になると尿漏れも多くなるため、破水か尿漏れか分からない時は、受診して診てもらうようにしましょう。
適時破水
「適時破水」とは、陣痛が来て、子宮口が最大10センチと全開となってから、破水が起こることです。破水の後は、陣痛が強まって分娩が促されますが、まれに赤ちゃんの臍の緒が圧迫されて陣痛時に徐脈が出ることもあります。
早期破水
子宮口が全開する前に破水することを「早期破水」といいます。早期破水は、分娩が始まっていますからほとんどの場合はそのまま出産となります。しかし破水して卵膜が破れると無菌状態だった子宮内、赤ちゃんに感染の恐れが出てきますので、抗生剤を使用するなど、注意してみていく必要があります。
前期破水
「前期破水」は、妊婦さんのおよそ10人に1人から2人が経験するといわれていて、珍しいものではありません。陣痛が起こり、分娩が始まっている状態の早期破水とは異なり、前期破水は陣痛もなく、分娩も始まっていない状態です。破水の後、陣痛がなかなか始まらず、子宮内感染、赤ちゃんにも感染が及ぶリスクが高まります。

妊娠37週目以降では前期破水が起こっても、赤ちゃんの大半は成熟しているため、抗菌薬で感染予防をした上で、陣痛が始まるのを待ちます。ほとんどの場合、24時間以内には陣痛が始まり、分娩となりますが、陣痛が自然にこなかった場合は、陣痛促進薬を用いて分娩を促すようにします。

妊娠37週目以前の前期破水は、「プレタームプロム」(preterm PROM:premature rupture of the membranes)と呼ばれ、赤ちゃんが未熟なままで生まれてきてしまう可能性があるため、特に注意が必要とされています。赤ちゃんがママのお腹の中で成長し続けられるように、感染予防のための抗生物質を投与したり、陣痛が起こって、分娩が始まらないように子宮収縮を抑える薬を投与しながら、入院安静で慎重に経過をみていきます。状況により、感染を避けるために分娩を進める事もあります。

高位破水
お腹にいる赤ちゃんを包んでいる卵膜のどの場所が破れたかどうかで、流れ出てくる羊水の量が異なります。破水には、一度に大量に羊水が流れ出る「完全破水」と少量ずつ流れ出る「高位破水」の2つがあります。通常の破水は、子宮口付近にある卵膜の下側が破れますが、それとは反対に、高位破水は、子宮口付近ではなく、子宮口より遠くにある卵膜が破れます。子宮の奥の方で破水し、少量ずつ羊水が流れ出るため、たとえ破水をしても尿漏れと勘違いしてしまいがちです。
遅滞破水
「遅延破水」とは、子宮口が全開したにも関わらず、卵膜が破れずになかなか破水が起こらないことです。破水が起こらない状態が続くと、分娩が長引き「常位胎盤早期剥離」にもつながることがありますので、一般的には人工破膜といって介助者が破膜(卵膜を破ること)します。
破水の原因

正産期である妊娠37週~41週末に、陣痛が発来し、子宮口が全開した後の「適時破水」であれば、特別な原因などはなく、心配はありません。ここでは、適時破水以外に考えられる破水の原因をご紹介します。
前期破水 / 早期破水の原因
・感染症や性病

・頸管が弱い(子宮頸管無力症、子宮頸部円錐切除術の既往など)

・子宮内の圧力増加 (羊水過多症、多胎妊娠、胎位異常など)

・妊娠中の無理な性行為

・喫煙

破水の中でも、陣痛が起こる前に破水してしまう「前期破水」は特に注意が必要です。前期破水で最も多い原因といわれているのが、B群溶連菌、淋菌、クラミジアなどの感染症や性病による「絨毛膜羊膜炎」です。絨毛膜羊膜炎とは、細菌によって膣内で炎症が起き、その影響で赤ちゃんを包んでいる卵膜の近くにある子宮頸管も炎症を起こしてしまうことです。絨毛膜羊膜炎になると、卵膜がダメージを受けやすい状態になり、卵膜が破れて破水してしまう可能性が高くなります。

絨毛膜羊膜炎の他にも、陣痛が始まっていないにも関わらず子宮口が開いてきてしまう「子宮頸管無力症」、子宮頸がんなどで子宮膣部を円錐状に切り取る「子宮頸部円錐切除術」の経験があると、子宮頸管が弱く、前期破水を引き起こしてしまいます。

その他に、双子や三つ子など2人以上の赤ちゃんを同時に妊娠する「多胎妊娠」、子宮内の羊水の量が800ml以上になる「羊水過多症」、子宮内の赤ちゃんの位置に異常が見られる「胎位異常」などによって子宮内の圧力が増加すると、卵膜が破れやすく前期破水の原因となります。

遅滞破水の原因
・陣痛が弱い

・卵膜が頑丈すぎる

・羊水過多症

卵膜があまりにも頑丈すぎてしまうと、陣痛もきて、子宮口が全開していても破水が起こりません。場合によっては、医師の判断により、人工的に破水を起こすよう処置が取られ、分娩に移行することもあります。破水が起こらず、赤ちゃんが羊膜に包まれた状態のまま生まれてくることもあります。
破水の症状

破水の症状には個人差がありますが、主な症状として以下のようなことが挙げられます。
色は透明か乳白色が多い
羊水の色は透明かもしくは乳白色です。血液と混じったりすると、薄いピンクや黄色っぽく見える事もあります。
水っぽい
粘り気があるおりものとは異なり、水っぽくサラサラとしています。
羊水特有の臭いがする
羊水特有の生臭い匂いがします。
音や衝撃がある
卵膜が破ける際に“パチン”と弾けるような音や、衝撃を感じる人もいます。
「高位破水」では量が少量
特に子宮口から遠い場所の卵膜の部分が破れる「高位破水」の場合、羊水は少量ずつ流れるため、破水したことに気が付きにくい事もあります。
「完全破水」は量が大量に出る
子宮口の近くの卵膜が破れる「完全破水」の場合は、大量に羊水が流出します。
まとめ

破水時は、大量の羊水が出て、慌ててしまうこともあるかもしれませんが、まずは色や量、臭いをチェックしてみましょう。

破水の症状には個人差があります。それが破水なのか、尿漏れやおりものなのか自己判断するのは難しい事も多いです。“破水かな?”と感じた時には、病院に電話して、症状を伝えて指示を仰ぎましょう。そして、破水後は感染を予防のために、お風呂に入らないようにしましょう。

正産期に入ったら、いつ破水が起こっても不思議ではありません。破水時や陣痛時にも、優先的に対応してくれる“陣痛タクシー”などに登録しておくと安心です。破水はもうすぐ赤ちゃんが生まれるというサインですので必要以上に心配する必要はありません。事前に予備知識を入れておけば、いざという時も、落ちついて行動できるかもしれませんね。

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