SNSで話題の漫画家・さわぐちけいすけから学ぶ、「執着しない」人づき合い

SNSで話題の漫画家・さわぐちけいすけから学ぶ、「執着しない」人づき合い

2018年10月2日公開

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自身の夫婦関係を描いた漫画をTwitterにアップして話題を集めている、漫画家のさわぐちけいすけさん。ゆるく、そしてサバサバとした夫婦の様子に28万人以上の「いいね!」が集まり、フォロワー数は16万人を突破するなど、人気が高まっています。今回は、そんなさわぐちさんのコミックエッセイ『妻は他人 だから夫婦は面白い』と『人は他人 異なる思考を楽しむ工夫』をクレディセゾン社員がレビュー。一見ドライに見えるこのタイトルには、人間関係を円滑にするためのコツが詰まっていました。
夫婦で異なる考え方や価値観。穏やかに日々を過ごす方法とは?

『妻は他人 だから夫婦は面白い』

1,080
著者:さわぐち けいすけ
出版社:KADOKAWA
文:若林香織(クレディセゾン 中四国支社 営業課)
2歳の女の子のママ。時短にて勤務中。
現在私は、夫の転勤先である広島で暮らしている。穏やかな夫とかわいい子どもに恵まれ、ありがたいことに仕事も順調で、バタバタしながらも幸せな日々を送っている。しかし、そんななかでも細かい問題は起きる。子どもの病気、それに伴う看病を私と夫どちらがするか問題、家事全般の分担問題、夫の出張多すぎ問題などなど。

この本の作者であるさわぐちさんは、奥様と二人暮らし。本書では奥様との馴れ初めや、日常のエピソードが語られている。漫画なのでさらりと読め、ゆるいタッチの絵もかわいい。

夫婦の日常を描いたエッセイだから、少しくらいノロケたエピソードがあるかと思いきや、冒頭の出会いから結婚、その後の生活まで、あまりロマンチックなことは起こらない。ただただ穏やかな日常が綴られている。そんな本書だが、パートナーとのつき合い方について、とても参考になるエッセンスがちりばめられていたので、ぜひ紹介させていただきたい。
夫婦円満の秘訣は「相手が他人であることを忘れない」こと
本書のなかで、作者が知人に夫婦円満の秘訣を聞かれるエピソードがある。作者は、夫婦仲良く暮らす秘訣として、「妻は他人であるということを絶対に忘れないということだ」と話す。たとえば、夫婦として暮らしていると「妻なんだから料理くらいつくれよ」「夫なんだから生活費を全部支払って当然でしょ?」など、「相手が妻(夫)だから、〇〇を要求する権利がある」と思うことがある。作者は、この心理がケンカの原因となってしまっているのだと推測している。

たしかに、わが家にもあてはまる。わが家の家事分担は、料理全般は私、夫は皿洗い担当としている。しかし、食器の準備や片づけに明確な担当はなく、結果として妻である私がやりがちである。そこに夫の悪気はおそらく、ない。

ほかにも、娘の保育園の送迎をお願いすると、娘を保育園まで送ることはできるが、保育園で必要なもの(着替えやオムツ、食事用のエプロン)はわからないので、あらかじめ準備してほしいと言う。もしかすると私の夫は、家事全般、子どもに関することは、妻の仕事だと思っているのかもしれない。

出産後、家事の分担をどうするか話し合ってはいたが、それっきりになっているので、都度話し合いをして家事を分担することも必要かもしれないと、この本を読んであらためて思った。

お互いが他人だということを忘れない。それは決して「他人行儀になれ」ということではない。「長く関わる特別な他人だからこそ、礼節を重んじ丁寧に接したいということ」と作者は知人に語る。ケンカすることなく、結婚生活4年、つき合って7年の作者の言葉には説得力がある。
独身でも、子どもがいなくても良い。異なる価値観を認め合うことが大事
本書のなかに「生き方」という章がある。作者の友人夫婦で、子どもができない体であることが発覚し、子どもがいない人生に納得して、彼らなりの幸せな人生を送ろうと思っていた。しかし、事情を知らない近所や職場の人から「子どもはまだなの?」というプレッシャーを受け、困っているというエピソードがあった。

結婚している人は偉い、子どもがいればもっと偉いなど、人は、無意識に自分の価値観を押しつけてしまうことがある。それは特に根拠もなく、ただ自分が経験してきたからそう思うだけにすぎないのではないだろうか。

作者は、結婚したからこそ得られる幸せや、子どもがいるから得られる幸せはたしかにあるだろうと認めたうえで、しかし、「結婚や子どもを選択しないからこそ得られる幸せも当たり前にある。どの幸せもそれぞれ、本人だけが感じられるたった一つの幸せである」としている。そして、一人だろうが夫婦だろうが、もっと好きなことをしたり、意味もなく生きることを楽しんだりしやすい環境になればいいと言っている。

私も、独身時代は、ちゃんと自分に収入があって、好きなときに旅行して、たまに好きなアーティストのライブに行ければ、結婚しなくても幸せだなぁと思っていた。ただ、その後結婚し、大変だった出産を経験したことで、無意識にも「子どもを持たない人生なんて!」と思っていたかもしれないと反省した。私はたまたま結婚して子を持つことができたが、それが幸せだと他人に強要してはならない 。

この本は、これから結婚するかもしれないという人や、いま現在パートナーとの関係に悩んでいる人、一人で気ままに生きている人。多くの人にぜひ薦めたい一冊だ。
「他人に執着する必要はない」。背伸びしないコミュニケーションの取り方とは
文:岸田絵美子(クレディセゾン 戦略企画部 プロモーション戦略グループ)
2年前にクレディセゾンに転職入社。この5月からCHIENOWA編集部所属となり、リーダー業務に悪戦苦闘中。
私は昔から、他人からどう思われているのかを気にしてしまう。その結果、人から嫌われないように常に相手の顔色をうかがって行動する癖がついてしまった。そんな私に、今春から後輩がつくことになってしまったので、これは大変だ。このままだと嫌われてしまうことが怖くて注意の一つもできないかもしれない……。

後輩を育てるには、褒めることと叱ることの両方が必要だと思う。しかし、先輩と一緒に仕事をしてきたことが多い私にとって、後輩とのつき合い方は謎。慕ってくれる後輩がいたこともあるような気はするものの、相手が何を考えているかわからず、どう接して良いかわからなかった。

そんななか、私はこの漫画と出会った。この本は、漫画家・さわぐちけいすけさんによる、「人とのつき合い方」をテーマとしたコミックエッセイ。さまざまな人間関係の悩みについて、さわぐちさんならではの考え方がつまった一冊である。ゆるくてサバサバとした作者の世界観と、ズバッと核心をつく回答に引き込まれ、私はすぐに読み終えた。
結果だけでなく努力も認める。人を喜ばせる上手な褒め方
いままで私は、人を褒めるとき、物事の結果だけを褒めてきた。しかし、本書の「たまに考える褒め方の工夫」というエピソードのなかで、作者は、「人は、単純に褒められるのも嬉しいが、これまでの『選択』や『努力』を褒められるのはもっと嬉しい。『相手をよく観察する』『これまでの苦労を想像する』といった手間がかかるからこそ、余計に嬉しいのかもしれない」と語っている。

そこで私は、さっそく後輩への褒め方を変えてみた。後輩が、ある資料の作成に四苦八苦していることは知っていたので、完成した資料を見たとき、「この前注意した点、きっちり反映されているね。いいと思うよ」と伝えた。すると、後輩は照れながらもいつも以上に喜び、その姿を見て、なぜだか私自身も嬉しくなった。

そういえば私も、先輩から褒められると嬉しいだけでなく、先輩から認めてもらえたという自信につながって、スムーズに仕事を進めることができた記憶がある。

これからは、結果だけを褒めるのではなく、その結果にいたるまでの努力も認め、きちんと言葉にして褒めよう。また、後輩とのつき合いに臆病にならず、きちんと相手を観察して、相手のことを知る努力もしよう。この本を読んで、私はそんなことを思った。
「無理に合わせないでいい」。職場や学校でストレスのない人間関係を構築するコツ
また、本書ではこんなエピソードもある。作者は、とある学生からメールで相談を受けた。

「学校で突然、仲の良い子に無視されてしまいました」
「学校の友人と性格が合いません」
「学校で苦手な人がいて、つい避けてしまいます」

それに対し、作者は、「それぞれ異なった考えを持っている人が集まっているのが、『学校』という場所。ただ偶然同じ場所にいるだけの人間に、苦しい思いをしてまで執着する必要はないのでは? 自分を大切にしてくれる人の存在を見逃さないように」と語っている。

これは、学校だけでなく職場でも同じことが言えるのではないかと思う。もちろん仕事上、性格の合わない相手ともつき合う必要があるのは事実。しかし、そのような人に執着するのではなく、自分のことをちゃんと見てくれる人を大切にすればよい。

私も、人から嫌われたくないからと、無理して他人とつき合うより、まずは私のことをちゃんと見ていてくれている人を大切にしよう。そう思うと、心が少しだけ軽くなった気がした。

他人が何を考えているかわからず不安に思ったとき、その状況を楽しむ工夫が満載の本書。私のように人とのつき合いに悩んでいる方がいたら、ぜひ読んでみてほしい。さまざまな人間関係の悩みにまつわるエピソードが載っているので、自分が抱えている悩みと似た話もあるかもしれない。きっと、悩み解決のヒントも見つかるはずだ。

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