つるの剛士:第8回 出産と育児を経験して社会に戻るのは“スキルアップ”になる

つるの剛士:第8回 出産と育児を経験して社会に戻るのは“スキルアップ”になる

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全8回の連載も、とうとう最終回を迎えました。インタビュー中、奥さまやお子さんの話をするときのつるのさんは、とても愛情に満ちた表情になるのが印象的でした。
今回は、育児休業を経てお仕事復帰されたときのこと、仕事復帰を前に、不安を感じているママたちへのメッセージもいただきましたよ。


■育児休業を取ったとき、上の4人のお子さんたちはどんな反応でしたか?

とくに反応はなかったんですよね。僕がエプロン姿で送り出してるのを、当たり前という感じで見ていました。育児休業が終わったときも、それまで毎日家にいた僕がいなくなるわけだから、「パパがいなくなって寂しい」とか言ってくれるかなと期待してたんですけど、そういうのもまったくなかった(笑)。
でもあの期間は、何にも変えられないようなひとときだったと思うんです。年頃の娘たちの髪を結びながら学校の話をするなんて、世のお父さんたちはなかなかできない経験ですよね。娘たちとの関係がしっかり築けたことも、すごくよかったと思っています。これから、思春期や反抗期を迎えるだろうけど、それでも僕のところに来て悩みを打ち明けてくれたりするんじゃないかなと期待しています。

■育児休業中、娘さんたちの髪を上手に編んでいるインスタグラムが話題になっていました。髪を結ぶのは娘さんたちとの距離を縮めるためだったのですか?

僕は「育児休業ノート」というのをつけていたんですけど、そこに「父チャレ」という項目を作って、その中に「髪の毛を結えるようになる」という目標を立てたんです。子どもとの距離を縮めるため、それにママが編み込みをしてあげているのを見て「かっこいいな」と思っていたので、育児休業中にチャレンジすることにしたんです。
今の流行りがゆるふわの編み込みなんですけど、それがなかなか難しくて……。ある日、髪を結って送り出した娘が、家を出たところで髪を解いているところを見ちゃったんです(笑)。ショックでしたね~。帰ってきたときに聞いたら、「今日は体育があって、あの感じだとほどけちゃうから取った」とパパが傷つかないような言い方をしてくれたんですけど(笑)。

■育児休業中、奥さまに言われて嬉しかった言葉はなんですか?

やっぱり「ありがとう」が、一番嬉しいです。それだけでいい。その一言にどれだけ救われるか……。

家事や育児を頑張っても、誰も褒めてくれないんですよ。ずっと家の中にいるし、誰とも会わないから、「誰か褒めて!」という気持ちになって、「いいね」欲しさにインスタグラムをアップしてたんです(笑)。そんななかで、奥さんから言われる「ありがとう」は、本当に嬉しかったですね。

■2度の育児休業を経験されたなかで、つるのさんが得たものはなんですか?

「奥さんの気持ちがわかった」ということが一番大きいと思います。
奥さんの生活を経験したことで、「パパ、これやっておいて」と言われても、奥さんが求めていることがわかるし、実際にできるんです。それで、家庭が円満になるんですよ。ときには、頼まれる前に動けちゃうこともあるから、奥さんの機嫌もよくなるし、僕も楽しく仕事ができるんですよ。
僕は育児休業中の期間限定でも十分大変だったけど、奥さんはそれが日常じゃないですか。大変さを理解してくれる人が、家の中にもう一人いるのって大きいんですよ。それだけで救われる。パパの中にも「奥さんが急に怒りだしたぞ」みたいな感じで、ママが怒ってる理由がわからないという人が多いんだけど、急ではないし、ちゃんと理由があるんです。それが、育児休業の経験を通してわかるようになりました。

■育児休業を経て、お仕事に復帰されたとき、現場の雰囲気はどんな感じなんですか?

何も変わってないです。仕事の関係者には迷惑をかけましたけど、「つるの君みたいな立場で、世の中にこういったことを広めていけるのは君しかいないと思うから行っておいで」と快く送り出してくれたんです。
だからこそ、ちゃんと恩返ししないといけないなと思ったし、主婦目線で得たことを、今後の仕事に活かしたいなと思っています。
つるの剛士
■育児休暇から復帰するママたちは、いろいろな不安を抱えています。そんなママたちへつるのさんからアドバイスはありますか?

働いてるママってすごいですよね。ママが働いてるなら、パパもちゃんと手伝うべきだと思うし、そもそも「会社」が変わらなきゃいけないと思うんです。ママたちが気持ちよく復帰できる環境を整えられるよう、会社という組織自体の意識が変わっていかないと。ママたちが頑張っただけではどうしようもないことだってありますよね。
それに、ママたちも、もっと堂々としていていいと思うんです。だって、出産と育児を経験して社会に戻るというのは、完全なるスキルアップだから。
これだけのことやってきたんです!という気持ちと、その経験で得たスキルをどんどんアピールして「ほかとは違うんだぞ」というところを見せていくといいと思います。

■つるのさんが、子育てをしていく中で大切にしていること、大事だと思っていることはなんですか?

「夫婦」です。お互いを労わり、あれをしてもらっている、これをしてもらっていないとか考えるのではなく、まずは自分から「ありがとう」を伝える。それの積み重ねの先に、「子育て」があるんだと思っています。

■最後に、このコラムを読んでいるママたちへメッセージをお願いします

今夜旦那さんが帰ってきたら、ちょっと優しく「おかえりなさい」と言ってみてください。
「いつも、お疲れさま」という一言をかけてみたら、明日から何かが変わるかもしれないですよ。心からの気持ちを込めて、ぜひやってみてください。旦那さんのことが好きだという気持ちがあれば、きっとできますから。
ママの気持ちを代弁してくれている人って世の中にたくさんいるけど、パパ側の気持ちを伝える、僕みたいな人がいてもいいでしょ?(笑)
あとね、子どもたちにとっては、ママが幸せなことが一番嬉しいんです。どうしても育児が第一になっちゃうだろうし、それはとても素晴らしいことだけど、自分自身を大事にすることも忘れずに、意識してほしいなと思います。




「それぞれの家庭に、それぞれのやり方があるから」
つるのさんが考える「家族」・「夫婦」、そして「子育て」。パパとして、夫として完璧に見えるつるのさんですが、ここに至るまでに積み重ねてきた努力があったからこそ今があるのだと知ることができました。これを読んだ皆さん、次は旦那さんにいつもよりちょっと優しく「おかえりなさい」と言ってみませんか?



取材・文:上原かほり 撮影:chiai
衣装協力:ikka、KINGLY MASK
スタイリスト:佐藤慶明(go ahead)
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