適応障害とは?うつ病・不安障害との違いって? 症状、原因、治療法、当事者へのサポートの仕方を解説

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適応障害とは

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10132106202

適応障害とは、その名の通りストレスに適応できないためにさまざまな心身症状が表れ、日常生活をうまく送れなくなってしまう疾患です。ある特定の状況や出来事が、その人にとってストレスとなり、耐えがたく感じられることで、気持ちや行動にいつもとは違う症状が現れます。

ストレスの感じ方やそのとらえ方は人それぞれです。大きなストレスを感じていても、気持ちの問題だなどと我慢し、知らず知らずのうちに適応障害になっている人も少なくありません。さらに、ストレスを我慢したり、耐え続けたりすると重症化し、うつ病や不安障害などの深刻な疾患を発症してしまうことがあります。気持ちや体に不調が出てきたら、我慢や無理をせず、早めに病院に行くことが大切です。

適応障害は、他の精神疾患の基準を満たしていないこと、すでに存在する精神疾患の単なる悪化でもないことが分かって初めて診断されます。例えば、統合失調症、うつ病などの気分障害や不安障害などの診断基準を満たす場合はこちらの診断が優先され、適応障害とは診断されません。つまり、気分障害や不安障害ほど重い症状ではないけれど、健康な状態とは言えない場合、適応障害となるのです。

なお、この記事ではアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)に準拠して、適応障害を説明していきます。

適応障害の症状別タイプ

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適応障害には症状の特徴別に6つのタイプがあります。

1. 抑うつが伴う型
憂うつ感、涙もろさ、落ち込み、絶望感を感じ、思考力・集中力・判断力が低下します。感情がコントロールできない時があり、泣き叫んだりしてしまいます。気分障害と似ていますが、気分障害、双極性障害ほど症状は重くありません。

2. 不安が伴う型
神経質になり、漠然とした不安感を感じたり、心配になったります。死や災害、病気などに過敏に反応し、漠然と不安になります。社会生活が送れないほど不安を感じますが、不安障害やPDSD(心的外傷後ストレス障害)程症状は重くありません。

3. 抑うつ・不安が伴う型
抑うつが伴う型と不安が伴う型を合わせたタイプです。気分の落ち込みと、不安・心配が同時に現れ社会生活に支障をきたします。特に身体的な病気を患った方に多くみられる適応障害です。

4. 素行の障害が伴う型
素行の障害とは、万引きや飲酒運転、友達家族への暴力があげられます。また無断欠席、公共施設への落書きなどを行う場合もあります。行為障害や反社会性パーソナリティー障害、双極性障害ほど重度ではありません。

5. 素行と情緒の障害が伴う型
子どもに多くみられる適応障害です。上記で述べた素行の障害とともに、感情の現れ方に偏りがあり、激しく、コントロールできないことがあります。勤務怠慢、過剰飲酒、ケンカ、無謀な運転などの年齢や社会的役割に不相応な行動などがみられます。

6. 特定不能型
肩こり、頭痛、疲労感など身体的症状が主な症状であり、ひきこもりがちになるといわれています。統合失調症の前触れともいわれています。

※身体症状
上記のタイプにかかわらず、頭痛、倦怠感、腰背部痛、感冒様症状(かぜの症状)、腹痛などの身体症状が現れることがあります。

適応障害の原因

適応障害の原因には、ストレス(外的要因)個人の資質(内的要因)があると考えられています。外的要因であるストレスとはどのようなことでしょう。

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私たちは日頃、さまざまなストレスに囲まれて生活しています。一般的にストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態をいいます。例えば、結婚のように一般的に良いとされることであっても、その変化によりある種の緊張を私たちは感じます。

こうした日々の緊張のとらえ方や、ストレスを受けた時の対応方法によって、ストレスは私たちに良い影響を与えることもあれば、悪い影響を与えることもあります。

適応障害は、ストレスが私たちの心身に悪い影響をもたらした場合に発症します。そのストレス源が一つの出来事であるとは限らず、さまざまな状況が重なって原因を形成することがあります。また、大きな出来事からくる単発的なストレスだけでなく、長年にわたり続いていたり、反復したりするストレスもあります。

では、例えばどんなことが私たちのストレスとなりうるのでしょうか。以下に代表的なものをご紹介していきます。

対人関係上の問題
家族内における病気、介護、別居、子供の反抗期、過干渉・過保護、兄弟の誕生など

友達・恋人との関係上の問題
病気、不和、浮気、離別、絶交など

学校、職場、近所関係上の問題
いじめ、パワハラ、セクハラ、不信など

心理社会的問題
家族や友人などの親しい人との死別、一人暮らし、異文化を受け入れる(留学など)、転校、仕事上の問題(失業、勤務条件、業務量が過度に多い、決定権のなさ、業務の目的が不明など)

大きな節目や行事
結婚、妊娠・出産、就職、昇進、卒業、子どもの独立、クリスマスなどの行事など

本人の健康の問題
病気、リハビリ、禁酒、禁煙、重病の疑いなど

環境的な問題
住居環境、経済状況、天災や戦争に遭遇など

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人生において上記のようなストレスに遭遇することはよくあることでしょう。ストレスに遭遇した時、重く受け止めるか、さらっと受け流すか。心がそのストレスをどのようにとらえるかは本人の気質によっても変わります。

また、ストレスを感じた時に、そのストレスにどのように対応、対処していくかも人それぞれです。

ストレスの捉え方・受け止め方である気質と、ストレスへの対応・対処法の2つを合わせて、本人の資質であると言えます。適応障害の発症を左右する原因の一つにその資質が関係しています。では具体的にどんなことがあるでしょうか。

■本人の気質

1. 感情の揺れ幅が大きい
喜怒哀楽の表わし方、処理の仕方が分からず、感情の起伏が激しいなどです。

2. 傷つきやすい
周囲に言われた些細なことを気にしすぎて傷きやすい気質です。プライドが高すぎる場合も傷つきやすいと言われています。

3. 自立神経のコントロールがうまくいかない
ストレスは自律神経を介して脳に影響します。もともと自律神経のバランスが乱れやすい人は適応障害になりやすいと言われています。

4. 悉無律思考(しつむりつしこう)
別名、白黒思考といいます。物事を白か黒で判断し、グレーゾーンを認めない気質です。

5. 頼みごとなどを断れない
相手に悪印象を与えると思い、頼みごとなどを断れない人はストレスをため込みやすい傾向があります。

6. まじめだが頑固
まじめにコツコツ仕事や勉強を進めるため、いい加減が許せずなかなか許容ができないという気質です。

この他には、ストレス経験が不十分なために、ストレス耐性が弱かったり、ストレスへの対処能力が低かったりする場合も考えられます。

■対処・対応法

アメリカの心理学者ラザルスのストレス理論によると、人のストレスへの対処法は8つに分けられるといわれています。中でもストレスを感じた時に、やけになる、または問題を人のせいにしたり、逃げ出すことを考えたり、アルコールで忘れようとする逃避型の人は適応障害になりやすいという研究があります。

逆に、ストレスを感じた時に、問題解決に向けて計画的に対処したり、いろいろな方法を検討したりする計画型の人、困難を解決した経験を評価し、進歩、発展を目指し自分の行動を改善していく肯定評価型の人は、適応障害の人には少ないことが分かっています。

適応障害はどのぐらいの期間続くの?

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適応障害は、ストレスのもとである明確な出来事や状況の始まりから3ヶ月以内に気持ちの面または行動面の症状が出現し、そのような出来事や状況が終わってから6ヶ月以内に症状は治まります。

適応障害は、その期間により急性のものと持続性のものがあり、急性のものは6ヶ月未満であり、持続性のものは6ヶ月もしくはそれ以上続きます。ストレスの原因が急に起こった場合はすぐ発症し、比較的短い間(数ヶ月以上は続かない)持続します。他方、ストレスの原因またはその結果として起こった出来事が長引く場合、障害も長期間存在し持続性の病型となります。

他の疾患との関係は?

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うつ病と適応障害の症状は非常によく似ています。とくに適応障害の抑うつ型、抑うつ不安型は似ていますが、うつ病の診断に当てはまる場合は、うつ病となります。つまり、うつ病という診断を下すほど重症ではない場合、適応障害の診断がくだされます。

一般的に、適応障害発症以前から、どのような症状が見られていたかによって、パーソナリティー障害との区別や、合併の有無を判断します。

たとえば、感情が不安定であり些細なことでも大きく反応してしまう場合、掌を返したように急に怒ったり反社会的な行為が見られたりする場合などは、パーソナリティー障害との合併が考えられます。

発達障害であるがために、ストレスを多く感じ適応障害になることもあります。

友達とのコミュニケーションがうまくとれなかったり、勉強についていけなかったりといった、発達特性と周囲の環境との不適応経験が、本人にとっての強いストレスとなる場合があります。そのため、発達障害の二次障害として適応障害が発生することは考えられます。

適応障害かもしれないと思ったら?

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まずは、全国精神保健福祉センターや身近な精神科、心療内科へ行き相談しましょう。

病院へ行くことに抵抗を感じる方は、電話での相談もおすすめです。相談できる時間帯は自治体によりますが、全国精神保健福祉センターには相談ダイヤルが設置されており、電話で相談できる環境が整っています。

心療内科、精神科、プライマリーケアクリニックなどの総合的な診断ができる病院、メンタルクリニックなどを受診しましょう。

適応障害は、頭痛、倦怠感、腰背部痛、感冒様症状(かぜの症状)、腹痛などの身体への症状が表れるので内科や整形外科に行ってしまう場合があるかも知れません。そこでは数値的異常が認められず、問題ないといわれてしまうことがあります。なので、内科や整形外科で問題ないといわれても症状が続く場合は、必ず心療内科を受診しましょう。

適応障害の治療方法

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適応障害の治療は、ストレスの原因を突き止めることから始まります。ストレスの原因を取り除く、または解決することができれば、適応障害は6ヶ月以内に回復することがほとんどです。

中には、ストレスの原因を特定できても、それを除去できないケースも存在します。たとえば、身近な人の死別や離婚などは、原因となるその出来事自体を無かったことにすることはできません。そのような場合は、本人のストレスに対する考え方、捉え方を変えていきます。

精神療法により、ストレスの受けとめ方を変えていく一方で、薬物療法により現在、表れている症状を軽減していきます。薬物療法は必ず行うわけではありません。

カウンセリングなどを中心とした精神療法とともにストレスへの対処を中心に治療します。とくに、支持療法を中心に行うことが多いです。支持療法とは、医師が本人の話を聞いて、医師と信頼関係を築きながら、自尊心や自信、適応力を身につけていくことを目指す治療法です。

その他にも補助的に認知療法や暴露療法、生活療法を取り入れる場合があります。

薬物療法では、不安、抑うつ、気分、興奮、睡眠を安定させるために薬を使用します。

ストレスによって起こるつらい精神症状を軽減することが目的の薬を、向精神薬といいます。主な向精神薬としては、抗不安薬、抗うつ薬、気分安定薬、抗精神病薬、睡眠薬の5つがあります。これらの薬は脳に直接作用するため、医師の指示通りに用法用量を守った正しい服用を心がけましょう。また体質によっては副作用が起こることもあるため、医師に相談しましょう。

不安障害のある人のために、周囲の人はどう対応すべき?

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適応障害のある人は、ストレスを自覚せずに考えすぎてしまうことがあります。ストレスでないと思い込み、頑張りすぎてしまうことがありまうす。周囲の人は、本人の相談や話を聞き、抱えている問題やストレスに気づいてあげましょう。

適応障害は、それ自体が重い精神疾患ではありませんが、重症化するとうつ病や不安障害を発症します。そうならないために、休みを十分とり、本人が主体的にストレスに適応できるように環境を調整・支援することが大切です。

「気持ちの問題だ」、「甘えではないか」、「元気を出して頑張れ」、「薬ばっかり飲んで」などの言動を避けましょう。適応障害は疾患です。本人がストレスに感じていることをしっかり考え言葉がけをしましょう。

そのほかにも、過剰な同情、支援、配慮をすることは本人の主体性を奪い、社会的責任を回避させることとなり現実逃避を助長させることになります。注意しましょう。

まとめ

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適応障害とは、ストレスに適応できないためにさまざまな心身症状が表れ、日常生活をうまく送れなくなってしまう疾患です。

よく健康状態と病気の中間と表現されますが、適応障害をそのまま放置しておくと重症化し、うつ病や不安障害、またパーソナリティー障害などといった精神疾患へと発展してしまうことも少なくありません。

適応障害の原因であるストレスは普段だれもが感じることです。だからと言って我慢したり、無理をせず早めに周囲の人たちや専門家に相談しましょう。

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