旅をしながらおいしい食育体験を! ユネスコ食文化創造都市・鶴岡をめぐる親子旅へ

旅をしながらおいしい食育体験を! ユネスコ食文化創造都市・鶴岡をめぐる親子旅へ

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きらきら美しく輝く夏の日本海。冬の荒波とは一転、驚くほどおだやかです。海と山の自然を満喫できる日本海エリアには、美味しいものがたくさん! 今回は親子で楽しめる食育スポットを目当てに、ユネスコ食文化創造都市にも認定された、山形県鶴岡市を旅してきました。

鶴岡からちょっと足をのばして、秋田、新潟エリアの食スポットも。“おいしい食育” を体験できる親子の夏旅、見どころ・楽しみどころをご紹介します。

■【山形・鶴岡市】
食育体験の親子旅に、「鶴岡」がぴったりな理由

今回の旅で訪れた山形県の庄内地方は、国内屈指の美食エリア。庄内空港の愛称は「おいしい庄内空港」ですし、鶴岡はユネスコ食文化創造都市に選ばれています。世界レベルの食がそろっているので、旅でのさまざまな食体験を通して、子どもの食に対する興味や知識を深められるんです。

山形県鶴岡市出身で、レストラン「アル・ケッチァーノ」などを率いる奥田政行シェフは次のように話していました。

「鶴岡にははっきりした四季があり、海と山に囲まれ、食材のバリエーションは、ほぼ世界一といえるくらい豊富です。138種類もの魚介類が獲れ、淡水の生き物も約40種類。野菜やフルーツ、肉、ジビエなどもある。だだちゃ豆や温海かぶ(あつみかぶ)など在来作物も50種類以上あります」


山形県鶴岡市出身、奥田政行シェフ


さらに出羽三山の精進料理など独自の文化も根付いており、家庭には行事食や伝統食が継承されています。2014年12月に世界、日本で初めて「ユネスコ食文化創造都市」に認定されたのも、そうした食文化が評価されたからです。

鶴岡の食文化の発信拠点として、2017年7月、JR鶴岡駅前にオープンしたのが「つるおか食文化市場FOODEVER(フーデェヴァー)」。施設内には、奥田政行シェフがプロデュースしたパスタ専門店「ファリナモーレ」や、鶴岡のグルメやお酒を堪能できるフードコート「鶴岡バル」、新鮮な野菜や鮮魚を購入できる「つるおか駅前マルシェ」などが入っています。子連れでも使いやすいフードコートです。
マルシェには、地元の野菜やくだもの、鮮魚などが並んでいます。レストランで食べた食材を買い求めたり、気になる食材があれば購入してバルの店舗に持ち込み、調理してもらったりすることも可能。食材がどのように調理されるかを知れば、子どもの食べ物への関心も自然に高まりそうです。


■【山形・鶴岡市】
親も子も心地いい農家民宿、収穫体験も!

鶴岡では、農家が経営する農家レストランや農家民宿がポピュラー。採れたての野菜を味わえたり、ちょっとした収穫体験が楽しめたり、自然豊かな田舎の環境を体験できたり…と楽しみづくし!

JR鶴岡駅から車で10分のところにある「農家の宿 母家(おもや)」は築130年を超える古民家を改装した農家民宿。約30年前から、無農薬・無化学肥料栽培でお米や豆、野菜などを作っている小野寺農園が営む宿です。

「農家の宿 母家(おもや)」「やさいの荘の家庭料理 菜ぁ(なぁ)」を営む小野寺紀允さん


あたりには田んぼや畑が広がり、天気がよければ遠くに鳥海山や月山も見える


「メニューは食材ありき。母親の料理をベースに、素材を生かした料理を提供しています」と小野寺さん。

野菜は自分の畑で採れたものが中心。希望すれば、かんたんな収穫体験もできます。採れたての野菜のおいしさを知れば、子どもの好き嫌いもなくなりそう! 自家栽培米のご飯はふっくらつやつやで、おかずナシでも何杯でも食べられそうなおいしさです。

夕食メニューの一品(例)「庄内豚の冷しゃぶ盛り」


自分で収穫したキュウリやナスも早速朝食メニューに


宿泊以外に、農家レストラン「やさいの荘の家庭料理 菜ぁ(なぁ)」としても営業しています。おいしい料理とのんびりくつろげる雰囲気が人気を呼び、平日ランチは地元の子連れママの利用も多いのだとか。


■【日本海きらきら羽越観光圏 ~秋田・山形・新潟エリア】
フルーツの収穫体験、塩づくり現場を見学

今回筆者が旅した鶴岡市を含む、日本海岸沿いの秋田県・山形県・新潟県の10市町村からなるエリアは、「日本海きらきら羽越観光圏」と呼ばれています。


このエリアは、豊かな自然に恵まれた食材の宝庫。どの季節にいっても旬の食材があふれています。旬の食べ物は味もよく、栄養も豊富。子どもにとっては日本の四季を再確認するチャンスでもあります。

▼メロン、ブドウ、ナシ…フルーツが豊富!
子どもが大好きなフルーツも豊富で、夏は庄内砂丘で採れる「庄内砂丘メロン」がシーズン。メロンの販売はお盆くらいまでですが、8月からは鶴岡市などでブドウがシーズンを迎え、秋以降は酒田市名物「刈屋梨」の季節。ブドウもナシも現地で収穫体験が楽しめます。
手前のメロンは、JA鶴岡オリジナル品種「鶴姫レッドメロン」。JA鶴岡西郷選果場内では毎年7月にメロンの食べ放題も!

▼日本海エリアでは、カキの旬は夏!
一般的に冬が旬のイメージがあるカキも、このエリアでは夏が旬。道の駅などでは、殻をむいてそのまま食べさせてくれます。
岩ガキは1つ500円前後~。大きくぷっくりした岩ガキは旨みも濃厚!
 
今回は「さかた 海鮮市場」(山形県酒田市)、「道の駅鳥海ふらっと」(山形県遊佐町)、市観光拠点センター「にかほっと!」(秋田県にかほ市)で、岩ガキをその場で食べさせてくれるお店を見かけました。岩ガキはお盆頃までがシーズンですが、秋になると鮭などが旬を迎えます。

▼子どもの本格的な「お寿司屋さんデビュー」に最適
カウンターがあるようなお寿司屋さんは、小さな子連れでは行きづらいこともありますが、このエリアにはアットホームなお寿司屋さんがいっぱい。

「すしまる」のにぎり寿司


地元の人はもちろん、旅行者にも人気の「すしまる」(山形県酒田市)、天然魚にこだわる「鮨処 朝日屋」(山形県鶴岡市)などでは、本格的な味を子連れでも気軽に楽しめます。

▼塩づくりの現場を見学、塩ソフトも!
海水浴場も多い日本海沿岸のなかでも、美しい海の代名詞になっているのが、新潟県村上市の「笹川流れ」。国の名勝天然記念物に指定されており、ユニークな形状の岩々が織りなす絶景が続いています。

笹川流れ 塩工房 Salt & Cafe。塩の原料は笹川流れの海水100%


その笹川流れの海水を使った塩作りの現場を見られるのが、「笹川流れ 塩工房 Salt & Cafe」。店には工房が併設され、薪を焚いて塩を作っているところを見られます。

各種塩の味見も可能。写真は「玉藻塩」


見学のあとは裏手のカフェで、海を眺めながらひとやすみ。ホンダワラという海藻を加えて炊き上げた旨みのつよい「玉藻塩(たまもしお)」をふりかけた塩ソフトクリームは絶品です。


■ここもおすすめ【山形・酒田市、庄内町】
ご当地ラーメンや、江戸時代の食文化に触れる

山形県は1世帯あたりのラーメンにかける外食費が、年間1.5万円弱と全国平均の約2.5倍! 有名なご当地ラーメンもいろいろあり「酒田のラーメン」もそのひとつ。旅の醍醐味でもあるB級グルメも堪能すべく、酒田市も訪れました。

酒田市では、なんと約8割のお店が自家製麺を使用しています。コシのあるちぢれ麺で、スープはしょうゆベースの魚介出汁が中心。具の定番はワンタンで、このワンタンの皮も自家製というところが多かったです。

写真は酒田の人気ラーメン店「さらしな」の「いいとこどりラーメン」(840円税込)。2017年9月16~18日には、酒田の有名店や人気シェフによるイベント限定のコラボレーションメニューが楽しめる「酒田のラーメンexpo 2017」が開催されます。「さらしな」はアル・ケッチァーノ率いる奥田シェフとコラボ! あっさり味の特製コンソメスープに、ライ麦を打ち込んだイベントオリジナル麺を合わせた「アンティパストラーメン」を提供予定とのこと。

また、酒田市はかつて商業船「北前船」(きたまえぶね)で栄えた港町です。江戸時代には、日本海や北海道の港から江戸や大坂(大阪)へと、米や魚などを北前船で運んでいたといいます。


2015年にオープンした屋台村「北前横丁」には、15分の1のスケールで忠実に再現された北前船の模型もあります。子どもが小学生くらいなら、そんな歴史の話をするのもいいですね。

また、庄内エリアには「米倉庫」を活用したユニークなスポットがあります。ひとつは、JR余目駅前の米倉庫を活用した庄内観光の拠点施設「庄内町新産業創造館クラッセ」(山形県庄内町)です。


クラッセでは庄内地方の名産「槇島(まぎしま)ほうき」も買えます。また、グルメ土産が買える「あっでば」や、アル・ケッチァーノの奥田政行シェフが監修する食のアンテナレストラン「やくけっちゃーの」なども入っています。

もうひとつは、「山居倉庫」(山形県酒田市)。36本のケヤキ並木もきれいで、ここは格好の撮影スポット! 明治26年(1893)に建てられた米保管倉庫で、NHK朝の連続テレビ小説「おしん」のロケーション舞台にもなりました。


米蔵はいまも現役ですが、一部が庄内米歴史資料館と酒田市観光物産館「酒田夢の倶楽」になっています。

■ここもおすすめ【秋田県にかほ市】
美しい湧き水がつくる絶景もチェック!

せっかくの親子旅、豊かな自然を体感できるスポットへも、ぜひ足をのばしたいところ。夏の涼スポットとしてもおすすめなのが、秋田県にかほ市にある「元滝伏流水(もとたきふくりゅうすい)」です。


元滝伏流水。水が湧出する岩肌は、高さ約5m、幅約30メートル


鳥海山に染み出た水が岩肌から伏流水として湧き出しており、「平成の名水百選」にも選ばれています。水量は1日約5万トンにも及び、まるで滝のようで迫力満点です!


駐車場から徒歩10分の道すがらにも、コケ岩など美しい風景が広がる


なお、鳥海山は標高2236メートルの独立峰で、5合目(鉾立)までは車で行けます。子連れならそこから400メートルほどの展望台までの散策もおすすめです。

■山形、新潟 …日本海エリアを旅するなら、
子どもが喜ぶ列車「きらきらうえつ」で!


列車好きのお子さんにおすすめ!「きらきらうえつ」


鶴岡市を含む日本海エリア「日本海きらきら羽越観光圏」を旅するなら、新潟駅から酒田駅まで週末を中心に運転している列車「きらきらうえつ」が便利です。

485系の特急形電車を改造した4両編成で、1号車と4号車には簡易展望スペースもあり、日本海沿線の迫力ある風景には、子どもたちも釘付けに!

2号車には「茶屋(売店)」とラウンジスペースがあり、「茶屋(売店)」では沿線の地酒や、きらきらうえつの車掌のアイデアが詰まった「きらきら弁当」なども販売されています。3号車にはきらきら乗車記念スタンプや塗り絵など子どもたちが喜ぶコーナーも。


「きらきらうえつ」の車窓に広がる田んぼ


おいしいご飯と美しい風景に満たされる日本海エリアの “食をめぐる親子旅” 。日本の美しさと食文化の豊かさを、あらためて子どもに伝えられそうですね。

【取材協力】
日本海きらきら羽越観光圏
http://kirakirauetsutabi.net/
東日本旅客鉄道株式会社 きらきらうえつ
http://www.jrniigata.co.jp/train/kirakirauetsu
つるおか食文化市場 FOODEVER
http://foodever.info/
 
 
(古屋江美子)
元のサイトを見る

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