【医師取材】溶連菌感染の主な2つの原因は? 感染経路とリスク

【医師取材】溶連菌感染の主な2つの原因は? 感染経路とリスク

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子供への感染が多いイメージの溶連菌は、大人にも感染します。慢性化の危険が高かったり、あるいは子供をうつしてしまう心配もあるため、注意が必要です。







この記事の取材先ドクター

武田クリニック 武田寿之 院長

当院では、出来る限り患者さんの目線になってお話を伺うことを大切にしています。
ささいなことでも何でも相談していただき、本当の意味での「家庭医」を目指しております。
http://www.nerima-med.or.jp/kikan/byoin/kobetsu_base.php?id=235/
溶連菌感染症とは?

子どもが感染しやすい病気
溶連菌感染症は正式には「A群β型溶血性連鎖球菌感染症」と呼ばれます。人への感染だと、このタイプが約90%を占めます。主に喉に感染し、咽頭炎や扁桃炎ほか、さまざまな病気を引き起こします。中には重症に至るケースもあります。大人にも感染しますが、やはり「3歳前後〜小学生まで」がかかりやすい年齢です。乳幼児では母親からの免疫が生後半年位で無くなりますので、免疫力が低下傾向にあることが1つの理由です。さらに、何でも口に入れてしまいがちであるほか、きちんとうがい・手洗いをさせたり、マスクをしたりすることが難しい年齢である点も、感染の確率を高めるもう1つの理由になっています。
大人も感染する
溶連菌感染症は、幼児から学童にかけての感染率が高いです。ただし、どの年代にでも感染の可能性はあることを知っておきましょう。免疫力が低下している妊婦や高齢者はもちろん、普段は健康な成人でも、疲労が重なるなどして抵抗力が低下している場合には注意が必要です。大人の場合、単なる風邪と軽視して長引かせないようにしたいですね。また、発生した合併症の中でも特に高齢者の肺炎は「難治性」です。合併症の1つである「急性糸球体腎炎」は、児童ではほとんど完治します。しかし大人では30~40%は慢性化します。さらに重篤な合併症の劇症型連鎖球菌感染症は死亡率は約30%、特に30歳以上の大人に多いことも知られています。
溶連菌の感染力は強いの?
溶連菌感染症の感染力はかなり強いと考えられます。流行期になると幼稚園や保育園、小学生の低学年児童などでは「集団発生」の可能性もあり、注意が必要です。皆さんもインフルエンザ、ノロウィルスなどと一緒に、溶連菌感染症の注意情報が掲載されているのをご覧になったことがあるのではないでしょうか。ちなみに、流行期に入ると急性期の感染率は、接触の一番多いと考えられる「兄弟」で25~50%。「親」でも15~20%位だと言われています。またある調査では、症状が出ていない児童でも保菌率は15~30%と高めですが「健康保菌者からの感染」は、まれと考えられます。
妊婦さんは新生児GBS感染症に注意!
GBS(Group B Streptococcus)とは「B群溶血性連鎖球菌」のこと。膣、直腸、肛門周辺に生息している菌ですが、本来は弱毒なので健康な人ならば問題はありません。なお、妊婦の約10%はこの菌を保有しており、妊娠後期35週頃には、おりものの培養検査をして調べます。これは「赤ちゃんへの感染(新生児GBS感染症)の危険性」を知る上で重要です。GBS抗体を持たない妊娠がGBS陽性になると、分娩時に赤ちゃんへ感染する危険性が高まります。新生児GBS感染症になると、肺炎・敗血症・髄膜炎を引き起こし、重症化する恐れも出てきます。
溶連菌感染の2つの原因

「溶連菌感染症は感染力が強い」とお話ししました。それでは、どうやって感染が拡大していくのでしょうか? 大きく分けて二つの経路がありますが、こちらを理解しておくと感染予防につながります。

飛沫感染
飛沫感染ではまず、溶連菌に感染した人の「くしゃみ・咳・唾のしぶき」などで菌が大気中に拡散します。そして、その菌を周囲の人が吸い込む事で感染します。浸入しやすいのは鼻や咽頭の粘膜、そして胃や腸の粘膜です。これらの部位で菌が増殖し、症状が出てきます。また、溶連菌が飛び散り、食べ物などに付着することでも菌は増殖し、集団発生の原因にもなります。実は大半が飛沫感染による拡大なので注意が必要です。予防にはマスクをつけて飛沫感染の拡大を防ぐことも効果的。なお、冬場は特に密閉しがちですからこまめに室内の換気を行います。のどを守るには湿度も大事ですから、冬場は加湿も行なうのが望ましいでしょう。
接触感染
接触感染については、実際にはある程度の濃厚かつ直接的な接触でないと感染しにくい、と言われています。しかし、感染者の体液(鼻汁・唾液など)が付着しているような玩具や物品などには注意が必要です。また頻繁に触れるドアノブや手すり、つり革なども同じく気をつけてください。出来るだけこまめな「消毒・殺菌」を心がけたいですね。さらに「とびひ」などの皮膚感染症を併発したら、周囲との接触を避け、兄弟間などのタオルの共有も止めましょう。溶連菌感染症には予防接種がありません。ですから、特に流行期には手洗い・うがいをしっかりおこない、体調を管理することも大切です。
溶連菌の感染経路となる危険な場所とは?

人の多い場所
溶連菌感染症は「人が大勢集まる場所」で拡大します。幼稚園や保育園、小学校などもそうですが、流行期には遊園著やデパートなどへのおでかけにも注意が必要です。乳幼児は床で寝そべったり、汚い手をそのまま口に運んだりしますから、なおさらですね。また、保育園などでは感染した子供が舐めたおもちゃから感染したり、鼻水のついた衣服への接触などで感染する事もあります。なるべく「消毒・除菌が充分でないと思われる部分には手を触れない」「食べながら遊ばない」「手洗いやうがいをきちんとさせる」「年長児以降の子供達には出来るだけマスクをつけさせる」などが、とても大切です。
家庭
実は、溶連菌感染症は「家庭内での感染率が高い」のです。ご家庭に感染者がいれば、誰かが発症してしまうケースが多いのですね。その際、大人であれば出来るだけ隔離も出来ますが、子供は難しいでしょう。そこで、兄弟間で、おもちゃ・食器の共用は避けたり、手洗いやうがいも可能な限りさせたりなど、できることを徹底しましょう。口に入れても害のない除菌薬で、こまめに周辺を消毒することも良い方法です。
まとめ
幼稚園や保育園、小学校で溶連菌感染症が流行していたり、家族に溶連菌感染症の人が出た場合は注意が必要です。子どもの様子・発病には注意深く気を配り、疑わしい場合は早めの検査を受けさせましょう。

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