自閉症だと伝えても理解されない…その経験から学んだトラブル回避術

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『子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』の著者の立石美津子です。

公園で、よその子に砂をかけることを止めないわが子。「うちの子に何をするんだ!」と、よその子のパパに怒鳴られて「発達障害の傾向があります。すみません」と謝っても、「だから何なんだ!」「言い訳するな!」って怒鳴られて、悔しくて涙…みなさんもこんな経験ありませんか?

私は何度もあります。

教会の「泣き部屋」での出来事

息子も私もカトリックの洗礼を受けていて、日曜日は教会に行きます。小さな子であっても、大人と同じ場所にいることが自然なこととされていて、大きなお御堂だけの教会も多くあります。

でも、私が通う教会には、ぐずる子がミサ中に過ごす場所として「泣き部屋」という部屋が整備されています。

これがあることで、赤ちゃんや小さな子を持つ親も気兼ねなく教会に足を運ぶことができます。賛否はあるのですが、私は必要な部屋だと思っています。

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小学生になるとたいていの子どもはこの泣き部屋からは卒業して、大人と一緒の大きな部屋に行くのですが、息子は16歳になった今でもこの泣き部屋にいます。小さい頃からここにいてパターン化してしまったのでしょうか、ここにいることに固執しています。

学校では授業中座っていられるので、教会の大きな部屋でも騒いだり走り回ることはしないと思うのですが、他のちびっこと一緒に泣き部屋で過ごしています。

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さて、息子が小学校2年生のときのこと、ミサ中の1時間ジッとしていられないので、私たちは泣き部屋にいました。しばらくして、ある母子が泣き部屋に入ってきました。

その親の子は4歳くらいなのですが、とてもお利口な子で静かにしていました。そんな中、息子が奇声を上げたり、部屋の中を走ったりしました。

するとその母親から私が「お母さん!どうして叱らないのですか!ちゃんとしつけないんですか!」と叱られてしまいました。私が「うちの子は自閉症でじっとしていられないんです」と答えると「それがなんなんですか!それを口実にしないでください!」とまた叱られてしまいました。

私が「お母さまこそ、お子さんはお行儀良くしていられるんですから大きな部屋に行かれたらどうですか。ここは“泣き部屋”なんですから」と言うと「ともかく、静かにさせてください!」と言われてしまいました。

私は居てもたってもいられなくなり、息子を連れて泣き部屋から出て、家に帰りました。そして、小学生になっても泣き部屋にいる息子に対して情けなくなり、「どうしてじっとしていられないの!」と叩いてしまいました。私も泣いていました。

このことがあってからは、見知らぬ親子が泣き部屋に入ってきたら、注意される前に先手を打って「すみません。うちの子自閉症と言う障害があって、変な声を出したり、じっとしていられません。ご迷惑をおかけします」と断り、謝るようにしています。それ以降、前記のようなことは起っていません。

「ヘルプマーク」を付けていても、それだけではわかってくれない

障害者手帳を持っていてもそれはカバンの中に入っているだけで、首にぶら下げているわけではありません。自閉症児は見た目ではわからないので誤解されます。

当時は「ヘルプマーク」がなかったので、「愛のワッペン」というものを付けていました。それでも前記のように怒鳴られてしまいました。

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「ヘルプマーク」が出来からはこれを付けるようにしていますが、どれくらいの人がこれを見て理解してくれるか疑問です。

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多くの人はまだまだ障害のことを「知らない」という前提で対応を考える

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療育に通い障害者ママ達のコミュニティの中にどっぷりつかっていたり、特別支援学級や特別支援学校に通ったりしていると「世の中の人は“自閉症”というフレーズを出せば『これこれこういう特性があるのね』と理解しくれるだろう」と錯覚してしまうことがあります。

でも、実際はまだまだ理解は追いついていないのです。それにより今回のようなトラブルが起こるのだと思います。

メディアの放送や情報で多くの人に理解されることを待っているうちに、子どもはどんどん大きくなり、子育て中の健常児を持つママ達との間に諍いも起こります。

そんなときは、次のようにすると良いと思います。

①見知らぬ人、例えばバスや電車で怒鳴られても「もうこの人とは一生会うことはないんだから」とスルーしてしまうこと
言われたその瞬間は傷つきますが、その場で長々とやり取りしても理解を得られないことがほとんどです。「この人は知らないんだな」と割り切ってしまうのも、自分の精神衛生を保つためには有効です。

②近しいママ友にはわが子の行動特性を折に触れて話しておき、理解者を周りにつくっておくこと
見知らぬ人に非難されたら、「こんなこと言われて悲しい思いをした」と泣きついて話を聞いてもらえるだけでも気持ちが楽になるはずです。

③周囲の人から怒鳴られたら、子どもを叱りに行く振りをして、その場から立ち去ってしまうこと
電車に乗っていたら車両を移動し、バスなら次のバス停で降りましょう。子どもを叱りに行く振りをするのは不本意ではありますが、「緊急避難」です。その場を離れれば子どもを落ち着かせることもできます。

こうした工夫で、日常のさまざまな場面を乗り越えてきました。理解のない人たちを上手にかわす技術で、ストレスを少しでも軽減させることがこれから長く続く子育てをする上で重要です。

わが子が自閉症だというだけで、後ろめたい思いをする人たちが減るように…

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発達障害の子を育てていると謝ってばかりの日常になります。一日も早く「自閉症です」「発達障害です」と言うだけで「ああ、だからなのね」と温かい目で見守ってくれる人が多くなることを願っています。

息子はもう大きくなり昔ほど暴れたり奇声を発したりすることは少なくなりました。随分、子育ては楽になったと感じています。

かつての私のようなしんどい思いをするママが少しでも減るように、そんな思いで日々、健常児のママ達や幼稚園、保育園の職員の方に講演して回る日々が続いています。

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立石 美津子(著)すばる舎『立石流 子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』

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