スマホ世代の育て方①スマホを持たせるなら、何歳から?

スマホ世代の育て方①スマホを持たせるなら、何歳から?

2017年6月5日公開

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2016年(平成28年)の総務省のデータ『インターネット普及状況』によると、スマートフォンの世帯保有率は70%を超えました。いまの子どもたちは物心ついたときから身近にスマホやタブレット、パソコンがあり、動画を見たりゲームをしたりするなかで育った、いわば「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代。

「スマホ育児」「ネット依存」「ネットいじめ」など、子どもにインターネットを使わせるのが心配になるニュースが報じられる一方で、知育アプリや学習アプリなどの役立つものも登場しています。心配ごとを増やすのではなく、デジタルとうまくつき合うためにはどうすればいいのか。ITジャーナリストの高橋暁子さんと一緒に、子どもたちとデジタルをめぐる最新事情を考えていきます。第1回は、親なら誰しもがぶつかる疑問「スマホはいつから持たせればいい?」です。
12歳で自分専用の端末を持つ子は半数以上。所持のきっかけは「習いごと」

約600人の保護者を対象とした「子どものスマートフォン使用に関する利用実態調査」(2017年4月 / 明光義塾調べ)によると、子どもがスマホを持ち始めた年齢で一番多かったのは「高校1年生」(26.6%)でした。一方、中学生のうちに持たせる割合で一番多かったのが、「中学1年生」の21.6%。つまり、進学などで人間関係が新しくなり、環境が変わるタイミングにスマホを持たせることが多いようです。(参照:明光義塾のコミュニティーサイト『メイコミュ』)
一方、「子育てに関するスマホ事情」(2017年1月 / 「BIGLOBE」調べ)によると、「3歳までに(親の)スマホまたはタブレットを利用済み」と応えた保護者は4人に1人。さらには、「12歳まで」となると半数が利用していました。また、10歳から12歳の6割が、子ども専用端末(スマホ、キッズケータイ、フィーチャーフォンなど)を所持していることがわかりました。(参照:「BIGLOBE」)
子ども専用端末を持たせた理由のトップは「習いごとを始めた」(49.7%)であり、続いて「災害など緊急連絡用」(29.5%)、「年齢的なタイミング」(28.2%)、「共働きだから」(24.8%)となりました。データを見ても、子どもを心配して持たせる保護者が多いことがわかります。

小学生のうちから持たせている私のママ友に話を聞いても、やはり「習いごとのときに連絡がとれるように」「学童が終了したので仕事先からも居場所が確認できるように」などの理由が多かったです。核家族や共働きの家庭が増えている現代。震災などの緊急時の連絡手段として、子どもの安全を守る一つの方法に「スマホ所持」が役立ち、支持されている面があります。

少数派ではありますが、「周りが持っているから」(16.1%)という家庭もいました。周囲に合わせて何となく、あるいは子どもにねだられて持たせてしまったという家庭が少なくないことは気になる点です。子どもの発達は年令によって一律ではなく、個人によって大きく異なります。まだ携帯の利用を自分でコントロールできない子どもに、周囲が持っているからという理由で持たせてしまうと、不必要なトラブルにつながる可能性が高くなるのでおすすめしません。

制限のあるキッズケータイからスマホへ移行するタイミングは「中学生」が大多数

実際に子どもたちが所持しているのは、必ずしも「スマホ」ではありません。内閣府の「青少年のインターネット利用環境実態調査報告書(平成25年度)」によると、小学生の所持端末のトップは「機能限定携帯電話や子ども向け携帯電話(PHS含む / KDDIのmamorino3など、メールやネットを使用できないもの)」で、60.6%。続いて「その他の携帯電話(PHS含む)」が23.1%。「スマホ」は13.6%であり、「機能限定スマホや子ども向けスマホ(ソフトバンクモバイルのあんしんファミリーケータイなど、機能限定でメールができるもの)」は2.7%でした。つまりほとんどの子どもが、機能を限定させた「キッズケータイ」と呼ばれる端末を所持しているのです。

中学生ではこの割合が逆転して、「スマホ」が47.4%でトップ。「機能限定携帯電話や子ども向け携帯電話(PHS含む)」は18.2%でした(ちなみに高校生になると82.8%と大半がスマホを所持するようになります)。中学生でも約2割はキッズケータイやキッズスマホを所持していることがわかります。

スマホは言ってみれば通話ができるパソコン。アプリ次第でさまざまな用途に利用できるだけに、SNSでの出会い系被害やゲーム依存、高額課金などに陥りやすいため、低年齢のうちは安全に使いこなすのが難しいアイテムだと思います。

キッズケータイは機能が制限できるので安心ですが、子どもがある程度成長すると使いたがらない傾向にあります。周囲がスマホなどを利用し始めると、「キッズケータイは子どもっぽい」、「SNSが使えない」などの理由で嫌がるためです。スタートはキッズケータイでも、子どもの成長とともにスマホに移行して、自由に使わせるときがくるでしょう。そのときまでに親は、スマホを安全に使いこなせる能力を子どもに身につけさせる必要があります。

「○○ちゃんも持ってる」に流されるのはNG。家庭ごとに方針を話し合っておこう

専用端末を小さいころから自由に使わせている家もあれば、高校生になってもネットの利用が固く禁止されている家もあります。家庭によってスタンスがまったく異なるため、スマホやネットに関する指導は簡単ではありません。

子どもは、周囲が持っていると欲しくなるものです。「あの子はいいのになぜうちはダメなの?」という疑問に答えなくてはいけない場合もあります。家庭ごとに専用端末やネットの使用方針について事前に話し合っておき、子どもには「うちは○○だからまだ要らないと思う」などと説明できるようにしておきましょう。

しかし、便利がゆえに一度持ち始めると、持っていない生活には戻れないこともあるので、年齢や周囲が持ち始めているなどの安易な理由で持たせるのはあまりおすすめできません。子どもが所持するメリットとデメリット、どのように使わせたいかについてもよく考えておくといいでしょう。

子どもに買い与える「デメリット」を「メリット」が上回るときが検討開始の目安

では、いったい持ち始める年齢はいつがベストなのか? 家庭環境やお子さんの性格にもよるので、これといった決まりはありません。アドバイスをするなら、スマホを持つことの「デメリット」を「メリット」が上回ったとき、あるいは親子が互いに利益を感じられたときが、検討し始める時期の一つの目安となります。

親が必要性を感じて与える場合は、最大限の注意を払ってキッズケータイなどから使わせるといいでしょう。子ども側からねだられた場合は、子どもに「スマホを持つ必要性」と「どのように使うのか」についてプレゼンしてもらうといいでしょう。なぜなら、子ども自身がスマホの正しい使い方や、所持することで起こり得る問題について考えるからです。さらに家庭内でスマホルールを決めるきっかけにもなります。親がそのプレゼンに納得できたら、購入して利用してみてはいかがでしょうか。

利用前に、使ってもいいアプリやサービス、使える時間や利用時間帯、やりとりする相手などに関するルールを子どもと決めておくといいでしょう。

一般的に多いとされているルールは以下です。


・夜9時または10時以降は使わない
・夜間は居間で充電する(部屋に持っていかない)
・使うアプリを決める
・ネットで知り合った人には会わない
・(ゲームなどの)課金はしない
・ネットに個人情報を投稿しない


とくに自己判断ができない低年齢のうちは、有害サイトへのアクセスをブロックする「フィルタリングサービス」などの安全対策や、利用に関するルールづくりは必須です。

最終的に目指すのは、子どもがセルフコントロールしてスマホやネットを使いこなすことです。学習時や食事時、睡眠時には使わないなどのセルフコントロールができない年齢・発達段階のうちは、利用が制限できるキッズケータイなども視野に入れて、子どもと一緒に使いながら正しい使い方を教えていってあげてください。
プロフィール

高橋暁子(たかはし あきこ)
ITジャーナリスト。LINE、Facebook、TwitterなどのSNSや、10代のSNS利用実態、情報リテラシー教育に詳しい。著書『ソーシャルメディア中毒』のほか、新刊には『Twitter広告運用ガイド』がある。元教員の経験をいかして、雑誌・新聞・テレビ・ラジオなど多方面で活動中。7歳の男の子のママ。

http://akiakatsuki.com/

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