すっぴんテレワークでもキレイに! 資生堂の「メイクして見えるアプリ」って?

すっぴんテレワークでもキレイに! 資生堂の「メイクして見えるアプリ」って?

2017年4月5日公開

Bu facebook
Bu twitter
「女性が活躍する会社 BEST10」(『日経WOMAN』調べ)で、2014年から3年連続1位を獲得している資生堂。140年超の歴史を持つ老舗企業ですが、創業時から女性について考え続け、働き方に関する新しい制度や体制を次々と導入してきました。

なかでも昨年発表した「TeleBeauty(テレビューティー)」は、在宅勤務やテレワークで働く女性に向け、ノーメイクでもオンライン会議の画面上ではメイクしているように見えるアプリとして話題に。また、2015年11月に行った育児支援制度の抜本的改革は世間の注目を集めました。

女性を対象とした商品を作り、グループ全体としてもじつに約8割が女性社員という資生堂。今回は、そんな資生堂における働き方の実状、そして、メイクやビューティーが女性をどうサポートしているかについて、「TeleBeauty」の開発に携わった片岡まりさん、高野ルリ子さんにお話をうかがいました。


取材・文:片貝久美子 撮影:相良博昭
プロフィール

片岡まり(かたおか まり)
資生堂 宣伝・デザイン部クリエイティブ企画室。慶應義塾大学文学部美学美術史専攻を卒業後、資生堂入社。国際事業、商品開発、事業・販売部門、お客さまセンター、経営企画、CSR部門等を経験後、2014年より現職。
http://www.shiseidogroup.jp/


高野ルリ子(たかの るりこ)
資生堂 ビューティークリエーション部ビューティークリエーションセンター。千葉大学文学部行動科学科を卒業後、資生堂入社。化粧の心理、生理的効用、顔の認知や魅力に関する研究を主軸とし、心理学的視点に基づくメーキャップテクニックの解釈や理論化を行う。2014年4月より筑波大学グローバル教育院客員准教授。
http://www.shiseidogroup.jp/
デザインから文化のリサーチまで。あらゆる手段で「美」を追求する資生堂
—まずはじめに、お二人の資生堂でのお仕事について教えてください。

片岡:私は1985年に入社したのですが、商品開発部門、経営企画などを経験して、いまは宣伝・デザイン部でクリエイティブ企画室に所属しています。

ここでは資生堂の哲学をどうクリエイティブで表現していくかをはじめ、宣伝・デザイン部に所属する約120人のスタッフが気持ちよく仕事をするためにはどうしたらいいか、さらにはデザインの力を使って社会を変えていくことはできないかなど、多岐にわたる仕事をしています。

私のなかでは資生堂に入社して以降、企業と社会をどう結びつけていくのかというのを一つのテーマとして追っている感覚があります。

左から、片岡まり、高野ルリ子
—高野さんはいかがですか?

高野:私は現在、ビューティークリエーション部のビューティークリエーションセンターという部署にいます。そこにはヘア&メイクアップアーティストが40人ほどと、国内のビューティーコンサルタント約1万人のなかから選ばれ高度な教育を受けた資生堂ビューティースペシャリストたち23人がいます。世界中のお客さまに「美しくなる方法」「美しくなる喜び」を提供することをミッションとしています。

いま考えているのは、さらに新しいビューティーを創って、発信していくということ。グローバリゼーションが求められていますから、アジアを中心に、それぞれの文化的な価値観と化粧や美容の行動との関わりを調査していくことも重要な仕事の一つです。

片岡:高野は弊社のなかでも、そうした美容にまつわる消費者行動を研究する第一人者なんですよ。
「これだけオンラインで人々がつながっているいま、化粧の可能性はもっと広がっていると思うんです」
—昨年、資生堂は「TeleBeauty」という、オンライン会議などの画面で表示される顔に自動メイクや顔色補正を行うアプリを発表されました。その開発に二人も関わられたそうですが、発案から開発まで具体的にはどう進んでいったのでしょうか。

片岡:「TeleBeauty」は、もともと宣伝・デザイン部が運営しているウェブサイト「こちら、銀座 資生堂センデン部」の企画を議論するなかで生まれたアイデアでした。一方、ビューティークリエーションセンターでは同時期にオンライン上でメイクを試して自己表現の広がりを発見するサポートを考えていて……。高野からそれを聞いて、けっこう似てるんじゃない? って。

TeleBeauty|資生堂

資生堂 TeleBeauty コンセプト動画
高野:そうでしたね。私たちが当時考えていたのは、メーキャップシミュレーターという、いろいろなメイクを文字通りシミュレーションできるツールでした。人と化粧との接点というのは、もちろんリアルな状況が多いですが、これだけオンラインで人々がつながっているいま、化粧の可能性はもっと広がっていると思います。

オンライン上でもいろんなビューティーを試してみることで、個人ごとの新しい美の可能性が開き、自分にはこういうメイクも似合うんだっていう気づきにつながるようなツールを発信できないかなと。

片岡:それが「TeleBeauty」のアイデアに近かったので、一緒にやりませんか? って巻き込んでしまいました(笑)。でも、そのときすぐに賛同してくれたんですよね。

—高野さんたちがそこですぐに賛同したのはどうしてですか?

高野:片岡が持ってきてくれたコンセプトが、女性の働き方を見直すとか、女性が活躍する場をもっと広げていこうとか、いまの社会的な課題に対してアプローチするものだったので、思想の部分に共感したというのが大きかったです。

片岡:ありがとうございます。今回の件で気づいたのは、社会課題に真正面から取り組もうとするプロジェクトって、すごく賛同を得やすいことですね。みんなが前向きな想いを持って気持ちよく参加してくれるものなんだなぁっていうのを感じましたね。最初の志の立て方がかなり重要でした。

高野:そうですね。だから「TeleBeauty」も画期的なアプリではあるんですけど、表面的な部分では「メイクの着せ替えができて面白い」ということのみになってしまいがち。そうではなく、これはいまの社会課題をしっかりと解決する、女性たちを応援するものなんだという根っこがあるからこそのものだと思いました。

片岡:それについてはずいぶん議論しましたね。資生堂にとって「TeleBeauty」の価値はいったい何なのか。女性活躍のことだけでなく、それを越えた化粧の意味みたいなものをもう一度考えようというセッションを何回も持ちました。

関連する記事

この記事のキーワード

RANKING
YESTERDAY

WHAT'S CHIENOWA?

staff_pickup