若手社員が多忙な働き方と向き合う。『自分の時間を取り戻そう』レビュー

若手社員が多忙な働き方と向き合う。『自分の時間を取り戻そう』レビュー

ちきりん『自分の時間を取り戻そう』

Bu facebook
Bu twitter

先日、SAISON CHIENOWAに掲載した、『自分の時間を取り戻そう』著者で人気ブロガーの、ちきりんさんインタビューには、たくさんの反響をいただきました。

本書では、仕事の忙しさや人づき合いに追われ、限りある「人生の時間」を大切にしていない社会人やワーママに向けて「仕事よりも自分優先で生きる」方法が語られています。仕事や家事育児によって失われた自分の時間を取り戻すためには、まず「生産性」を意識し、高めていくことが重要だと著者は言います。ここでいう生産性とは、「時間や若さ、エネルギーといった人生の貴重な財産・資源をどれだけ有効に活用したか」の指標です。

忙しく働いていると、つい目の前の業務に追われ、「自分がやったほうが早い」と一人で抱え込んだり、働く時間を延ばしたりすることでカバーしがちです。それでは希少資源を仕事に費やすだけで、自分の時間はいつまでも取り戻せないのではないでしょうか。

ではいったい、限られた時間のなかでどのようにして成果を出し、ゆとりも手に入れられるのでしょう? そこで、クレディセゾンの若手社員三名が、自らの生産性を上げるべく、『自分の時間を取り戻そう』を読み、レビューしました。どんな学びがあったのでしょうか。
「自分の時間がない。けどしょうがない」と嘆く、多忙すぎる人たちへ
文:前田彩季(まえだ さき)
クレディセゾン 東京支社 高島屋新宿店。入社2年目。
さまざまな理由で、プライベートの時間を犠牲にして働くような忙しい生活が当たり前になり、抜け出すことができない。そしてその生活を「しょうがない」と思っている人は多いのではないでしょうか?

その心は、やっとつかんだチャンスだから、いまが頑張りどころだから、途中で投げ出すべきじゃないから、家族のためだから、ほかの人はもっと頑張っているから……。本当にやりたいことを後回しにし、当たり前のように忙しい生活を受け入れ、体や心が壊れるまで頑張ってしまう人々がいまの社会にはたくさんいます。

本書では、第一志望の広告業界でバリバリ活躍する正樹、仕事と育児を両立しようと奮闘するケイコ、リーマンショック、ブラック企業、フリーランスと苦境の数々を経験してきた陽子、起業に成功しながらも踊り場を迎えて悩む勇二、この四人のケーススタディから忙しさの本質を読み解き、自分の時間を取り戻すための課題解決方法をまとめています。キーワードはズバリ「生産性」。

忙しすぎる生活を抜け出す方法なんて本当にあるのかと、初めは疑問がありましたが、本書では多忙なことを「あたりまえ」だと疑わない生活から脱出する方法が見えてきます。
最小限のインプット(=情報収集)で、最大のアウトプット(=接客)をすることにこそ意義があったと反省
自分の時間を取り戻すには、「生産性を上げる」ことが大事だと著者は言います。「それだと次々に仕事をこなすことになり、余計に忙しくなるのでは?」と、初めは思いましたが、答えは意外とシンプルでした。

私は普段、クレディセゾン カードカウンターでの接客業務が主な仕事です。対面でお客様にどれだけの価値提供ができるかを強く意識するあまり、デスクワーク(メールチェックや社内の情報収集)の効率化については無頓着でした。自分では、「時間がないなかで優先度をつけている」と思い込んでいましたが、たとえば、読み飛ばしたメールに自分(と、その先のお客様)にとって重要な情報があった場合にはミスが発生し、生産性を下げてしまうことになります。

まずは自己流で、「本当に必要? 本当に無駄?」と、業務や習慣のショートカットを自問自答すること。その取捨選択ができれば、結果的に生産性がアップすると感じました。

本書には「インプットを増やさずに生産性を上げる」ことの重要性が書かれています。時間無制限で情報収集するのではなく、最小限のインプット(=情報収集)で最大のアウトプット(=接客)をすることが大切なのだということにも気づくことができました。

この本を読むまでは、「忙しいのは当たり前、しょうがないことだ」と考え、とにかく目の前の仕事をこなす日々を送っていました。ですが、いまはそうやって過ごしていたことが、どうしようもなくもったいなかったと思います。自分の現在地を見つめ直し、ここで書かれている「生産性の高い生活」をもっと早く意識していれば、もっと効率よくスキルが上がり、よりよいサービスをお客様に提供できる。

生産性を上げて悪いことなんて何もないのです! 是非、ルーティンワークや目の前の仕事に「追われている」と感じている社会人の方々に読んでほしいです。
「できること・できないこと」の取捨選択をしないまま、ただ時間が過ぎていた
文:古川 拓也(ふるかわ たくや)
クレディセゾン 東京支社 池袋パルコ店。入社2年目。
この本では、仕事とプライベートでの生産性向上について書かれています。社会人としての経験に乏しい若手社員の私にとって「仕事」の大半は「できないこと」を覚えることの繰り返し。そのため、本書のなかにある「できる・できない」の取捨選択をして仕事をするという方法を実践する段階まで達していないのが正直なところです。だから自分の立場に置き換えて考えることは正直難しかったのですが、そんな私にも、「生産性」を高めることが大切であることは理解できました。
「全力120%」と意気込んで、一人ですべてを抱え込もうとすることは、ベストなことではないのかもしれない
高い生産性で仕事をするためには、少ないインプットからどうやって大きなアウトプットにつなげるかが課題だと本書は述べています。私は、「インプットもアウトプットも全力しゃかりき120%」という働き方に酔いしれて、自己満足の世界に浸ってしまう性格。でも身体は正直で、疲労はどんどん溜まるので、結局しんどくなってしまうんです。だから、まず私には、生産性高く動くための線引きが必要だと感じました。さらに、生産性を高めるためには、余裕を持って働くこと、優先順位を考えること、自分がやるべきものに注力すること以外にも、「いかに楽をするか」という視点もあるのではないでしょうか。

もちろん私のいまの職場環境においては、目の前のお客様に対して120%で行動するのは当たり前。しかしこの本をきっかけに、自分一人で全部抱え込むのはナンセンスだと気づきました。やるべきことの順位づけや取捨選択をすることが、いい意味で「いかに楽をするか」という視点になり、結果として生産性がアップするのだと学びました。

まずは自分の意識改革から。「すべてをやる必要はない」という発想で、業務の最適化をしていけたらと思います。
今後のライフステージに向けて「時間の浪費」をしっかり管理する
生産性を高めることによって残業も少なくなれば、自分の時間に充てることができるようになります。独身である現在は、自分の時間は自分だけのものですが、ライフステージが進むにつれて、家庭を持ったり子どもができたり、必要な時間が増えてきます。生活の面でも生産性をより高め、自ら時間を作りにいかないと、仕事とプライベートの管理が追いつかなくなる可能性もあります。今後のためにも、「無意識的な時間の浪費」には気をつけて生活したいと感じました。
仕事に追われて自分の時間がない。これは「生産性」の問題でした
文:伊藤 舞(いとう まい)
クレディセゾン 東京支社 ひばりヶ丘パルコ店。入社2年目。
慣れない仕事に追われる毎日で、なかなか自分の時間が取れない。では、なぜ「自分の時間がない」と感じるのか? それは「生産性」の問題である、というのが本書の内容です。

仕事や家事、育児、趣味、勉強、コミュニケーションなど、生活のあらゆる場面において成果を最大化するための「生産性」とは、「時間やお金など有限で貴重な資源」と「手に入れたいもの=成果」の比率だと本書では述べられています。自分の貴重な資源(時間)を取り戻すためには、「自分の時間を簡単に他人の時間にしないこと」が必要だと思いました。本書を読んでからは、どんなに多忙であれ、仕事に費やす時間を減らすことに意識を向けることが大切で、そのためにはまず、自らの意識改革が必要不可欠であると考えるようになりました。
いままでの自分は、何をするにも他人の目を気にしていた
生産性を高めたうえでの結果ももちろん大切ですが、その過程(努力)で得られるものもあります。そのご褒美は、かけがえのない「自分の時間」。

努力をして得られるものは、たとえば、「やりたいこととそうでもないことが、明確に区別できるようになる」「自分の人生の希少資源の使い途に関して、他人の目が気にならなくなる」。しかし、これらはいまの自分に決定的に不足しているものです。私は、やりたいこととそうでもないことがあやふやで、優先順位をつけないまま、どれも等しくこなそうという考え方で動いていました。何をするにも他人の目を気にして積極的に行動できなかったり、自分の時間を犠牲にして希少資源を無駄にしたり。

この本では、何でも自分で頑張ろうとするワーママのケイコ、フリーランスで仕事を断れない陽子の2人に、特に感情移入しました。2人とも、家族や取引先の目を気にして自分を犠牲にし、ハッと気がつけば自分の時間を失っている。私自身を重ねて、「わかる、わかる」と頷いてしまいました。しかし、「これが自分の望む生活なんだろうか?」と感じるのは、自分の時間を自分のものとして扱えていないという証拠。生産性を高める意識を持たないことは、とてももったいないのだと、あらためて感じました。
自分の時間に向き合い、やりたいことを実現させる
私はこれまで、先輩と共同の仕事を完璧にこなすために、残業で仕事の質を上げようとしがちでした。また人間関係にも気を遣い続け、くじけそうになることもありました。

しかし、自分の生産性を上げるのは自分自身。他者ではありません。つまり、いくら自分の時間を犠牲にして他者からよく思われても、それは生産性を上げたことにはならず、誰にも貢献できていないというネガティブなループに陥ります。私はもしかしたらこのループにはまっていたのかもしれません。

自分の生産性を先に上げれば、誰かに貢献できるうえに、自分の時間もできて、ポジティブなループが始まります。これからは、仕事や日常生活すべてにおいて生産性を意識し、まずは自分の生産性を上げ、得た自分の時間をやりたいことや実現させたいことに使いたいです。そして、きっとそれは私の周囲にとってもよい影響を与えることになると思います。

『自分の時間を取り戻そう』

1,620
著者:ちきりん
出版社:ダイヤモンド社

関連する記事

この記事のキーワード

RANKING
YESTERDAY

WHAT'S CHIENOWA?

staff_pickup