娘が下した「学校に行かない」という選択。それから1年。子どもたちに起こった変化とは

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学校へ行かなければ、どうなるんだろう?

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10736005968

いつの頃からか娘は小学校へ行くのを渋るようになりました。学校から帰ると疲れ果てて荒れ狂い、登校前日には足の痛みを訴えて泣くようになりました。学校へ行かすのはもう限界かな、と私が感じていた小学校3年生の2学期の初め、娘は自ら「学校をやめる」という決断を下しました。

今でも学校に籍はあり、先生との交流を続けてはいますが、一般的には不登校と呼ばれる状態が続いています。

わが家では学校に行かないことを後ろ向きに捉えるのではなく、「学校に行けないなら家で楽しく学ぼう!」と前向きに考えています。なので「不登校」という言葉ではなく「ホームスクール」という言葉を使うようにしています。

そして、娘に続いて息子も幼稚園をやめることになり、365日親である私が子どもたちと共に過ごすホームスクールをはじめてから、ちょうど一年が経ちました。その中で、子どもたちにも私にも大きな変化がありました。

ホームスクールを始める前、学校生活を楽しんで育った私の頭にあったのは学校へ行かないデメリットばかりでした。

・ 小学校にも適応できない子が、社会に適応していけるのだろうか
・ 同学年の友達に揉まれることでしか学べないこともあるのではないだろうか
・ 365日子どもが家にいることに、自分は耐えられるのだろうか
・ 勉強はどうすればいいんだろう
・ いつか子どもが学校に行きたいと思ったとき、戻る場所はあるのだろうか

そんなことばかりを考えていたような気がします。

しかし、少しずつ子どもたちが365日家にいる生活に馴染んでゆく中で、学校に行かずに過ごすメリットも見えてきたのです。

「自分と他人の違い」は家の中ならじっくり学べる!

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わが家は『安心して過ごせない場所には行かなくてもよい』という方針で子どもたちを育てて来ましたので、ホームスクールを始めるにあたって、まずは家の中を「子どもたちが安心できる場所」にする必要がありました。

もちろん、それまでも子どもたちにとって一番安心できる場所は家だったのですが、ずっと家族が家にいると、親も子も一人になる時間がほとんどなくなり、そのストレスから摩擦が増えてしまいます。

時間はたっぷりありますので、問題が起こった時は、親子でゆっくりと話し合いました。私が一方的に指図をするのではなく、「どうすればいいと思う?」とみんなで考えるところから始めたのです。

そうやって、1つ問題を解決すると、また次の問題が発生します。でも、問題に対して皆で工夫しながらストレスの少ない暮らしを模索してゆくことで、今まで受け身だった子どもたちも、徐々に時間の使い方を自分で決め、必要なときには助けを求められるようになりました。

自閉症スペクトラム+ADHDの診断がおりているわが家の子どもたちは、その特性から他人の動向に注意を払ったり、他人の気持ちを推察することが苦手です。なので、トラブルが起こるたびに話し合い、どういうケースでどういったコミュニケーションをすればいいかを一つひとつ学んでいきました。

「自分の物を使われるのは、お姉ちゃんにとってはとても辛いことだ」
「弟にはこういう風に接すればパニックを起こさずに意思疎通ができる」

このように、身近な人でも自分とは違うこだわりや、苦手があるということを学べる時間を作れたことは、子どもたちにとって、大きなメリットとなっています。

学校ではできないような、子ども達に合わせた勉強法!

勉強は私が見ることで、それぞれの特性に沿った学び方を考えられるようになりました。言語優位のアスペルガーである娘には、とにかく興味のある分野の本をたくさん図書館で借りてくることで、飛躍的に知識量が増えました。自分に自信が持てない娘の場合、努力の成果が目に見える形であらわれる方が向いていることがわかり、学年を越えた漢字検定などにチャレンジしています。

ADHD要素が強く、すぐに注意が逸れてしまう息子にはドリルを少量ずつ与え、目標時間を決めてタイマーを使います。終わったらすぐに丸つけをして、間違った問題は一緒に解くことで「やりとげる」ことができるようになってきました。

視覚優位の息子には文字から学ぶよりも、iPadのアプリやDVDなどを使った学習の方が正確な情報を速くインプットできることがわかり、デジタル機器も積極的に活用しています。

また、発達性協調運動障害を併せもつ息子は上手に文字を書くことができません。そこで、計算問題では読みずらい文字を書いたとしても不問とし、文字を書く練習は別ですることにしました。どの教科でもキレイな字で書くことを求められる学校の宿題には、きっと耐えられなかったことでしょう。

子どもの特性に合わせて学習を進められるのも、ホームスクールの大きなメリットだと考えられます。こうして安心して過ごせる場所を作り、楽しく学習できる環境を整えることで、子どもたちは精神的にとても安定しました。

学校や幼稚園に行っている間は疲れ果て、心を荒し、どんどん表情がなくなっていっていた子どもたち。しかし、今では毎日のびのびと笑いながら、嬉しいときにはくるくると踊りながら過ごしています。心に余裕が生まれたことで、いろんなことに意欲的に取り組めるようになってきました。

「レールから外れてしまった」ことに対する不安を払しょくすることはできませんが、何よりも大切なことは子どもたちが楽しく健康に生きることだと、子どもたちの笑顔に励まされる日々です。

「学校に行きたくない」という選択は、身を守るためのSOSかも知れない

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残念なことに、9月1日は子どもたちの自殺が最も多い日だといわれています。「学校をやめる」と決断する前の娘も、顔中にチックが出て、絶えず足が痛み、全身からSOSが出ている状態でした。

「普通は学校へ行きたくないと言っても『行きなさい』って言われるでしょ?私は『行かなくてもいいよ、ここにいればいいんだよ』って言ってもらえて救われた。あともうちょっとで、心が死んでしまうところだった。

本当に学校に行かなくなっても責められなかった。学校から逃げてダメな人間だと思っていたけど、毎日幸せだからこれでいいんだなと思えるようになった。」

娘は今、そんな風に話しています。

学校生活を楽しめる人にとって、学校はとても素敵な場所でしょう。

でも、心が苦しくて張り裂けそうになっている子供には、「行かなくてもいいよ」「体が辛いときと同じように、心が辛いときも休めばいいんだよ」という選択肢を示してあげることは、とても大切なことだと思うのです。

そして「行かない」という選択をした子どもたちが自分を責めることなく、安心して過ごせる環境を整えていくことが、親にできる最大のサポートではないでしょうか。

子どもたちが命をかけてまで行かなければならない場所など、一つもありません。同時に「行かない」という決断を下すことも、とても勇気のいることです。

子どもたちが、ギリギリのところで必死に出したSOSを受け止めてあげませんか?「なぜ行けないんだ」と子どもを責めるのではなく、ゆっくりとお茶を飲んだりお喋りをしたりして、お子さまを安心させてあげることから始めませんか?

大切なのは、どこで生きるかではなく、どう生きるか。

私はそう思います。

学校に行かなければすべてが終わるわけではありません。ホームスクールで心を回復させたわが家の子どもたちは、習いごとを増やしたり放課後等デイサービスに通うことで、新しい居場所や友達を見つけて、新しい一歩を踏み出しはじめています。

いろんな状況のご家庭があると思いますが、今一度、親としてお子さまに「どんな風に生きてほしい」のかを考えてみませんか。そして、お子さまが「どう生きたいのか」を聞き出してみてください。

そうやって言葉にすることで、大切にすべきものが見えてくるといいですね。

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