【医師監修】ピルで生理痛が和らぐって本当? 効能と副作用、注意点

【医師監修】ピルで生理痛が和らぐって本当? 効能と副作用、注意点

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避妊方法の中でも比較的知名度の高い、ピル。今回はピルの服用がもたらす効果や副作用、注意点などについてご紹介します。







この記事の監修ドクター

麻布十番 まなみウィメンズクリニック 院長 今井愛先生

女医+(じょいぷらす)所属。産婦人科専門医、医学博士。
http://www.azabuwomens-cl.com/
ピルで生理痛が和らぐメカニズム

まずは、ピルとはどのような薬なのかを、ピルと生理痛の関係性も含め説明していきます。
ピルってどんな薬?
ピルは女性ホルモンを含む内服用の避妊薬で、経口避妊薬とも呼ばれています。女性が定期的に飲むことで、排卵や子宮内膜の増殖を抑制し、妊娠を防ぎます。避妊の効果はコンドームよりも高いとされており、正しく服用すればほぼ100%確実に避妊できるといわれています。毎日1回飲むのが、おおまかな服用方法です。

ピルは、1960年にアメリカ初のピル「エナビッド10」が認可された頃から使われています。当時の製品はホルモン含有量は数倍から数十倍にものぼるため、身体の負担を考えると長期服用は不向きとされていましたが、現在では副作用を抑えたり安全性を高める改良がこれまでに加えられてきています。

ピルで生理痛が改善されるのはなぜ?
“ピルを服用すると生理痛が軽くなる”という話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

これは本当です。増殖した子宮内膜の中にはプロスタグランジンという物質が含まれています。この物質が子宮収縮を促すことにより、痛みを引き起こし、生理痛となるわけです。ピルが含むホルモンには子宮内膜の増殖を抑える作用があるので、服用中は子宮収縮による痛みが通常よりも軽くなります同時に、出血が少なくなったり、まれに出血がないという事もあるようです。

ピルの効能と種類、副作用

ピルがもたらす効果や副作用についても知っておきたいところ。次はピルで避妊ができる理由や避妊以外の効能、副作用などについても触れてみましょう。

ピルで避妊できるメカニズム
ピルに含まれているのは、エストロゲンとプロゲステロン類似ホルモン。それらが働くと、実際には妊娠していないにも関わらず脳下垂体が「妊娠した」と認識します。この認識により、排卵を促す際に必須である黄体化ホルモン(LH)の分泌が抑制され、卵巣は排卵しなくなります。ピルの服用を止めると、今度は妊娠の状態が終了したと脳下垂体が感知し、再び排卵が始まります。

ピルの作用は、大まかに3つ。1つ目は、卵胞を成熟させるホルモンの分泌を抑制させる作用。これにより、排卵が起こらなくなります。2つ目は、子宮内膜の増殖を抑える作用で、着床しにくくします。3つ目は、子宮の入り口である子宮頚管の粘液を変化させることで、精子が子宮に入りづらくさせる作用です。

こんなメリットも!避妊以外のピルの効能
避妊薬として認知度の高いピルには、避妊以外にも次のいくつかの効果があります。



・生理痛・生理による出血が抑えられる

・生理周期が安定する

・生理前の不快な症状(PMS)が軽くなる

・肌荒れやニキビなどの肌トラブルの改善

・乳房の良性腫瘍の発生率が下がる

・子宮体がん、卵巣がんのリスクが下がる

・子宮内膜症の予防や改善

ピルの種類
現在で出回っているピルのほとんどは、「低用量ピル」ですが、10数年前までは「中用量ピル」「高用量ピル」というものも普及していました。これらの違いは、副作用の原因となる卵胞ホルモンの含有量の違いです。

さらに、低用量ピルには、21錠タイプと28錠タイプがあります。大まかな違いは、服用の頻度です。21錠タイプの場合は、21日間毎日服用した後、7日間服用を休止し、その後にまた21日間の服用を再開するという方法。一方で、28錠タイプでは、ひたすら毎日服用します。

このように服用方法はそれぞれ異なりますが、避妊の効果に違いはありません。実は、28錠タイプに関しては最後の7錠分は有効成分を持たない偽薬(プラセボ)なのです。そのため、どちらを服用しても7日間は服用を休止していることになるのです。

28錠タイプは、毎日の服用を習慣化させる事により、最後に服用した日や休止の7日間をいちいち覚えていなくても正しく服用できるメリットがあるのです。

また、低用量ピルはホルモンの組み合わせによって一相性、三相性の2種類にも分類されますが、これらは効果自体に違いはありません。

ピルの副作用
副作用を感じる人は少数であり、特にトラブルは何もなかったという人がほとんどのようです。しかし、ピルが身体に慣れてホルモンが安定するまでは、不快な症状が見られることがあります。

その症状とは、吐き気やだるさ、頭痛などが挙げられますが、これらはあくまでも一時的なもの。1〜2週間、最長で10週間以内に落ち着くのが一般的です。乳房の張りが気になる場合もありますが、これも3〜6カ月ほどの症状です。

また、ピルの服用を開始した頃には性器出血がみられることがあります。ただし、このような場合には特に服用は継続して問題ありません。通常1カ月以内に出血はおさまります。

ピルのよくある不安・疑問Q&A

正しく使えば避妊効果は確実ともされるピルですが、まだまだ安心しきれないという人も多いはず。次は、多くの人が気になっているピルに関する不安や疑問についてご紹介します。

安全な薬なの?
開発当初の製品は、ホルモン含有量が多かったために身体への負担が大きいとされていました。しかし、現在のピルは改良されており、服作用も抑えられ、安全性も高くなっています。ピルは世界で最も服用者数の多い薬剤ともいわれており、服用率は先進国になればなるほど高い傾向が見られます。ドイツでは約60%、ヨーロッパ全体では30%、北米では16%の女性が服用しているそうです。日本では2%弱の女性が服用しています。

飲んだらすぐ避妊できる?
長期間にわたってピルを飲み続ける事で、不妊症になってしまうのではないかと不安になる人もいるのではないでしょうか。しかし、ピルは服用を中止さえすればすぐに妊娠が可能です。排卵は、ピルの服用を中止してから1カ月以内で再開する人がほとんどなので、妊活をする際には次の月経を待つ必要はありません。

ピルを飲むと太るって本当?
結論から言うと、ピルには太る作用はありません。日本で実施した臨床試験では、ほとんどの人が体重の増減は±2キロの範囲に落ち着いていることが分かっています。ただし、古いタイプのピルの場合は含まれるホルモン量が多かった関係で、太ることはあったようです。

飲み忘れたらどうすればいい?
1錠飲み忘れた場合は、飲み忘れに気付いた時に1錠すぐ飲み、その日も通常通りに飲みます(飲み忘れに気付いた日に2錠飲むことになります)。2錠以上飲み忘れた場合には、忘れずに1日1錠飲んだ場合と辻褄が合うまで1日2錠の服用を続けます。その後は、1日1錠に戻します。

2日飲み忘れの場合、気づいた日に2錠、翌日から1錠でOKです。いずれにしても、飲み忘れた場合に服用を中断してはいけません。 1〜2日ほど飲み忘れても、すぐに妊娠することはありません。3日以上飲み忘れの時は再開してから1週間は避妊効果がなくなります。
どこで購入できる?値段は?
産婦人科で処方してもらう形が一般的ですが、中にはピルの処方に対応していない所もあるようです。処方にあたり、簡単な問診と場合によっては血圧測定が必要です。数カ月分まとめて処方することもできます。

値段は、1シート(1ヶ月分)につき、およそ3,000円。1日あたり約100円となります。(別途、診察料・処方料が発生します)

ピルは基本的に一般で販売していませんが、ネットなどの通販で購入することも可能です。しかし、そのような方法で購入した場合には安全の保障がありませんので、必ず産婦人科で処方をしてもらいましょう。

まとめ
ピルそのものは、正しく使えば避妊効果は十分に期待できるほか、生理痛の緩和や女性特有の病気の発生リスクを下げるなどの効果もあることが分かります。取り扱う際に最も注意しておきたいのが、入手の方法。ピルを利用するには受診が必要ですが、安全・確実に利用するためには省けない手間と言えるでしょう。

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