富士ゼロックスのママ社員が育休中に考えた「問いかける」ことの大切さ

富士ゼロックスのママ社員が育休中に考えた「問いかける」ことの大切さ

2017年5月18日公開

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「仕事と子育ては両立できるのか」「どうすれば育児をしながらでも働きやすい職場になるのだろう」……。働きながら子育てをする際に避けては通れない不安や悩み。それらの問題を解決するべく、大企業内で社内改革に取り組んでいる一人の女性がいます。

その女性とは、富士ゼロックス株式会社で働く松林景子さん。「仕事と子育てを両立する理由」というテーマのインタビュー連載を一人で開始し、それを社内WEBサイトに掲載するなどして、子育てに対する社内の意識改革に取り組みはじめました。働きながら子育てをする社員のリアルな声を伝える彼女の活動は、人事部や管理職層へと届き、それまで子育てに関心を持たなかった社員と、子育て中の社員の声をつなぐ「橋渡し役」となることも増えたといいます。

一人で活動を開始し、取材して記事を作成し、まわりの人々の意識を変えていくこと。すでに社内での体制が整っている大企業において、こうした活動を進めていくことは簡単なことではありません。松林さんはどうして、働きやすい職場の環境づくりに取り組み始めたのでしょうか?

今回は、2017年5月に育休から職場復帰をした松林さんに、同じく5月に復帰したばかりのクレディセゾンの北がインタビュー。母親という視点から会社に貢献できること、そして彼女が考える育休中で得たものの活かし方、家族とのコミュニケーションのポイントとは。


取材:CHIENOWA編集部 文:秋山悠紀 撮影:岩本良介 取材協力:象の鼻テラス
※このインタビューは二人の育児休暇中に行いました。
プロフィール

松林景子(まつばやし けいこ)
富士ゼロックス株式会社 ヒューマンインターフェイスデザイン開発部所属。育休中は、娘の千景ちゃんと共に楽しめることを意識して過ごした。地域の子育てサークルに参加したり、趣味であるオーケストラの練習に参加したりすることも。

北亜矢子(きた あやこ)
株式会社クレディセゾン 営業企画部 / CHIENOWA編集部。育休中は家族と公園で過ごしたり、趣味のパンづくりをしたりしながら、娘のひなたちゃんとの貴重な時間を過ごしていた。
仕事と子育ての両立を実現するには、スーパーマンじゃなきゃだめなのか
:CHIENOWAの編集部員から「富士ゼロックスでCHIENOWAみたいな活動を子育てをしながら一人でしている人がいる」という話を聞きました。子育てをしながらなんてすごい! どんな人なんだろう、と興味が湧いて今日はお話をうかがいにきました。よろしくお願いします。

松林:ありがとうございます。いまは育休中で、復職後も活動は続けていく予定なんです。いまは仲間も増えたのですが、一人で活動をスタートさせ、これまでどう取り組んできたかをお話しさせてもらえればと思います。よろしくお願いします。

:まずは、社内で取り組んでいる活動について、詳しく教えていただけますか?

松林:富士ゼロックスには、社員が業務時間を使って会社や自分自身を成長させるために必要な活動ができる「Virtual Hollywood® Platform(バーチャルハリウッド・プラットフォーム)」という仕組みがあります。私はこれを活用して、仕事と子育てを上手に両立している社員をインタビューした記事を社内ネットで公開しています。

記事のテーマは「仕事と子育てを両立する理由」というものです。仕事を100パーセントでバリバリやって、なおかつ子育ても完璧にこなしている「スーパーマン」「スーパーウーマン」のような人たちっていませんか? それはとてもすごいことですし尊敬もするんですが、みんながみんなそうではないですよね。

でも、富士ゼロックスの社内には、子育てをしながら働いている人がたくさんいます。いわゆる「普通」の人でもうまく両立していけることを、社内の方々を見て感じていたんです。そんな実践者である彼らに、両立していくなかでの良いことだけではなく、困っていることも含めて本音で語ってもらえれば、働き方に対する改善点が見えてくるんじゃないかと思い、社内でインタビューを進めていきました。自分自身が妊娠中に感じたことを記事にしたこともありましたね。

富士ゼロックス 松林景子さんと娘の千景ちゃん
:活動を始めたのは出産前ですよね。なぜ、その活動をやろうと思ったのでしょうか?

松林:入社3年頃までは、妊娠・出産によって仕事にブランクができるのも昇格に影響が出るのもすごく嫌だと思っていました。というのも、社内のマネージャーを見てもまず女性がほとんどいないんです。いたとしても仕事一筋でやってきた方ばかりで、「私はそういうタイプではないな」と感じていました。そこで、子育てをしながらでももっと活躍できるような会社にしたいと思ったんです。

そのひとつの施策として、社内託児所を作りたいと提案したのですが、「そんなニーズ本当にあるの?」という否定的な意見ばかりで、「社内の考え方や動きを変えるためには、意識改革から始めないといけない!」と活動をスタートさせました。
育児への理解が進まないのは、ただ育児の現実に触れる機会が少ないだけ

CHIENOWA編集部 北亜矢子
:私は産休前は労働組合に所属して、いろんな企画を上司や同僚に協力してもらいながら実施してきました。なので、企画したものを実際に形にする大変さはよく分かります。それを1から10までひとりで行う松林さんはとにかく「すごい!」の一言に尽きます。「ニーズがない」と言われたところからのスタートとおっしゃってましたが、インタビュー記事を読んだ人からはどういった反響がありましたか?

松林:予想以上に多くの方が記事を読んでくれて、大きな反響がありました。共感の声が多く、また社内の人事役員から「うちの会社の問題は何だと思う?」と聞かれたこともありました(笑)。発信をすると、共感したいろいろな人が応援してくれることを実感しましたね。

:社内の身近な方たちのインタビューだからこそ、共感が得られたのかもしれませんね。この活動を始めてから、松林さんご自身に考え方の変化はありましたか?

松林:妊娠や出産に前向きになっていきました。また、入社5年目くらいになってくると自信もついてきて、いい意味で会社に執着がなくなりました。私の人生はこの会社の中だけではないなと。

また、私自身が妊娠中つわりが酷くて、毎日吐きながら時短勤務で働いていたときのことも記事にしたのですが、この記事を読んだ他部署の部長さんが「100パーセントの状態で働けないという視点はいままで持ったことがなかった」と言ってくれました。社内託児所にニーズがないと言っていた人たちの多くは、自分が健康じゃない状態で働くことや、誰かのケアをしながら働くことに直面したことがなく、その不自由さを考えたことがないんだ、ということに気づきました。

インタビューはお互いにお子さん同席で行われた
:クレディセゾンの社員は7割が女性なんですが、若手社員と仕事やプライベートの話をしていると、「結婚や出産を含めて、自分のプライベートも充実させながら仕事もしっかりこなして活躍したい」という意見が多いんです。ワークライフバランスが重要視されている時代だなと感じます。なので、松林さんのような方がいることは、会社にとってもメリットがあるし、後輩にとっても心強いと感じました。本当に素敵な活動ですね。

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