ミリオン突破の絵本作家ヨシタケシンスケ。子どもの想像力を育む絵本5選

ミリオン突破の絵本作家ヨシタケシンスケ。子どもの想像力を育む絵本5選

2018年5月25日

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2013年に絵本作家としてデビューし、同年「第6回MOE絵本屋さん大賞」「第61回産経児童出版文化賞美術賞」を受賞。いまや、書店の絵本売り場にはかならず作品が並んでいる、大人気の絵本作家ヨシタケシンスケさん。やわらかくかわいいタッチで親しみやすいイラストなのに、「どういうこと!?」と突っ込みたくなるタイトルや、ドキっとさせられるような深いテーマが印象的です。

今回は、2児の父でもあるというヨシタケさんの感性が光る5作品を、クレディセゾン社員がレビューしました。読んだ後は大人も子どもも、やわらかいアタマになった気がする作品ばかり。読み聞かせているときの、ユーモラスな親子のやり取りもお楽しみください。
子どものもちもちほっぺを触りたくなる! 親子のスキンシップを生むかわいい絵本

『こねて のばして』

1,058
著者:ヨシタケ シンスケ
出版社:ブロンズ新社
文:木本 綾子(クレディセゾン 東京支社 育休中に執筆)
3歳の女の子、1歳の男の子のママ
家族みんなでスキンシップを楽しむことができ、自然と親子が触れ合う機会を増やしてくれる絵本です。

物語は、主人公の男の子が、白くてふわふわな「なにか」の生地を、こねたり、のばしたり、つついたりしていくもの。3歳の上の子も、この不思議な生地から「いったいなにができるんだろう?」と興味津々です。

本を読み聞かせている私も楽しくなってきて、主人公の男の子の動きに合わせて、子どもたちをツンツンしたりチューと吸いついたりすると、「もっとやって~!」と大喜び。

1歳になったばかりの下の子は、話の内容はまだ理解できませんが、最後に生地を「コチョコチョコチョ」するシーンに合わせてくすぐると、声を出して大笑いしていました。リズミカルな内容に、きょうだい二人でほっぺたやおなかをモミモミしたり、手をぱちぱち叩いたりしながら、仲良く楽しんでいます。

男の子が白くてふわふわな生地をこね、さまざまなものをつくる姿に、想像力がかきたてられます(筆者私物)
わが家では、寝る前の絵本の時間になると、子どもたちからの「これ読んでー!」が始まります。読み終わると「もう1回!」とおねだりされるので、最近では毎日2回読むことがすっかり日課に。物語は短めで言葉のリズムも良いため、読み聞かせもしやすくて、読むたびに思わず笑ってしまいます。イラストもかわいらしく、1日のいろんな疲れを吹き飛ばしてくれる一冊です。
子どもならではの自由な「真似っこ」の世界。親子で笑える一冊

『なつみはなんにでもなれる』

1,080
著者:ヨシタケ シンスケ
出版社:PHP研究所
文:鈴木 文(クレディセゾン 産休中)
4歳の女の子のママ
子どもが、なんでも真似っこし始める時期って、訪れませんか? この絵本は、主人公のなつみちゃんがお母さんにいろいろなモノマネを披露し、なんの真似か当ててもらうことから始まるお話です。なつみちゃんが出題するのは「せんたくばさみ」や「サンタさん」に始まり、「おかあさんがよくやる『ゆですぎたブロッコリー』」「からあげをいーっぱいたべたいきもち」など、子どもならではの自由な発想力と独特の表現力で繰り出される難問ばかり!

子どもの表現力が生み出す難問モノマネに、ついつい笑顔になります(筆者私物)
なかなか正解することができないお母さんに怒り出すなつみちゃんと、家事の片手間に適当に答えてしまうお母さんのやりとりに、クスクスっと笑いがこみ上げてきます。4歳になる娘も大笑いしながら、なつみちゃんを真似っこ。なにげない日常のひとコマがリアルに描かれており、普段の私と娘のやりとりもこんな感じだなあと振り返りながら、親子で笑える一冊です。
「服が脱げない」ことから始まる、無限の妄想に驚かされる

『もう ぬげない』

1,058
著者:ヨシタケ シンスケ
出版社:ブロンズ新社
文:関根 彩香(クレディセゾン 産休中)
まもなく出産を控えるプレママ
「ぼくはこのまま、おとなになるのかな」。この物語の主人公は、一人で服を脱ぐことに挑戦するものの、服が引っかかって脱げなくなってしまった男の子。真剣に悩みながら、果敢に立ち向かう姿がコミカルなイラストで描かれています。母親の手を借りず、「じぶんで脱ぐ!!」と奮闘する姿は思わず応援したくなります。

そのうち、「服が脱げないんだったら脱がなきゃいいんだ」というちょっとした反抗心から、「ぼくみたいなこは、ほかにもいるかも」など豊かな妄想がスタート。そんな妄想も、母親の登場によって、いとも簡単に終止符を打たれてしまう様子がかわいらしく、思わず笑ってしまいます。

服が引っかかってしまうという日常の風景から、自由な想像の世界が始まります(筆者私物)
喉が渇いたときの対処法など、服が引っかかったまま生きていくための方法を考える子どもの壮大な想像力に、「えっ、こんなことまで考えるの?」と驚かされました。出産を目前に控え、これから育児に向き合うことになる私は、子どもの「学び」と「考える力」の無限の可能性を感じ、まだ見ぬわが子はどんなふうに驚かせてくれるんだろうとワクワクしました。

ついつい忙しくて見過ごしてしまいそうな日常のあるあるに、子どもと一緒にじっくりと向き合う心のゆとりを忘れないようにしよう。そして、自分の子どもにも、この話の主人公のような豊かな想像力をもって、たくましく成長してほしいなと思わせられました。
ちょっぴり哲学的? 「~かもしれない」という想像力が世界の見方を広げてくれる絵本

『りんごかもしれない』

1,512
著者:ヨシタケ シンスケ
出版社:ブロンズ新社
文:吉田 昂平(クレディセゾン プロモーション戦略グループ)
2歳の男の子のパパ
この絵本は、机の上にある「りんご」を見つけた男の子の、「もしかしたらこれは、りんごじゃないのかもしれない」という想像から始まります。

始めは「反対側はみかんかもしれない」「じつはなにかのタマゴかもしれない」といった見た目を想像します。読み始めると息子は「えー! タマゴー!?」と言いながら、目をキラキラさせて聞いてくれます。

そこから、「そだてると おおきないえになるのかもしれない」「こころがあるのかもしれない」と、どんどん想像は加速。突飛な想像を解説する絵もおもしろく、息子は「~かもしれない」というフレーズを真似しながら、どんどんページをめくるよう私をせかしていきます。

「りんご」をさまざまな角度から検証する、どこかゆるいイラストもユニークです(筆者私物)
ヨシタケさんの絵本は、シンプルで子どもにわかりやすい作品が多いですが、この物語は哲学的ともいえる内容。私たちが「当たり前」と思っていることの裏側をちょっぴり考えさせられて、大人も楽しめる作品です。
子どもと考える。「死ぬ」ってどういうこと?

『このあと どうしちゃおう』

1,512
著者:ヨシタケ シンスケ
出版社:ブロンズ新社
文:安田梨可(クレディセゾン 育休中)
6歳の男の子、0歳の女の子のママ
主人公の男の子が、亡くなったおじいちゃんの部屋で「このあとどうしちゃおうノート」を発見するところからストーリーは始まります。そのノートには、「死んだらどうなるの?」「天国ってどんなところ?」「生まれ変わったらなりたいもの」など、おじいちゃんが考える死後の世界や、死んだ後の希望がユニークに描かれています。

「死」は茶化してはいけない重いテーマと思いがちですが、6歳の息子と一緒に、「こんな天国ならおもしろそうだし行ってみたいね。でもこんな地獄はマジで嫌だね……」とワイワイ話しながら死生観を共有できる内容でした。

「死」というテーマを明るく伝えるイラストが印象的(筆者私物)
読み終えたあとの子どもとの会話でも、いろいろな発見があると思います。息子に「死んだらなにに生まれ変わりたい?」とたずねてみると、「ライオン」と答えました。その理由は「足が速い、強い、食べ物に困らないから」だそうで、それを聞いて、なるほどねと妙に納得(笑)。

日頃、「将来、役に立つからこれを習いなさい」「それはやめて、こっちにしなさい!」と先回りしていかにもな正解を用意するなど、つい親の固定観念を一方的に押しつけてしまいがちでした。どんなテーマも正解なんてなくて「自由に考えていいんだよ」「もっと肩の力を抜いていいんだよ」と私たち親に語りかけてくれているような、そんなポジティブな気持ちにしてくれる一冊です。
自由な真似っこをする子どもとのユーモラスなやりとりが印象的な『なつみはなんにでもなれる』、服が脱げなくなってしまった子どもを主人公にした『もう ぬげない』。2児の父でもあるというヨシタケシンスケさんならではの、子どもとの日常を切り取った作品がそろいました。

私たち大人がいつもなんとなく見過ごしてしまっていることのなかにも、子どもたちにとっては大きな疑問や発見があります。子どもの自由な発想に、大人も驚かされるヨシタケさんの作品。ぜひ、親子で想像力をかきたてながら楽しんでみてください。

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