子どもの障害、不登校、思春期。悩める親を応援する「教育カフェin静岡」

子どもの障害、不登校、思春期。悩める親を応援する「教育カフェin静岡」

2018年3月5日公開

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皆さんは子育てに悩んだとき、相談できる人や場所はありますか? 私が住む静岡県には、「教育について話をしたい」「よりよい教育を実践していきたい」という考えや、「子育てについて知りたい」「子どもたちをサポートしたい」という思いを持つ人々が集まる「教育カフェin静岡」というコミュニティがあります。元小学校教諭で、現在は子どもの育ちのアドバイザーとして活動されている岡山晃一郎さんの「教育について話せる場を作りたい」との思いから、昨年スタートしたものです。

「教育カフェin静岡」では、スクールカウンセラーや3人の発達障害のお子さんをもつママなど、毎回テーマごとに異なるスピーカーが登壇し、参加者同士の交流が行われています。今回は「障害がある子どもたちの教育」をテーマに、特別支援学校高等部の杉山先生が登壇されました。当日の様子をクレディセゾン社員がレポートします。

文:山本 葉子(CHIENOWA)
アドバイスに救われた私が、今度は誰かを救いたい
私には娘が2人いますが、下の子が中学2年生のときに「登校しぶり」になりました。その当時は、「自分の子が!? まさか……」という気持ちが強く、引きずってでも学校に連れて行くのが親の役目だと思っていましたが、うまくいきませんでした。そんなとき、不登校の子どもを持つ先輩ママたちのコミュニティに出会い、そこで「まずは子どもの気持ちを受け止めてあげること」というアドバイスをもらいました。その言葉を聞いて初めて、私は子どもと向き合うことができたように思います。

子どもに付き添い登校したものの、本人の浮かない表情を見て「今日は行くのやめようか」と声をかけて校門前で引き返したこともあります。そうして半年ほど時間をかけて、子どもにいきいきとした生活が戻ったことから、今度は自分が誰かのお役に立てたらと考えていました。そんなとき、仕事を通じて出会ったのが「教育カフェin静岡」を主催する岡山さんでした。

岡山 晃一郎さん
あまり知られていない、特別支援学校のそのあと
特別支援学校とはどのようなところなのか、またそこに通うのはどんな子どもたちなのか、イメージできますか? 私には「知的障害や身体障害のある子どもたちが通う学校」、その程度のイメージしかありませんでした。特別支援学校や、地域の学校に設置された支援学級に通う子どもたちの中には、見た目ではわからない障害を持つ子もいます。今回の教育カフェに参加して、そういう子どもたちが抱える課題の中でも、学校を卒業したあとの支援不足が深刻な問題であることを初めて知りました。

障害のある子どもの場合、基本的に学ぶ場所は高校で終わり。その後の進路は就職となります。今年の4月から、企業や地方自治体における障害者の法定雇用率が引き上げとなりますが、障害の度合いや住む地域によっては受け入れ先がなかったり、運よく就職しても、障害に対する理解が乏しく苦労するケースもあります。一見してわからない障害の場合、「なんでこんなこともできないの?」と言われてしまうこともあり、本人もストレスを抱えることになります。そういう話を聞いて、「就職するタイミングが高卒って早いなぁ。生活支援が必要な子どもたちこそ、進学して自立支援を受けられると良いんじゃないか」と思いました。

実際に、独立行政法人日本学生機構の調査によると、全国の大学などで学ぶ障害のある学生の数は、平成18年度に4,937人だったのが、平成28年度には27,257人と、この10年で5.5倍に増えています。文部科学省は昨年4月に「特別支援教育の生涯学習化」を掲げ、これからは「学校を卒業するまで」と「学校を卒業してから」の支援を連動させながら、障害のある子どもたちを支援していくようです。

特別支援学校高等部を卒業した子どもたちの進路のひとつとして、大阪府岸和田市にある「シュレオーテ」の紹介がありました。ここは福祉事業型の青年期教育の場ということで、子どもたちは2年間かけて、生活面での自立を学びながら、主体的に自身の進路を選択していくプログラムになっています。杉山先生は、障害を持つ子どもたちの未来につながるこのような場所を増やす活動を、この静岡でもしていきたいと話していました。参加者からは「知らないことが多すぎることに気づいた」「知ることができて良かった」という感想が多く出ました。

子育ての悩みを共有できる場でもある。解決のヒントが見つかることも
今回の教育カフェには、放課後デイサービスや学童に勤務している方、不登校の子どもを持つパパ、子育てに関する情報収集にきたパパ・ママといったさまざまな立場の方が参加していました。講演のあとに行われた参加者同士の交流会では、一般の教育現場の問題として、教師と保護者のコミュニケーションが十分に取れないという話題がでました。経験上、三者面談や家庭訪問、参観日などのタイミング以外に、教師と保護者が改まって話す機会がないのはよくわかります。

保護者の立場としては、多忙な先生に個別で時間を取ってもらうことにためらいの気持ちがあるという意見が出ました。しかし、タイムリーに悩みを相談できないことで子どものケアが遅れ、さらに事態が悪化してしまうということも。杉山先生からは「教師はいつでも相談を受ける体制はありますので、子どものサインに気づいたら小さなことでも声をかけてください」というアドバイスがありました。

悩みごとがあるとついついネットで検索したくなりますが、リアルな場に足を運んでみることで、スッと解決できることもきっとあるはず。私は娘の登校しぶりを経験したいまなら、「学校に行けない子どもの気持ちに寄り添えば、子どもは前に進める」とわかります。しかし、当時はそんなふうには思えませんでした。悩みを解決するヒントを得るために自ら情報を取りに行くことを、私はおすすめしたいです。静岡県近郊にお住まいの方は、気になるテーマの回に是非、教育カフェを訪ねてみてはいかがでしょうか。
イベント情報

教育カフェin静岡
教育カフェは水曜日の19時から20時45分まで月1回のペースで開催されます。
開催場所:スムージー・コールドプレスジュース専門店「So Juice」
静岡県静岡市葵区呉服町2-5-6地下1階 JR静岡駅徒歩10分
プロフィール

山本 葉子(やまもと ようこ)
株式会社クレディセゾン 静岡サテライト所属。ワーキングママ歴20年。大学生と高校生の娘を持つ2児のママ。

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