半世紀以上愛されるかこさとし作品。子どもが楽しく学べる絵本5選

半世紀以上愛されるかこさとし作品。子どもが楽しく学べる絵本5選

2017年10月12日公開

Bu facebook
Bu twitter

91歳にしてなお、精力的に絵本の創作を続けるかこさとし(加古里子)さん。今年誕生50周年を迎える『だるまちゃん』シリーズをはじめ、長きに渡り愛され続ける作家です。

じつは工学博士であり化学にも造詣が深いかこさんの作品は、知識に裏打ちされ、子どもたちをワクワクドキドキさせてくれる魅力がいっぱい。そんなかこさとしさんのロングセラーから新刊まで、5作品をクレディセゾン社員がレビューしました。
これを読めばコウノトリ博士! 興味や知識を持つことが保護の第一歩に

『コウノトリのコウちゃん』

1,296
著者:かこ さとし
出版社:小峰書店
文:石原 葉子(クレディセゾン 営業推進部)
千葉県出身。「谷津干潟」で水遊びをする野鳥を、毎朝通勤電車から眺めるのが日課
2017年2月に出版されたばかりの、新しい作品です。コウノトリ親子の冒険モノかなと想像して読み始めました。実際はコウノトリの若者の成長物語だったので、ハラハラドキドキの内容ではありませんでしたが、コウノトリにとってヒトとの共生はまさに冒険なんだなと感じました。

コウノトリは高いところに巣をつくるのですが、嵐で巣が落ちてしまったとき、村の人々が消防署のはしご車で助けてくれたり、育った村のお祭り練習に参加したり。村の人々とともに成長していくコウノトリたちの姿を見ながら、巣のつくり方、雛の守り方、餌の種類、餌の捕り方など、その生態が自然に学べます。

いちばん印象的だったのは、絵本のクライマックスでもある「カタカタ踊り」のエピソード。コウノトリのコウちゃんたちが、お祭りでカタカタとくちばしを鳴らしながら、村人たちと一緒にみんなで楽しく踊る様子に心が和み、「農村風景に馴染むカタカタ音を聴いてみたい!」と興味をそそられました。

絵本には、カバーなど本文以外の箇所にもコウノトリについての説明があり、知らないことの多さに驚かされました。大それた活動はできなくても、小さな知識や興味を持つことがコウノトリ保護の第一歩につながると思いました。読後はコウノトリ博士になれること間違いなしです!
子どもと一緒に笑いながら、歯の役割や働きを学べる絵本

『はははのはなし』

972
著者:加古 里子
出版社:福音館書店
文:蒋 晶晶(クレディセゾン 債権管理部)
6歳の女の子と3歳の男の子のママ
「はっはっは」という愉快な笑い声で始まって終わる、「歯」の話。

娘に読み聞かせると、最初と最後のページは登場人物と一緒に大爆笑しながらも、虫歯のしくみや、歯を守るためにできることといった本題の内容は真剣に聞いてくれました。そのあとは娘自ら、声を出して読み返していたほど。

娘がいちばん気に入っているのは、20、21ページ。ここでは、「小さいときの歯が虫歯だったり欠けていたりすると、あとから生える歯がまがったりねじれたりすることがある」と説明されています。これを読んだ娘が、「子どものときに虫歯になっても、大人の歯になったらいい歯ができると思っていたけど……違うんだね! もっと、歯を大切にしなきゃ」と真顔で話してくれたのが印象的でした。

娘がお気に入りの20、21ページ
これをきっかけに、娘が歯の大切さを理解し、日々の歯磨きをもっと頑張れたらいいなぁと思っています。役立つ情報のたくさん詰まった本ですが、堅苦しくなく、子どもにもとてもわかりやすくておもしろい絵本です。
本いっぱいに描かれたイラストから、子どもが毎回新しい発見をしてくれる

『あさですよ よるですよ』

972
著者:かこ さとし
出版社:福音館書店
文:石榑 幸子(クレディセゾン 営業企画部)
2歳の男の子のママ
こちらも2017年2月に出版されたばかりの新刊で、2歳くらいから一緒に読める絵本。豆の家族の一日の生活を描いています。わが家の生活リズムに似ていたので、読み聞かせるときも「これ、うちと同じだね~」と子どもに共感させながら進めることができました。

朝起きたときは「おはよう」、ご飯のときは「いただきます」……と、状況に合わせた挨拶の練習をするのにとてもよかったです。子どもが「あ! ねんねしてる!」などと絵を見ながら発見してくれるので、その度に「ねんねのときはなんて言うの?」といったふうに問いかけながら、一緒に勉強しました。

また、イラストには多くの野菜も登場するので、指でさして「これな~に?」と食べ物の勉強にもなりました。一方的に知識をつけるというより、絵を見て楽しんで自ら新しい発見をしてもらうことができるので、子どもにとってもたくさんの利点があるのではないかなと思います。

1ページあたりの文字量も少ないので読みやすく、語呂がいいのですんなりと耳に入ってきます。親としては、常に新しい発見ができる視野の広い人に育ってほしいので、この絵本は求めていた内容に近いのではないかなと感じました。
にんじんが、甘くてとってもおいしそう! 食べればこぶたも大変身

『にんじんばたけのパピプペポ』

1,080
著者:かこ さとし
出版社:偕成社
文:大都 真智子(クレディセゾン 育休中)
2歳の女の子と2か月の男の子のママ
怠け者の20匹のこぶた。ある日偶然見つけた「あかちゃいろのねのくさ」(にんじんのことです)を食べてみると、とたんに働き者に様変わりして……という物語です。

子どものころ、私自身も繰り返し読んでいたこの絵本。話のなかでこぶたが食べるにんじんが、とにかくおいしそうなのです! ひとくち、ふたくちとかじるごとに、パッと明るく変わるこぶたの表情も、にんじんを甘くてとてもおいしいものに見せてくれます。

2歳の娘には内容が少しわかりにくかったようですが、1回読んだあと、また娘が「読んで」と言ってきたので夫に読み聞かせをしてもらいました。すると娘は、「にんじん食べたかったのに、ママ、今日はつくってくれなかったよね」と言っていたそうです。娘にもおいしいにんじんに見えたのかな?

お利口で、元気にきれいになれるなら、なんでもたくさん食べてみよう! 偏食気味の娘がそんなふうに思ってくれたら嬉しいと思う一冊です。
開けてみて驚きの「新聞型絵本」! 四季を通じて、親子で楽しめる

『だるまちゃんしんぶん』

1,296
著者:加古 里子
出版社:福音館書店
文:山邉 まり子(クレディセゾン デジタルマーケティング部)
4歳と1歳の女の子のママ
絵本だと思って表紙を開いてみたらびっくり! なかに大きな封筒がついていて、春夏秋冬、全4部のかわいいだるまちゃん新聞が入っています。

だるまちゃんしんぶん
4歳の娘と「どの季節から読もうか?」と話しながら、新聞を広げて気になるコーナーを読んでいます。まるで本物の新聞のように、季節のニュースに迷路や工作、俳句など、1つの号に情報がいっぱい! 春号には、折り紙など家にある紙を切ってつくる桜のつくり方が載っていて、新聞を広げながら一緒に切絵で遊びました。

秋号で特集されている虫の合唱の様子からは、いろんな虫の鳴き声が知れたり、冬号では冬が旬の魚の種類が知れたりと、親にとっても勉強になる知識がたっぷりです。子どもと一緒に一年中楽しめる内容だなと思います。

コウノトリの生態、虫歯のメカニズム、季節の楽しみ方……。理屈を並べ立てると難しいことが、確かな知識に基づいてわかりやすく表現されている、かこさんの絵本。大人でもなかなか知らないような知識が盛り込まれているのはもちろん、それが難しくなくおもしろく読めて、自然に学ぶことができるのです。

日々の暮らしのなかで気づけずにいたことに、あらためて気づく機会を与えてくれる仕掛けがたくさん。かこさとし作品の魅力は、学びの楽しさを教えてくれるところにあるのかもしれません。

関連する記事

この記事のキーワード

RANKING
YESTERDAY

WHAT'S CHIENOWA?

staff_pickup