「1mmも頑張らず」美味しく手抜き? 逆・リア充ママへの子育て応援レシピ本

「1mmも頑張らず」美味しく手抜き? 逆・リア充ママへの子育て応援レシピ本

中田ぷう『闘う!母ごはん』

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文:武田聡子(CHIENOWA)
「私自慢のリア充本」についていけない人なら、きっと共感ポイントがたくさんある
料理本で「簡単!」というキャッチフレーズのレシピがあっても、実際に作ってみて「これホントに簡単か?」とついていけないのは、私だけじゃなかった!

たとえば「野菜別の作り置き簡単レシピ」など、便利そうな本を何冊か購入したものの、結局何品かを一度作って挫折……続かずじまいでした。『闘う!母ごはん』を知ったのは、「短時間で簡単に作れて、子どもも食べられる(辛くないとか苦くないとか)献立はないものか」と、本気で悩んでいた時期のこと。お友達がSNSでシェアしていた「1mmも頑張らないでいい料理本」というタイトルの紹介記事を見て。

著者自身が「逆・リア充本」と名付けているとおり、素人にも簡単なレシピばかり。しかも美味しいのです! レパートリーに悩み、おしゃれごはんをSNSでアップする高スペックママの情報に疲れてしまった人にぴったり。おしゃれごはんには憧れますが、働きながら子育てをする人にとっては、現実的ではないですよね。

ともかく著者、中田ぷうさんに、お名前からしてかなりの好感度。自虐グセがおありのようですが、そこがまたハマりました。

ぷうさんも、5歳と13歳の子をもつ母でありながら、がっつり働くフリーランスの編集者。毎日時間に追われるなかでも「手作りごはん」にこだわるのは、「お母さんのごはんをキチンと食べさせることが、子どもの心と体を育てる」と言われて育ったからだそう。私も食事の栄養には気をつけるよう母から口すっぱく言われていたので、子育てで何を重視するかのポイントが自分の価値観と合っています。
「1mmも頑張らなくていい」のに、「こんな食材の使い方があるんだな!」と驚かされる
この本で私が特に惹かれたのは、文中にあった「わが家のごはん7か条」。なかでも次の3つが、私の「ごはん作りの手抜き信条」(笑)と、かなり合致していました。

まず、「フライパンや鍋の数をたくさん使わない」。洗い物を少なくするというのは基本ですよね。そして「1工程でできる料理だけに絞る」。肉で野菜をクルクル巻いたり、味つけをするタイミングがやたらに多いと面倒だし、イヤなんです。最後は「揚げ物は市販のものに頼る」。揚げ物は家でやると時間がかかるだけでなく、油の処理やコンロの掃除も大変ですし、まあ何と言っても上手く揚がりません。私も市販に頼っています。

こんなに共感するところがありながら、自分がまったく思いもつかなかったレシピがたくさん掲載されているのが大変魅力です。日記形式になっているため、旬の食材を楽しめる季節ごとのレシピも参考になります。

たとえば、レタスはいままでわが家ではサラダにしか登場しませんでしたが、大胆に半分に切って粉チーズをかけて焼くだけとか、ベーコンを炒めて油が出てきたら、リンゴを入れてベーコンアップルにするとか、「こんな使い方があるんだな!」と、新鮮な発想のレシピでびっくり。野菜や果物だけでなく、調味料や加工食品の使い方も幅が広く、仕事と同じように料理においても、「美味しく仕上げたい」という向上心がアイデアを増やす、ということを思い知らされるのです。
ホロリとさせられたり、クスッと笑ったり。子どもとの生活の喜びが伝わってくる
本書は料理本でありつつ、毎日のごはんが子育て日記とともに読めるようになっており、押しつけがましくない育児本でもあります。娘さんが小学一年生の夏休み、楽しそうに歩いている他の親子を見て夏休みも学童に入れっぱなしで申し訳ない気持ちになったぷうさんは、お弁当に毎日メモ用紙の手紙を添えていたそうです。中学生になった娘さんと口論になった際それを持ち出すと、全部取っておいてあるよと言われて涙した、というエピソードにはホロリときました。

レシピコーナーのネーミングもユニークです。「免罪符スープ」って何だと思いますか? スープは2、3食分の作り置きができるうえ、野菜を使って具だくさんにすれば栄養満点になります。つまり、スープがあれば他は手を抜いてもOK、というユーモアが込められているのですね。

他にも、とりあえず帰宅後の子どもの「おなかすいた〜!」を満たすための「黙らせ前菜」レシピコーナーなど、ニヤッと笑えるボキャブラリー。子どもたちとの生活での笑い声が聞こえてくるようです。

それに、料理本の編集をされているだけあって、ぷうさんはおしゃれなんです。「テーブルコーデ」のコーナーでは、100円ショップの赤地に白の水玉の紙コップと紙ナプキンをおやつのときにさりげなく使う。実際に私も真似してみましたが、ふだん紙ナプキンなぞ使わないので子どもは大喜びでした。
酒の肴レシピも充実しているから、大人も楽しめる
ぷうさんは、お酒をちびちび飲みながら夕飯の準備をするのが至福のときで、ウォーミングアップとして酒のつまみから作るそうです。わが家でも土日の夕飯は「つまみごはん」が中心なので、お酒にも合うレシピがたくさん載っているのは嬉しいです。

エビとセロリをにんにく風味にして紹興酒とナンプラーで炒めるレシピは、ぷうさんの子どもからも人気で横から取られるほどとのことですが、「大人向けの味なんじゃないの?」というレシピも少なくありません。そこが、子どものためだけでなく、お母さんの息抜きのためでもある一冊という、味を出しています。

ときには家事から逃走して、みんなで外でごはんを食べたっていいじゃないか(子どもは逆に喜ぶ)。カップラーメンもたまには食べたくなるさ! 毎日毎日子どもと向き合う生活のなかで、こだわる点は人それぞれですが、頑張りすぎて子どもに当たってしまうなら本末転倒。もっと「気、抜いていこう!」と言ってくれるところが何ともほっとします。仕事や育児など、何かに行きづまっているとき、ぜひパラパラッと手に取ってみることをおすすめします。生活を楽しく。毎日を楽しく。子育て中だってそういうライフスタイルでいいんだよね、と気づかせてくれる料理本です。
プロフィール

武田聡子(たけださとこ)
営業企画部プロモーション戦略グループ。5歳の女の子のママ。

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