女性だけのチームが風穴を開けた。異例すぎる麦茶moogyのチャレンジ

女性だけのチームが風穴を開けた。異例すぎる麦茶moogyのチャレンジ

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2016年2月より、ASKUL(アスクル)の運営するECサイト「LOHACO(ロハコ)」やカタログで先行販売を開始。16種類の女性らしい、思い切った独自のデザインで春夏パッケージが『2016年度グッドデザイン賞』を受賞した、キリンビバレッジの「キリン 生姜とハーブのぬくもり麦茶 moogy(ムーギー)」。

焙煎大麦、生姜、カモミール、レモングラスというぬくもり4素材の健康ブレンド麦茶で、無糖、カフェインゼロ、常温でも美味しく飲める飽きのこない味わいを実現。働く女性や子育てに忙しいママを中心に話題を呼んでいます。

男性のビジネスマンを主なターゲットに作られることの多い清涼飲料の世界で、女性目線のコンセプトを打ち出して人気上昇中の「moogy」は、開発スタッフも全員女性です。働く女性、ママ目線だからこそ実現した「moogy」のチャレンジと、女性にとっての清涼飲料開発という仕事について、キリンビバレッジ株式会社 マーケティング本部マーケティング部商品担当の菅谷恵子さんに聞きました。

今回は「SAISON CHIENOWA」1周年を記念して、読者プレゼントもいただきましたので、ぜひ記事最後の応募フォームからお申込みください!


取材・文:阿部美香 撮影:田中一人
プロフィール

菅谷恵子(すがや けいこ)
1997年キリンビバレッジ入社。生産管理、宣伝などの部門を経て、2001年よりマーケティング部に在籍。以降、「午後の紅茶」のブランドマーケティング、「世界のKitchenから」のブランド立ち上げ・マーケティングを担当し、2回目の産休・育休を経て2014年5月より「生茶」担当へ。2015年よりmoogyの新規開発にも携わる。短時間勤務を利用しながら、8歳と4歳の男の子の育児中。

▼moogyブランドサイト
http://www.kirin.co.jp/products/softdrink/moogy/
▼moogy公式Instagram
https://www.instagram.com/moogy_official/
大量消費が目的ではないからこそ、「女性の生活」というコンセプトを追求できた
—「生姜とハーブのぬくもり麦茶 moogy(ムーギー)」は、ボトルデザインが16種類あるだけでなく、商品名が目立たない、キャッチコピーも一切描かれていないなど、思い切ったデザインが目を引きますね。手描きのロゴも、あたたかみを感じます。

菅谷:ありがとうございます(笑)。そもそもは、社内の女性デザイナー3名が商品開発からコンセプト策定、デザインまでを手がけた異例のプロジェクトでした。私は途中からプロダクトマネージャー的な立場として参加させてもらったんです。

「生姜とハーブのぬくもり麦茶 moogy(ムーギー)」
—ここまで明確に「女性」や「生活」にコンセプトを絞った清涼飲料って、あまりなかった気がします。

菅谷:正直キリンにとって、ここまで「女性の生活」といったコンセプトの具現化を徹底した清涼飲料は、ほぼ初めての試みではないでしょうか。そもそもボトルタイプの清涼飲料は、どうしても男性がターゲットになりがちです。販売場所もコンビニエンスストアや自動販売機が中心ですから、仕事中のビジネスマンだったり、外で働く人が喉の渇きを潤してリフレッシュすることを想定して開発されることが多いんです。

また、飲料の消費量は胃袋の大きさに比例するので、男性のほうが圧倒的に量を飲みますし、加齢とともに飲む量が増えるというデータもあります。なので、基本的に缶コーヒーや炭酸飲料など缶やペットボトルに入っている飲料カテゴリーは、より多くの消費を求めると、男性向けにならざるを得ませんでした。
「『世界のKitchenから』は、キリンにとって女性を意識した初めての試みだった」
—だから、コンビニの棚に並ぶ清涼飲料は、パッキリ、シャキっとした男性好みのデザインや味わいのものが多くなっているんですね。ソフトドリンク界は、じつは男性中心社会だった(笑)。

菅谷:そうなりますかね(笑)。一応、私のなかではmoogyの布石になった商品があって、それが2007年から販売している「世界のKitchenから」というシリーズでした。これも後輩の女性から提案された「女性が本当に飲みたいと思えるものがないよね」「メーカーの顔が見えて安心できる自家製のような商品を作りたい」という想いを企画にして、立ち上げたプロジェクトです。

世界中の家庭に伝わる、食べ物や飲み物にまつわる伝統や知恵からヒントを得て、日本人のためにキリンがひとてま加えてお届けする。それがブランドコンセプトになりました。

菅谷恵子
—「キッチン」とつくネーミングも、世界中の家庭の暮らしのなかに息づく食材というテーマも、女性らしい「暮らし」の視点が見えるシリーズですよね。

菅谷:提案されたとき、「世界のKitchenから」が目指す、「女性が飲みたい飲料を作ろう」というコンセプトは、私もすごく共感しました。それまでも女性向け飲料はあったのですが、美容を目的にした機能的、サプリメント的なものばかりだったので、女性向けの普通の飲料を作っていいんだというのは、私個人にとっても新しい発見でしたね。
じつはあまりよく知られていないことの一つ。「清涼飲料」はどのように企画されるのか?
—ちなみに、ソフトドリンクはすごく身近にあるものですが、商品開発というのはどういったお仕事をされているのですか?

菅谷:大きく2つのパターンがあります。ひとつは「午後の紅茶」や「生茶」のように長年愛されているブランドをより強固にするプロジェクト。もうひとつが「世界のKitchenから」や「moogy」のように、ゼロからスタートする新製品プロジェクトです。

そのなかで私は、商品の味わいやイメージ、ネーミング、パッケージのデザインの提案など全体的なコンセプトを作るところから、プロダクトの最終仕上げ、広告宣伝の制作までを担当しています。私たちの仕事は、商品企画案を形にしてくれるみなさん同士を結ぶハブになることなんです。

「生姜とハーブのぬくもり麦茶 moogy(ムーギー)」(秋冬パッケージ16種類)
—ブランドリニューアルと新製品、それぞれコンセプトメイクにどのような違いがありますか?

菅谷:たとえば「生茶」は、2000年から販売されている歴史と緑茶というカテゴリーが絶対的なベースにあり、そこから飲料としての新しい魅力を作り上げていきます。

しかし新商品開発では、私の場合、まずお客様の視点からスタートします。「こういう人たちに向けて、こういう商品を作りたい」というように、直接商品を考えるというよりは、それを飲む方の「暮らし」からアプローチする。あとは「こういうドリンクを私は飲みたい」というところから考えていくことも多いです。「世界のKitchenから」シリーズはまさにそうでしたね。

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