桃太郎のオチが違う? 昔話好きが選ぶ「人生教訓」を描いたストーリー3選

桃太郎のオチが違う? 昔話好きが選ぶ「人生教訓」を描いたストーリー3選

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日本中で語り継がれている「昔話」は各地に伝わる伝説がもとになっていて、その内容には諸説あります。有名な「桃太郎」「浦島太郎」をとっても、絵本によってストーリーやキャラクター設定が違います。そこで、今回は昔話の絵本をたくさん読み比べてきたというママパパ社員に、お気に入りの1冊を紹介してもらいました。一体、どんなところに注目したのでしょうか?
わがままを言う「子どもらしいももたろう」が登場する、いままでにないストーリー

『ももたろう(松谷みよ子むかしむかし 第一集)』

1,188(税込)
著者:松谷みよ子(文) 和歌山静子(絵)
出版社:童心社
文:浦田 優
(クレディセゾン ファイナンスビジネス部 資産形成ローングループ)
6歳と5歳の男の子のママ
昔話を代表する「ももたろう」は、私の子どもたちも大好きなお話。いろいろと読み返すなかに、息子が保育園でよく手にする絵本もあったらしく、「これ知っている!」と自慢気に教えてくれました。

そのなかでも私がおすすめするのは、ちょっと変わった「子どもらしい」ももたろうが登場する異色の絵本です。本作では、成長したももたろうが、おじいさんおばあさんのお手伝いを「あした やる」と断ったり、わがままを言ってみたり、仲間にきび団子を半分しかあげなかったりと、ダラダラしているのです! でも「やるときはやる!」という感じが好感を持てました。

山へ木を切りに行こうと誘っても、鬼退治に行ってくれとお願いしても「あした いく」と言って、なかなか行かないももたろう。そんな姿が自分の息子たちと重なって、ふと、ももたろうは何歳だろうか? という疑問が湧いたりするなど、新しい見方や発見もありました。さらに、特徴的なのは、郷土なまりで進むところ。子どもに読み聞かせると、言葉の意味を理解しようと真剣に聞き入ってくれました。
じつは鬼退治のあとのオチも、絵本によって違うんです

ももたろうの結末は絵本によってさまざまなんです。たとえば、鬼を成敗したあとお宝を持って帰り、みんなでハッピーエンドを迎えるものもあれば、お姫様を助け出して結婚するという、ももたろうが主となるハッピーエンドなど。

この絵本は、鬼もなかなか強くて、最後の戦いで形勢逆転しそうになると、昔話の『さるかにがっせん』に出てくる臼や蜂たちが加勢します。ウルトラマンを崇拝している息子にとっては、ももたろうよりも、ピンチを助ける臼や蜂たちがヒーローに見えたようで、「ウルトラマンとか出てこない?」なんて聞いてきたり。いままでにないストーリーで、読み聞かせる大人も一緒に楽しめました。

また、背表紙に作者の思いが記されており、岡山では、「食っちゃぁ寝る大らかなももたろう」が描かれているそうで、そこにヒントを得たそうです。子どもを楽しませるためだけでなく、読み聞かせる大人も楽しくなるそんな絵本でした。
おんがえしのために現れた娘と、「覗かない」と約束するが……

『よみきかせ日本昔話 つるのおんがえし(講談社の創作絵本)』

1,296(税込)
著者:石橋洋司(文) 水口恵理子(絵)
出版社:講談社
文:森川 夏紀
(クレディセゾン 育休中)
5歳、1歳の女の子のママ
主人公が罠にかかった鶴を助けた日の夜、美しい娘が家を訪ねてきて、一緒に暮らしだすところから物語が始まる「つるのおんがえし」。主人公は、自分の生活を助けようと機を織ることにした娘から、「機を織っている姿を決して見ないように」と言われていたにもかかわらず覗いてしまう。するとそこには以前助けた鶴がいて、自分の羽を抜いて機を織っていた。姿を見られた娘は鶴の姿に戻り、去ってしまうというのが基本のストーリーです。
覗いてしまった理由も大事。心優しい主人公が魅力的

昔話「つるのおんがえし」のなかで私がおすすめする絵本が、講談社の創作絵本から出版された「よみきかせ日本昔話」シリーズのもの。少し地味な色使いであることが多い「つるのおんがえし」ですが、そのなかでも比較的カラフルだったこともあって、娘も一番のお気に入りです。

冒頭の鶴を助けるシーンも、絵本によって違います。主人公が「罠にかかっている鶴を助ける」ものや、「猟師に矢で撃たれた鶴を買い取って助ける」ものがあり、この絵本は前者のもの。後者のパターンだった絵本も娘に読み聞かせたのですが、猟師に怒鳴られるシーンが怖かったみたいで、やや不評でした。

鶴の部屋を覗くという、この昔話の山場にも違いがありました。「好奇心に勝てなくて覗いてしまう」「機を織る度にやつれていく娘が心配で仕方がなく覗いた」「なかなか部屋から出てこない娘にいらいらして覗いた」、と理由は千差万別。「よみきかせ日本昔話」シリーズの場合は、主人公が娘の織物を売って得たお金に目がくらむこともなく、ただただ娘の身を案じて覗いてしまったという心優しい男だったので、娘に読み聞かせるにはぴったりだと思いました。
子どもに「約束を守ることの大切さ」を伝えられた!

読み終えて娘に感想を聞いてみたところ、「最後にお別れするのが悲しかった」とのこと。「なんでそうなったと思う?」と聞くと、「見たらだめって言われたのに見ちゃったから」と、「約束は守らないといけない」という教訓が5歳の娘にもきちんと伝わったようです。
「よいことをするとよいことが返ってくる」という教訓を伝える物語

『ねずみのすもう』

1,512(税込)
著者:金沢利子(文) 赤羽末吉(絵)
出版社:偕成社
文:小宮 達郎
(クレディセゾン 営業企画部 プロモーション戦略グループ)
5歳、3歳、1歳の男の子のパパ
昔話「ねずみのすもう」をご存知でしょうか? まずはこの物語の説明から。貧しい生活を送るおじいさんが山へ芝刈りに行くと、ねずみがすもうを取っていました。太ったねずみが痩せたねずみを何度も投げ飛ばしていたのですが、じつは痩せたねずみは貧しいおじいさんの家にすみついていて、太ったねずみは村の長者の家にすみついていたのです。

自分の家のねずみだと気づいたおじいさんは、餅をついて与え、それにより力をつけたねずみは、ついに太ったねずみを投げ飛ばすのです!

太ったねずみは強くなれる餅を自分も食べたいと痩せたねずみにお願いをします。老夫婦は2匹分の餅を用意してやり、太ったねずみはお礼に小判を置いていきました。2匹のねずみは良きライバルとなり、老夫婦はその小判のおかげで裕福になり、幸せに暮らしたというストーリーです。この昔話には「よいことをすると自分に返ってくる」というメッセージが込められています。
子どもの「なんでいけないの?」という問いの答えが見えてくる

私が昔話「ねずみのすもう」を読み比べてみて一番印象に残った作品は、偕成社から出版された「日本のむかし話」シリーズのもの。自分自身が幼少期にテレビで見ていた『まんが日本昔ばなし』(毎日放送)を想起させるイラストに、懐かしさを感じました。それだけではなく、文章も直接的な表現を使わず、ストーリーが淡々と書いてあるので、大人は物語の意味を考え、子どもも「どうしてこうなるんだろう?」と考えてくれると思います。

作品によって、結末が分かれており、最終的に老夫婦が幸せ(裕福)に暮らしたことまで書かれているものと、2匹のねずみがよきライバル関係になるところで終わるものがあります。

捉え方は人それぞれかと思いますが、この物語では「自分がよいと思うことを他の者に与えた」、それによって「よいことを与えられた他の者が、それを別の誰かにも与えた」。そして「結果的にそれがいろんな者たちを幸せにして、さらに自分にも幸せが返ってきた」ということ。

とくに、子どもの成長には3つ目の、「自分にも幸せが返ってくる」を伝えることが非常に重要だと思っています。いつも子どもが「なんでこんなことをしなくてはならないの?」と聞いてきたときに、自分が正しいと思う答えを言葉だけで伝えても、なかなか理解してくれません。でも、わかりやすいストーリーにすることで、イメージとして伝えることができます。3人の子どもを持つ親として、こんなシンプルなことが伝え方次第で変わるのかと考えさせられました。親の教科書的にもいいかもしれません。

休日いつも子どもとお風呂に入るのですが、そのときに、このお話を聞かせてみました。すると子どもから「なんで痩せたねずみは強くなったの?」「どっちのねずみが強いの?」と、変化球な質問が返ってきました。それに答えるためにまた親も考える、お互いに成長できる作品だと感じました。
昔話は物語の登場人物や絵のタッチだけでなく、最後のオチまでも違うということがおもしろく、意外な発見でした。お子さんの年齢や、興味に合わせて、読み比べてあげるのもいいかもしれませんね。そしてこの機会に、子どもと一緒に昔話のよさにあらためてふれてみてはいかがでしょうか。

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