【医師監修】夏風邪の原因と症状は? 早めに治すケア・予防策

【医師監修】夏風邪の原因と症状は? 早めに治すケア・予防策

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冬の風邪とは違う「夏風邪」。今回は、夏風邪の原因や症状、早めに治すための対処法をご紹介します。





この記事の監修ドクター

宇井睦人 先生

家庭医療・緩和ケア・訪問診療・透析・へき地診療などに従事すると共に、障害をもった娘を亡くした経験から医療を中心とした幅広い政策を学ぶマルチドクター。日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医。医師+(いしぷらす)所属。

冬の風邪とは違う夏風邪とは

冬の風邪とは違う夏風邪とは
多くの人にとって風邪は「寒いときにひくもの」というイメージかもしれません。確かに、冬場は風邪をひく人が増加しますが、それとは真逆の季節である夏にも風邪が流行りやすいのです。夏風邪と冬の風邪の異なる点は「風邪の原因」です。冬の風邪を引き起こすウイルスは乾燥を好むのに対して、夏風邪を引き起こすウイルスは、高温多湿を好みます。また、暑さによる自律神経の乱れや、食欲不振などによって、免疫力や体力が低下しやすい状況なども、夏に風邪をひきやすくなる独特の事情と言えるでしょう。
夏風邪にかかりやすい季節は
夏風邪の原因となるウイルスは、高温多湿な環境が大好きです。つまり、夏風邪にかかりやすい季節は夏真っ盛りの7月〜8月よりも広めだと考えておくべきでしょう。具体的には梅雨前後の5月中旬〜9月に入るくらいまでは、夏風邪に注意する必要があります。
夏風邪の原因とは

夏風邪を引き起こすウイルスの種類
夏風邪を引き起こすウイルスは、いずれも高温多湿の環境を好みます。以下、夏風邪を引き起こしやすいウイルスです。

・アデノウイルス

・エンテロウイルス

・コクサッキーウイルス

それぞれのウイルスの詳しい特徴は、後ほどご紹介します。また夏風邪というわけではありませんが「ヒトメタニューモウイルス」にも注意が必要です。ヒトメタニューモウイルスは、乳幼児や高齢者で重症化しやすいことが知られているウイルス感染症です。およそ生後半年程度から感染する子が増え、10歳までにはほぼ全員が感染すると言われています。子どもの場合は特に、春先から梅雨頃(3月~6月)にかけての感染が多くなる傾向にあると考えられています。
免疫力の低下時は注意
暑さによって自律神経が疲弊してくると、体温調整がうまくできなくなると同時に、免疫力低下につながります。また、暑さは食欲不振を招きやすいため、より体力が落ちて免疫力が低下する、といったことも考えられます。このように免疫力が低下しているときは、風邪をひく恐れがあるため注意が必要です。
体の冷やしすぎ
クーラーで室内を涼しくしすぎると、内外の温度差が大きくなります。すると、余計に自律神経を疲弊させ乱れさせるため、免疫力低下の大きな要因となります。また、冷たい風が内臓を冷やすことで、さらに食欲不振に陥る可能性もあります。部屋を冷やしすぎず、食事はできるだけ栄養価が高く温かいものを食べることが夏風邪対策には必要です。
夏風邪の症状とは

かかるウィルスによって様々
夏風邪をひき起こすウイルスはひとつではありません。どのウイルスに感染したかによって、現れる症状も様々です。例えば、一部のウイルス感染では、必ずしも高熱が出るわけではありません。一般的な医療機関ではウイルス名の特定はできず、特定すること自体にも大きな意義がないことが多いのですが、水分が摂れない、呼吸が苦しいなどの時には速やかに医療機関を受診することが大切です。
アデノウイルス
直訳すれば「扁桃腺・リンパ腺(アデノ)のウイルス」という意味になります。1週間前後の高い発熱のほか、喉の痛みや眼の充血が特徴です。6歳未満の患者さんが多く、小学校くらいまでの子どもは注意が必要です。プールでの感染が多いことから「プール熱」とも呼ばれており、代表的な夏風邪のひとつとなっています。なお、大人が感染・発症すると重症化しやすいのでご注意ください。
エンテロウィルス
「手足口病」や「ヘルパンギーナ」を引き起こすのがエンテロウィルスです。直訳すれば「腸(エンテロ)のウイルス」という意味になりますが、実際にエンテロウィルスは喉から感染し、腸で繁殖します。手足口病は文字通り手、足、口に、水疱性発疹の症状が出ることが特徴ですが、ウイルスが繁殖している胃腸にも不調が出ることが多いです。発熱については、1/3程度しか見られません。保育園や幼稚園など、乳幼児が多くいる環境での集団感染に注意が必要と言われています。子どもの感染が圧倒的に多い病気ですが、稀に大人が感染するケースもあります。
コクサッキーウイルス
5歳未満の子どもがかかりやすい夏風邪「ヘルパンギーナ」の原因となるウイルスのひとつです。39度前後の高熱と、喉の水泡や口内炎が特徴で、ご飯を食べることが辛い病気です。炎症が強く出て、喉が赤く腫れるため、ママが確認しても比較的わかりやすいでしょう。ヘルパンギーナは特に梅雨の流行が多いといわれています。コクサッキーウイルスはさらに「手足口病」の原因ともなります。
子どもの夏風邪には注意
子どもが「プール熱(咽頭結膜炎)」「手足口病」になった場合、意識低下や痙攣に注意が必要です。このような時は、髄膜炎や脳炎といった合併症の恐れもあるため、速やかに医療機関を受診してください。また、痙攣と同時に嘔吐する場合には、窒息を避けるために横向きに寝かせましょう。対応を間違ったり、病院に連れて行くのが遅れると、命にも関わるケースがありますからご注意ください。
夏風邪を早めに治す為に

治りにくい夏風邪
夏風邪は治りにくいことでも知られています。以下、その理由をご紹介します。

■ウィルスがお腹で増殖するから

夏風邪を引き起こすウイルスは、お腹の中で繁殖するケースが多いです。そのため、排出されるまでに時間がかかりがちとなっています。

■ウイルスに効く薬がないから

細菌には抗生物質、ウイルスでもインフルエンザにはワクチンや有熱期間を短くするものが存在します。しかし、夏風邪の原因となっているウイルスに対しては、特別な薬が存在しません。それぞれの症状に対して、対症療法的な薬は処方されるケースはありますが、夏風邪の治癒は、ホームケアを中心に免疫力をつけることしかないのが現状です。

夏風邪は長引きやすい一方で、早期診察と適切なケアによって、1週間前後で治ることが期待できます。
免疫力をつける
アデノウイルス、エンテロウイルス、コクサッキーウイルスは、いずれも抗生物質が効かないウイルスです。他に特効薬もありませんから、免疫力をつけることがケアの基本となります。具体的には、これらのウイルスによる感染症になったら、落ち着いた環境で安静にし、しっかりと睡眠をとることが重要です。吐き気などが治まり、胃腸機能が少しずつ回復してきたら、消化が良く栄養価の高い食べ物をとりましょう。
適切な温度調整
夏風邪のケアには、室内の適切な温度調整が不可欠です。暑いままでは体力を消耗するためエアコンを使用する必要がある一方で、部屋を冷やしすぎるとかえって体調悪化の原因となります。いずれにしても、暑すぎず寒すぎずのちょうど良い室温をキープするように心がけてください。
体力をつける食事とこまめな水分補給
夏風邪のウイルスは、お腹で増殖するものが多く、下痢や嘔吐を伴う場合もあります。下痢や嘔吐が強い時には、無理に食事を食べさせる必要はありませんが、水分補給はこまめに行ってください。その際、なるべく水だけよりも、薄めたスポーツドリンクや経口補水液を飲ませるようにしてください。

食事を口にできるようであれば、消化の良い食べ物から食べさせましょう。例えば、梅干しを落としたお粥などはおすすめです。梅干しに含まれるクエン酸には疲労回復効果が期待できます。また、適度な塩分(ナトリウム)を補えることで、脱水症状防止にも役立ちます。

熱のある状態では脱水症状を引き起こされやすいので、常温の水やぬるめの白湯、経口補水液やスポーツドリンクで水分補給もこまめに行いましょう。食事もできればベストですが、喉の痛みがある時は飲みこむことも辛くなるので、無理のない範囲で栄養をとりましょう。
点滴での治療
下痢や嘔吐がひどい、食事が全く口にできないなどの場合には、脱水症状に陥る危険性があります。この場合は、速やかに診療所もしくは病院へ連れて行き、適切な治療を受けましょう。
予防する事が一番大事
かかってしまうと長引くケースの多い夏風邪ですが、日頃からの注意である程度予防することが可能です。以下、夏風邪の予防方法をご紹介します。

■うがい・手洗いの徹底

幼稚園や保育園、学校から帰宅した際には、手洗いとうがいをしっかりと行います。ある意味原始的な方法ですが、夏風邪予防の効果が期待できます。また、外出先からの帰宅時だけでなく、トイレ後や食事前も手洗いとうがいを行うと良いでしょう。

■目を洗うこと

夏風邪の原因となるウイルスは、目から感染するケースがあります。したがって、大衆浴場やプール後だけでなく、外出から帰ってきた時も目を洗ったり、目薬をさして洗い流すことをすすめる専門家もいます。

■寝室の湿気を取り除く

夏場、就寝中の私たちは大変汗をかきます。このようにして湿った布団は、夏風邪の原因となるウイルスが繁殖する温床となります。こまめに布団を干したり、除湿シートを利用しましょう。エアコンの除湿機能も上手く活用しましょう。

■貸し借りはNG

ウイルス感染の原因となるため、ハンカチやタオル等の貸し借りはしない方が良いでしょう。

まとめ
夏風邪にかかったり嘔吐・下痢などの症状が強い時、水分が摂れない時は早めに医師の診療を受けましょう。また、日頃からの心がけで、夏風邪予防に努めましょう。

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