【医師監修】月経困難症かも? 症状と原因、治療法とは?

【医師監修】月経困難症かも? 症状と原因、治療法とは?

Bu facebook
Bu twitter
生理中、下腹部痛や腰痛などといった「生理痛」の症状に悩まされることは、決して珍しいことではありません。しかし、その症状があまりにもひどく、日常生活に支障をきたしてしまうような場合を「月経困難症」と呼びます。ここでは、月経困難症の原因や治療法などをご紹介していきます。







この記事の監修ドクター

産婦人科医 巷岡彩子先生

産婦人科専門医、医学博士。都内の大学病院やクリニックでの勤務を経て、現在、不妊治療専門の産婦人科クリニックにて勤務。

ママドクターとして育児や家事と仕事を両立しながら活躍中。

女医プラス所属

月経困難症とはどんな病気?

月経困難症とは?
月経困難症とは、生理痛があまりにもひどく、寝込んでしまったりするなど、日常生活に支障をきたしてしまうような状態のことをいいます。月経困難症の症状には、下腹部痛や腰痛に加えて、お腹の張り、吐き気、頭痛、むくみ、倦怠感、眠気、イライラ、憂うつなども含まれます。
生理痛や不妊との関係は?
月経困難症だからといって、必ずしも不妊になるというわけではありません。しかし中には、病気が潜んでいるケースもあります。このような場合は、放置していると、妊娠しづらくなる可能性も考えられます。
機能性月経困難症と器質性月経困難症

月経困難症は、「機能性月経困難症」と「器質性月経困難症」の2種類に分類されます。
機能性月経困難症の原因
「機能性月経困難症」は、原因となる病気がないのに症状があるものを指します。主な原因は、体質的に「プロスタグランジン」の分泌量が多いことだと考えられています。プロスタグランジンは、月経時に生理のときに子宮内膜から分泌される物質で、子宮を収縮させ、経血を体外に押し出す働きをします。プロスタグランジンが過剰に分泌されると、子宮の収縮が強くなり、痛みが増してしまうのです。

また、10代後半などの若い女性の場合は、子宮や卵巣がまだ未熟で、子宮頸管(子宮の入り口の部分)が硬く細いために、経血を無理に押し出そうとすることが痛みの原因になっているケースもあります。この場合は、妊娠や出産を経験すれば、痛みが軽くなることが多いようです。

さらに、冷えや骨盤のゆがみ、ストレスによる自律神経の乱れなどで、血流が悪くなっていることも、症状を悪化させる要因になります。

器質性月経困難症の原因
器質性月経困難症は、原因となる病気が存在する月経困難症で、「子宮内膜症」「子宮筋腫」「子宮腺筋症」などが主な原因として挙げられます。
子宮内膜症
子宮内膜症とは、子宮内膜組織が、直腸と子宮のすき間、卵巣など、子宮以外の場所にできる病気です。本来の子宮内膜は、生理周期に合わせて増殖し、はがれ落ちて経血とともに排出されます。しかし、子宮内膜症の場合は、はがれ落ちても排出される出口がないため、お腹の中に溜まって炎症を起こし、強い生理痛を引き起こすのです。また、生理のとき以外の下腹部痛、性交痛、排便痛、下痢、便秘などの症状が現れることもあります。
子宮筋腫
子宮壁の筋肉の一部が異常に増殖し、コブのようになった良性腫瘍を指します。腫瘍ができる場所、数、大きさによって症状が異なりますが、腫瘍が大きくなり、また子宮内膜に近いところにあるほど月経過多、貧血、生理痛などの症状が現れることが多くなります。
子宮腺筋症
子宮の内膜組織が、子宮の筋肉層の中に入り込んで増殖していく病気です。進行すると、子宮壁が徐々に分厚くなって、子宮全体が大きく膨らんでいきます。激しい生理痛、月経過多、それにともなう貧血などが主な症状です。「それほどひどい痛みがなかったのに急に痛みが強くなってきた」「生理痛が年々ひどくなる」「生理痛に月経過多もともなう」といった場合は、こうした器質性月経困難症の可能性があるので注意しましょう。
月経困難症の3つの治療法は?

さまざまな検査をして原因となる病気が見つかった場合は、その病気に対しての治療を行うこともあります。一方、原因となる病気がない機能性月経困難症では、生活の支障となる症状に対して鎮痛薬やピル、漢方薬などを使って治療をします。

鎮痛薬の服用
機能性月経困難症では、まず痛みをやわらげるための対症療法として、鎮痛剤(プロスタグランジン合成阻止剤)が処方されるのが一般的です。この薬は、痛みの元となるプロスタグランジンが体内で合成されるのを抑えることで、痛みを出にくくするのです。
漢方薬で緩和
月経困難症に対して、漢方薬が用いられることもあります。個人の体質や症状によって使い分けされますが、よく用いられるのは次の漢方薬です。

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)…冷え性や貧血の傾向があって疲れやすい人の生理不順や生理痛に。

・加味逍遥散(かみしょうようさん)…不安や落ち込み、イライラ、のぼせなどの症状がある人の生理不順や生理痛に。

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)…赤ら顔やのぼせの症状があるのに足が冷えやすい人の生理不順や生理の異常に。

・温経湯(うんけいとう)…冷え性や口の渇き、手足のほてりがある人の生理不順や生理痛に。

ピルの服用
鎮痛薬で症状が改善されない場合は、ピルが用いられることもあります。ピルは「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」を配合した薬で、、連続して服薬することで排卵を抑制する作用があります。

月経は、排卵のあとに、妊娠(受精卵の着床)に備えて分厚くなった子宮内膜が、妊娠に至らなかったために、はがれ落ち、血液とともに排出されることで起こります。このため、排卵が抑制されれば、子宮内膜の増殖も抑えられて経血の量が減り、月経の際の子宮の収縮も少なくなるので、生理痛の緩和につながります。
まとめ

生理痛は、多くの女性が経験するため「生理痛くらいで病院に行くなんて…」と感じる人もいるかもしれません。しかし、なんらかの病気が原因で強い痛みを引き起こしている可能性も考えられます。また、原因となる病気がない機能性月経困難症の場合も、投薬により、症状が改善することもあります。辛い場合は我慢せずに、病院を受診しましょう。

関連リンク
【ママ女医と娘の○○な日常 vol.3】熱中症は子どもの方が危ないって本当? | マイナビウーマン
【医師監修】排卵障害の主な原因・症状・検査方法は? 治療で治る? | マイナビウーマン
【医師監修】統合失調症の原因とは? 症状と診断基準 | マイナビウーマン
元のサイトを見る

関連する記事

この記事のキーワード

RANKING
YESTERDAY

WHAT'S CHIENOWA?

staff_pickup