近年増加している要介護の要因「フレイル」と「肺炎」を防ぐには?

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65歳から、プレフレイルに注意が必要

和光駅前クリニック 寺本信嗣先生

 11月11日の「介護の日」を前に、ファイザー株式会社は10月28日にプレスセミナーを開催。元筑波大学附属病院ひたちなか社会連携教育研究センター教授で和光駅前クリニックの寺本信嗣先生による講演が行われ、併せて同社が実施した「介護予防と肺炎予防に関する意識調査」の結果が紹介されました。

 厚労省が2010年に行った国民生活基礎調査によると、75歳以上から増加する高齢者介護の要因に衰弱(フレイル)があります。フレイルは、健康と要介護の中間的な段階で、ほとんどの高齢者はフレイル状態を経て段階的に要介護になっていくそうです。

 フレイルには、

  • 身体的フレイル:栄養不足で体力が落ちる、転ぶことが増える、食べ物をうまく呑み込めない、糖尿病などの持病の進行など
  • 社会的フレイル:外出が億劫になる、人付き合いが減る、ひとりで食事をする場面が増えるなど
  • 精神的フレイル:意欲や判断力の低下、認知機能の低下、抑うつ状態など

 の3つの側面があります。これらが互いに影響しあって悪循環に陥り、次第に自立した生活が送れなくなって、やがては介護が必要になってしまうのです。フレイルのさらに前段階、いわゆる「プレフレイル」は、65歳を過ぎるとあらわれます。高齢化に伴う医療費高騰が懸念される中、介護が必要になる前段階であるフレイル、さらにはその前のプレフレイルの段階で対策をとる必要性が高まっています。

元気に長生きするために、肺炎予防が重要

 長生きはもちろん、できるだけ最後まで元気で過ごしたいと願う高齢者は多いでしょう。元気に長生きするためには、不慮の事故や災害から身を守るのはもちろん、心血管の病気を防ぐことと、肺炎を防ぐことが大切だと、寺本先生はいいます。ところが、心血管の病気予防の重要性に比べて、肺炎予防は未だ十分に認識されていないのが現状のようです。

 寺本先生は、2008~2010年に、特に重症化しやすい肺炎球菌によって肺炎にかかった人の割合を年齢別に調べた研究を紹介。65歳を超えると急に肺炎にかかる人が増え、肺炎による入院は体力が低下してフレイルに、フレイルから要介護へと結びつきやすいと説明。65歳を過ぎたら肺炎予防を行う重要性を訴えました。

 高齢者の肺炎のほとんどが、飲み込む力が弱ることで起こる誤嚥性肺炎です。誤嚥を繰り返す高齢者が肺炎を予防するうえで必要なのは、飲み込む練習と、口の中の細菌を減らす口腔ケアといわれます。しかし、これだけで肺炎を予防するのは難しいことから、肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されています。現在、日本で承認されている成人用の肺炎球菌ワクチンは2種類ありますが、接種後に期待できる免疫機能の強さや、予防できる肺炎球菌の型が違うため、2つのワクチンを賢く組み合わせて接種することで、強い免疫を長い間獲得することができるということです。

 ファイザー株式会社が実施したアンケート調査では、自分自身の介護を心配する親世代よりも、親の介護に不安・危機感を抱いている子ども世代のほうが多い結果でした。しかし、フレイルという言葉の認知度は親世代、子ども世代とも5%程度と低く、介護予防の一環として、フレイルに結びつく肺炎を予防する必要があることを知っていたのは、親世代で30%未満、子ども世代では20%未満でした。「介護の日に併せて、親子間で介護について話す機会をぜひ持ってほしい」(寺本先生)。肺炎予防についても、一緒に話したいものですね。(QLife編集部)

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