社会派ブロガーちきりんに教わる、自分の時間を取り戻す「生産性」講座

社会派ブロガーちきりんに教わる、自分の時間を取り戻す「生産性」講座

2017年2月10日公開

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社会派ブロガーとして活躍し、Twitterでは20万人を超えるフォロワーを持つ「ちきりん」さん。『ゆるく考えよう』(イースト・プレス)、『自分のアタマで考えよう』(ダイヤモンド社)といった著作の数々はベストセラーとなり、オピニオンリーダーとして多くの人がその独特の視点に注目しています。

そんなちきりんさんの最新刊が『自分の時間を取り戻そう』(ダイヤモンド社)。この本のなかで、ちきりんさんは、「生産性」をキーワードとしながら、忙しさに追われるばかりではなく、生活のなかで自分の時間を持つための発想方法を紹介しています。

長時間労働や、育児、介護などによって、多忙であることが当たり前となっている日本社会。ちきりんさんの発想は、どのように現代人の毎日を変えていくのでしょうか? そして、生産性を向上させるための方法とは? ちきりんさんにお話を伺うと、そこには、多忙な日々を脱出するためのヒントが浮かび上がってきました。


取材・文:萩原雄太 撮影:豊島望
プロフィール

ちきりん
関西出身。バブル期に証券会社に就職。その後、米国での大学院留学、外資系企業勤務を経て2011年から文筆活動に専念。2005年開設の社会派ブログ「Chikirinの日記」は、日本有数のアクセスと読者数を誇る。シリーズ累計25万部のベストセラー『自分のアタマで考えよう』『マーケット感覚を身につけよう』『自分の時間を取り戻そう』(ダイヤモンド社)、『「自分メディア」はこう作る!』(文藝春秋)など著書多数。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/
https://twitter.com/insidechikirin
「生産性」とは、人生の貴重な資源を最大限に有効活用して、「やりたいことを全部やるための方法」なんです。
―ちきりんさんの新著『自分の時間を取り戻そう』では、生産性を向上させ、自由な時間を確保するための思考法が書かれています。まず、ちきりんさんの考える「生産性」とはどのような概念なのでしょうか?

ちきりん:私の言う「生産性」とは、時間や若さ、エネルギーといった人生の貴重な財産・資源を大事に使いましょうということ。それらを無駄遣いせず、有効活用することでほしいものをできるだけ多く手に入れることです。だから「生産性の高い生活」というのは、やりたいことが全部できて、自分の時間を取り戻した状態のことですね。

でも生産性についてこのように周りに話しても、私のように捉えている人はほとんどいない……。朝から晩まで走り回る忙しい生活を「生産性が高い」生活だと思いこんでいたり、クリエイティブな仕事には関係のない概念だと誤解してたり。

『自分の時間を取り戻そう』に出てくるプレイングマネージャーの正樹、働くママのケイコ、フリーランスワーカーの陽子、起業家の勇二の四名が抱える悩み。心当たりのある人も多いのでは……?
―一般的に、「生産性」と聞くと、ビジネスやお金の話をイメージしてしまう人が多いのではないかと思います。

ちきりん:そのように狭く考えるのはもったいない。「やりたいことを全部やるための方法」と考えれば、生産性という言葉のイメージはまったく変わります。それなのに、みんな「生産性」という言葉から思い浮かべるのは、コスト削減ばかり……。「生産性を上げよう」というと、すぐ「無駄を減らして節約しなくちゃ」という発想になってしまう。

お金という希少資源の生産性を考えるなら、節約よりもまずは、大きな満足感を得られるお金の使い方を考えることが大切。たとえば、過去何か月かで「これはいいお金の使い方だった!」と思いつくものはありますか?

―パッと思いつくのは難しいです……。

ちきりん:それは、お金の使い方の生産性が低い証拠です! 「これを購入して本当によかった」と言えるのが生産性の高いお金の使い方。「自分にとっていちばん満足度の高い消費とは何なのか」と、意識的に考える癖をつけていけば、自然と無駄遣いも減りますし、お金という限りある資源を常に最大限に活用できます。お金だけでなく、時間やエネルギーについても同じ。

―肝に銘じます! つまり、「生産性を上げる=効率を上げる」というものではないんですね。

ちきりん:違います。大事なのはインプットを節約することではなく、アウトプットをどう増やすかと考えること。同じ予算や時間を使って、「ちょっと楽しい」ではなく「めっちゃ楽しい!」を手に入れる方法なんです。
「生産性」という言葉を知らない頃から、最小のインプットで最大のアウトプットを出すという考え方をしてきました。
―「生産性」という言葉の印象が少しずつ変わってきました! でも、なぜ生産性というと、インプットを節約し、無駄を省くことだと考えてしまいがちなのでしょうか?

ちきりん:日本では、トヨタを始めとする製造業のイメージが強すぎるんです。「生産性」はもともとニューヨーク大学経営大学院教授などを務めたW・エドワーズ・デミング博士が日本にもたらしたもの。日本の工場はアメリカの工場よりはるかに熱心に彼の教えを取り込み、世界でいちばん真面目に生産性の向上に取り組みました。でもそのために、日本では「生産性は工場のための概念」という誤解が定着してしまった。

―製造業での成功の弊害として、生産性という言葉のイメージが過剰に悪くなってしまっているんですね……。ところで、ちきりんさんが「生産性」を意識し始めたのはいつ頃からでしょうか?

ちきりん:高校生の頃、東京の大学に入って一人暮らしをするのに憧れました。でも、そう思ったときにはすでに高校3年の夏だったので、勉強時間は半年しかない。夢をかなえるため、半年間で成績を上げるいい勉強法はないかと試行錯誤しながら勉強したんです。「生産性」という言葉こそ知りませんでしたが、「最小のインプットで最大のアウトプットを出す方法を探せばいいんだ」と考えるようになったのはそのときからです。

Twitterのアイコンとしても知られる、ちきりんさんのイラストが描かれた表情豊かなうちわはお手製だそう
―かなり昔から意識されていたんですね。

ちきりん:そうですね。無事、大学に合格して一人暮らしを始めたのですが、その後も常にどうやったら生活の生産性を向上できるか考えていました。当時は就職すると長期の休みが一切取れないと言われた時代。あれもやりたい! これもやりたい! と山ほどあったやりたいことを、大学の4年間でやり尽くさなければ。そう思ってましたから。

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